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幸運の守護札を見つけ出せ

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幸運の守護札を見つけ出せ
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「あとどれぐらい隠すんだっけか?」
アッシュ・グロック(あっしゅ・ぐろっく)は守護札を両手に握りしめてあちこち行ったり来たりしている。
「もう少しで皆来ちゃうね。あの箱に入ってるのが無くなるまでなんだけど……」
アゾート・ワルプルギス(あぞーと・わるぷるぎす)は守護札がたくさん入った箱を指さす。

「一足先に来たのだが……、早すぎたか?」
 大岡 永谷(おおおか・とと)は閑散とした神社に足を踏み入れた。お祭りをやると聞いたのに、まるで終わった後のようで、日付を間違えてしまったのかと思った。
見回すと、アッシュとアゾートだけがバタバタとしている。どうしたのだろうか。
「忙しそうだけど、手伝おうか? 俺はここで巫女を募集していると聞いたんだ」
 とアゾートを引き止めて聞いてみる。
「それは助かるよ。けど、場所を知ってしまったら守護札はご法度になっちゃうけど」
「かまわないさ。なんだかハズレをひく気がする。それより、巫女の務めをはたしたいんだ」
 実家で巫女をしていたこともあり、早起きは得意である。
 サッと永谷は敬礼する。アゾートもつられて緩い敬礼を返した。
 それを見ていたアッシュも近づいてきて、同じく敬礼する。
「おっ、もしかして手伝ってくれんのか? よろしくなー。敬礼カッコイイな!」
「よろしく頼む。アッシュさん、格好いい敬礼をしたいなら、ちょっと角度が違うな」
 シャンバラ教導団で日課になっている敬礼を少し説明して、アゾートが見張る中久々の巫女衣装に永谷は着替えた。
「神社の務めは久しぶりなんだ」
 久々に着る袴は清々しい。雰囲気の違いに、「驚いた」と言いたそうなアッシュは永谷を褒める。
「意外と似合ってんじゃん?」
「これでも、地球じゃこれが日常だったんだけどな」
 
 *

 守護札隠し終了。
 準備を待たせてしまった巫女たちと出店組を呼んで、協力して速やかに準備終了した。

「さーて、幸運を勝ち取るのは誰だろーな?」
「もしくはハズレをひいてしまうトホホ、な人も出るだろうけど文句は受付ないもん」
 集まった参加者にマイクで呼びかけるアッシュたち。
 アゾートがトーチングスタッフを一振りし、開始の合図をした。
 巫女さんコンテストという文字につられて来た参拝客もぞろぞろと集まっている中で。