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【2024VDWD】甘い幸福

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17.ゆっくりと確かめ合い

 3月14日。
 教導団員のセレンフィリティ・シャーレット(せれんふぃりてぃ・しゃーれっと)セレアナ・ミアキス(せれあな・みあきす)は、公務で空京に滞在していた。
 今日はたまたま1日休みだったので、ホワイトデーということもあり、一緒に空京の街で過ごすことにした。
 セレンフィリティとセレアナは恋人同士だ。
 愛し合っていたはずなのに――長くすれ違っていたけれど。
 今ではこうして、昔の様に自然に、とまではいなかくても、周りからは自然に見えるほどに、二人は恋人として楽しく過ごすことが出来るようになっていた。
「うん、セレアナに貰ったネックレス、この服に合いそう……買っちゃおうかなぁ」
「セレンに似合いそうだけど、ちょっと高いわね」
「うーん、そうだよね。パーティ用のドレスだし、そう頻繁に着るものじゃないから……諦めるか」
 余所行きの服を着てショッピングを楽しみ、互いに服や装飾品を贈り合い、ゲームセンターでクレーンゲームをしたり。
 普通の恋人として、楽しいホワイトデーを過ごしていく。
 1日、歩き回った後。
 2人は裏道にでひっそり営業されているカフェに入った。
 穏やかな音楽が流れており、落ち着けそうな、休憩にはちょうど良いカフェだった。
 窓際の席に座ると、住宅街の公園が見えた。
 子供達が、楽しそうに砂場や遊具で遊んでいる。
 女の子も男の子も一緒に。
 追いかけっこをしたり、ままごとをしたり。
 楽しそうな笑顔をいっぱい浮かべて。
 眩しいくらいに、輝いていた。
 セレンフィリティとセレアナは無邪気な子供達を、眩しげに、少し羨ましげに眺めて。
 それから顔を合わせて、微笑み合った。
 届いたアイスティーにガムシロップを入れて、ストローでかき混ぜて。
 互いに少し、飲んでから。
 セレンフィリティの方から、話し始めて。
 互いの想いを、確認していく――。