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夏合宿、ざくざく

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夏合宿、ざくざく

リアクション

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「さてと、うまくセレンが掘り当ててくれるといいけれど。大丈夫かしらねえ」
 浅瀬の16番区に『ハートの機晶ペンダント』を埋める穴を掘りながら、セレアナ・ミアキス(せれあな・みあきす)が言いました。
 コツン。
 何かがシャベルの先に当たりました。掘り出してみると、防水加工を施された箱が出て来ます。
「何かしら」
 開けてみると、赤いイコプラが出て来ました。イーグリットベースのようで、スリムなボディに肩に特徴的な三枚羽のビームバインダーを装備しています。茨ドーム付近でのイコン戦で、オプシディアンたちのリーダーであるルビーが乗っていたイコンのイコプラです。
「うーん、これを先に見つけられると困るわね。もっと深く埋めておかなきゃ」
 そうつぶやくと、セレアナ・ミアキスは自分が埋めた機晶ペンダントのそばに深い穴を掘りなおして、『イコプラ・スイヴェン』をきっちりと埋めなおしました。

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 さて、宝探しは夏合宿の参加者たちのイベントですので、一緒に来ている従者やペットや戦闘員のみんなはどちらかというと手持ち無沙汰です。
 コハク・ソーロッド(こはく・そーろっど)がいつも連れて歩いているオリヴィエ博士改造ゴーレムのローゼンクライネも、特に命令がなかったのでトコトコと浜辺を歩いていました。あまり遠くに行くと心配されるので、キャンプ場のごく近くを歩いていたのですが……。
 ズボッ!
 填まりました。いや、穴に落っこちたというのが正しいでしょうか。
 ジタバタしていると、足許に何かあります。どうやら、お宝の一つのようです。
 それはいいのですが、穴が深くて脱出することができません。もがいていると、周囲の砂が崩れてだんだんと埋もれていきました。
「あららられっ? しまったのじゃ。穴を一つ埋め忘れたのじゃ。すぐに埋めないと、怒られるのじゃ」
 ズルズルとイングラハム・カニンガムの足を持って引きずってきたビュリ・ピュリティアが、ローゼンクライネの填まった穴を発見して、何も考えずに埋めてしまいました。

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 さて、ここは岩場の49番区画です。
 ソフィア・クレメント(そふぃあ・くれめんと)が、大洞 剛太郎(おおほら・ごうたろう)に言われて『種モミ袋』を隠しに来ました。本人はただの種モミ袋で外れアイテムだと思っていますが、実は中に小さなルビーとアクアマリンが入っています。見つけた人は大当たりだと思っての大洞剛太郎のちょっとした悪戯とサービスでした。もちろん、知っていたら、確実にソフィア・クレメントのデート資金にされていたところです。言わなくて正解です。
「さすがに、波にさらわれちゃったらまずいですわよねえ」
 直接波があたらない岩場の端っこの方の隙間に、ソフィア・クレメントが種モミ袋を押し込もうとしました。ところが、先に何かが挟まっています。引っ張り出してみると、それは『シャンバラ山羊のミルクアイスの詰め合わせセット』でした。
「このままでは解けてしまいますわよ。何を考えているのでしょう」
 言いながら、すでにソフィア・クレメントはアイスを食べていました。

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「ふふふふ、幽霊か。だったら、これぐらいのサプライズがないとね」
 かつて肝試しに使われた洞窟に忍び込むと、清泉 北都(いずみ・ほくと)がごそごそと何か仕掛けました。
「誰が引っ掛かるか、楽しみだなあ」
 悪戯っぽい笑みを浮かべて、清泉北都が楽しそうに言いました。

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「うん、この土なら、いい種モミマンが育つよ」
 キャンプ場近くの75番区画の地面に、穴を掘りながら小鳥遊 美羽(たかなし・みわ)がにんまりとしました。調子に乗って掘っていると『機動要塞戦のゲームソフト』が出て来たので、もう一度埋めなおしてそこに『種モミマン』の種籾を撒きます。
「大きく育つんだよー」

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 すぐ近くの77番区画では、屋良 黎明華(やら・れめか)が『ぷりかる人形』を穴に埋めようとしていました。
「ぷりかるさんは、パラミタで黎明華に声をかけてきてくれた、大変貴重な方なのだあ。だから、ぷりかる人形に黎明華、胸きゅんなのだあ。この楽しさは、ぜひみんなにも分けてあげないとなのだあ」
 掘り下げていくと、『イコプラ・ヴァラヌスフライヤー』の箱に突き当たったので、その上に載せる形でビニール袋につつんだぷりかる人形を丁寧に埋めていきました。