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Perfect DIVA-悪神の軍団-(第3回/全3回)

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Perfect DIVA-悪神の軍団-(第3回/全3回)
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● エンディング 1

 クローラ・テレスコピウム(くろーら・てれすこぴうむ)少尉による李 梅琳(り・めいりん)大尉への疑念は解決した。
 蒼空学園からきていた要請は蒼空学園遺跡調査隊の救出隊員募集であって、遺跡方面での動きは、当時教導団内地下施設爆発事故調査の任務を受けて行動していた大尉には知り得ないことである。緊急度のレベルも違う。募集に添えられていた写真もまともに映っているものは後ろ姿のものしかなく、これで判別をすることも困難である。また、当時主犯と考えられた蒼空学園生徒松原 タケシ(まつばら・たけし)が遺跡調査隊の一員であったことは募集要項内に救出対象者として名前が記載されていたが、別の任務で行動中の大尉がそれを把握している必要性もない。加えて彼は当時「ルドラ」と名乗っていたことからも、松原 タケシと初対面である大尉が同一人物であると認識することは不可能だった。
 当然ながら、これは教導団内地下施設爆発事故調査の任にあたっていた者全員に言えることでもある。
 教導団襲撃と遺跡方面で起きている蒼空学園生徒救出作戦を、あの当時結びつけることができる可能性のある者はだれ1人いなかった。
 また、松原 タケシが拘束後取調中に逃亡した責任は大尉にはない。
 さらに、研究対象物とカナンとの関連性を示唆するものが何1つなかったことは明白である。1名の人間と5名の機晶姫が教導団を襲撃し、研究対象物を強奪したことによって導かれる予測とカナンへの進攻を結びつけることは当時だれ1人としてできた者はおらず、不可能。
 そのため大尉に責任を問うことはできない、というのが教導団上層部の出した結論だった。



 そして松原 タケシが国軍に収監されることもなかった。
 彼がパートナーであるリーレン・リーン(りーれん・りーん)の身代わりとなって敵に捕縛されたのは同じ調査隊隊員だった者たちが多数目撃している。直後、両目をえぐられたことからも彼が共犯である可能性は少ない。
 その後、義眼を挿入されて敵の先鋒となったわけだが、これも彼は体を利用されただけであり、本人の意思でなかったことは彼と接触した者たちによる複数の証言があった。
「あれはルドラであって、松原 タケシではない」
 求めれば大多数の者が口をそろえてそう証言するだろう。
 その証拠の1つがまさに教導団襲撃においての出来事だった。捕縛される際、彼はルドラの精神支配から解放された一時を、全て教導団へ情報を与えるために使用している。その代償として精神を破壊された。
 彼の精神が真実破壊されていたことについては、彼の精神の修復にあたったカナンの国家神イナンナ・ワルプルギス(いなんな・わるぷるぎす)が証人の1人となっている。
 己の命を賭けて味方が有利になるよう動いた、これ以上の献身はないだろう。
 以上のことにより、彼が今回の事件の主犯あるいは共犯であった可能性はゼロと結論付けられた。



 また彼の義眼についてだが、参考人として教導団に召致された際、本人の許可を得て徹底的に調査されたが、ルドラ・プログラムらしきものは発見されたものの、すでにそれはプログラムとして修復不可能なほど破壊されており、細切れの残滓でしかなかった。
 まともに機能しているのは義眼としての部分だけ。
 たとえプログラムに自己修復機能があったと仮定してみても、バックアップが破壊されている以上「ルドラ」が修復される可能性はほぼゼロ。100に1の可能性でいつの日か人工知能プログラムが構築されたとしてもそれは全く無垢なる存在だと結論づけられ、義眼の調査は終了した。



 後日、カナンの国家神イナンナ・ワルプルギス(いなんな・わるぷるぎす)より光の神殿防衛に尽力した葉月 可憐(はづき・かれん)に対する寛大な処遇を求める書状が西シャンバラ代王高根沢 理子(たかねざわ・りこ)、東シャンバラ代王セレスティアーナ・アジュア(せれすてぃあーな・あじゅあ)の元へ届けられた。
 そのことにより検討の結果、葉月 可憐の放校は執行猶予つきながらも限定解除されることが決定したのだった。