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「お手紙かあ、我達も手紙を書いてみようなのだ!」
「キュピキュピ(わたぼも書く)」
「ちー」
 天禰 薫(あまね・かおる)わたげうさぎロボット わたぼちゃん(わたげうさぎろぼっと・わたぼちゃん)とちーの白もこちゃんは書く気満々である。
「……手紙か。双子も参加していそうだな」
 熊楠 孝高(くまぐす・よしたか)は手紙書きのみしか聞いていないが、開催場所と内容から双子も参加している事を予想していた。何せこれまで散々二人に振り回されたので。
「あそこにいるのが、そうじゃないかな」
 熊楠 孝明(くまぐす・よしあき)は手紙を盗み見しようとする双子を発見した。
「双子ちゃんなのだ。でも一緒にいるのは誰なのだ?」
 薫は孝明が示した先で悪さをする双子を確認すると共に彼らの側にいる見知らぬ人物に首を傾げた。ロズが関わった騒ぎに巻き込まれはしたが、薫達はロズとはあまり面識が無いため。
 それを聞きつけ素性を知らせたのは
「あれはあの二人の保護者のロズだな」
 付近にいたベルクだった。
「あの騒ぎの……」
「あの二人の保護者とは大変だねぇ」
 薫は事実に驚き、孝明はクツクツと笑いながら想像し便箋から漂う酒好きの自分として嬉しいコルクの匂いで想像した事を鮮やかにしながら手紙を書き続けていた。
「……とにかく今はろくでもない事をしているようだ。あいつらを回収して来る」
 明らかに双子が悪いと分かる状況に孝高が取る方法は一つだけ。
「分かったのだ。双子ちゃんと手紙を書くのだ」
「ピキュピキュウ(わたぼも双子のお兄ちゃんと書くよ)」
 薫とわたぼちゃんは手を付けようとした便箋から手を引っ込めて双子が来るまでお預けに。
「面白い事になりそうだからこれはさっさと済ませておかないとねぇ」
 先程から手紙を書き続けている孝明が洩らすつぶやきは、双子にとって勘弁して欲しい事を意味しているのは明らかであった。
 孝高は双子に声をかける前に巨熊に獣化し、双子回収を始めた。