リアクション
■エピローグ
『あ……』
「どうしたですぅ?」
『ううん、そろそろかな……』
宴も落ち着いてきた頃、動かなくなってきた人形からルミルは離脱した。
ふわふわと浮かぶその姿は、当初と同じ半透明だが、最初の頃よりも透けて見える。
「……時間か?」
陽一の問いかけにルミルは頷いて返す。
『はい、陽一さん。 動物達と遊ばせてくれてありがとうございます』
そう言ったルミルはセレンとセレアナに向き直る。
『あの、風邪はひかないでくださいね?』
「よ、余計なお世話よ!」
顔を真っ赤にして反論するセレンと呆れるセレアナ。
そんな2人を見てルミルは笑う。
「よかった、ちゃんと笑えるようになったんですね」
『はい、貴仁さんが親身になってくれたおかげです』
まだ本が読みたかったのか、名残惜しそうな顔をするルミル。
「よかったら残ってもいいのよ?」
『ううん、大丈夫です』
ルカルカの提案にルミルは力強く返す。
「そっか」
きっと彼女はもう大丈夫だ。
ルカルカはそう確信できた。
『あとは……』
「あ、……悪霊退散ですにゃー!! さっさと逝っちまえですのーっ!」
涙をこらえながら、イコナは腕をぶんぶんと振り回す。
『うん、ありがとうイコナちゃん』
本心から別れを惜しんでくれつつも、送ってくれているのだろう。
そう思うとルミルの胸は熱くなる。
『皆さん、本当に楽しかったです』
そう言い残し、ルミルは幸せそうな顔を残して消えていった。
同時に日が昇りだし、一斉に森は明るくなる。
「……こっちも楽しかったですぅ」
エリザベートがそう呟くと、あたりはまぶしい光に包まれていた。
参加していただいた皆様、お疲れ様です。
蘭鈴六(らん すずろく)です。
お化けの少女を楽しませる今回のお話、如何でしたでしょうか。
肝試しをしたり、皆様と触れ合ったりしたおかげで、
少女は楽しいという気持ちを知る事が出来たどころか、楽しい気持ちのまま成仏できたかと思います。
更に、今回限りの出番でしたが、ルミルという名前を頂けて私としても非常にうれしく思いました。
皆様の心温まるアクションの数々、感謝の極みといったところです。
次回のシナリオもご参加いただけると幸いです。