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魔列車を襲う鉄道強盗

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魔列車を襲う鉄道強盗

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第五章 走行中の護衛

貨物車内の災難は去ったが、車外の先頭はまだ続いている。
「列車を追えー! まだ負けたわけじゃねえ! 列車はもう一度止まる」
強盗のリーダーが言った。
形勢は、誰が見ても列車有利だった。走っている列車をもう一度止めるのは至難の業のはずだった。
なぜ、彼らが諦めず攻撃してくるのかは謎だった。
その時、運転席のエリシアの携帯が鳴った。御神楽 舞花(みかぐら・まいか)からの電話である。
「エリシア様! 大変です。線路が破壊されています!」
「なんですって!」
「なんとか今から直して見ます」
「え、ええ。お願いしますわ。舞花にかかっていますわよ! 列車を長くとめたりすれば厄介ですわ!」
舞花は修復の準備を始めた。
「何とか修復を試みましょう……」
根回しなどで資材を調達し、ミニショベルカーも用意。「蒸気傾奇者」「メイドロボ」「種モミマン」も総動員したが、間に合いそうもなかった。列車と強盗が遠くに見えていた。
「このままでは……」
すると、一人の男が現れた。ジェイコブ・バウアー(じぇいこぶ・ばうあー)だった。
「おまえ、大丈夫か?いまどうなっている?」
舞花は突然の質問に答えられなかった。ジェイコブは強面で、強盗かと勘違いしてしまったのだ。
そこで、後ろからフィリシア・レイスリー(ふぃりしあ・れいすりー)が話しかけた。
「わたくしたちはあやしいものではございません。国軍のものです」
「あ、ああ。今、大変なことになっていまして……」と舞花は答えた。
「なるほど、線路を直しているのか。」
「は、はい」
「そして強盗も迫っていると」と、ジェイコブは列車の方を見ながら言った。
「はい」
「よし、フィル。迎えうつぞ」
「了解ですわ」
ジェイコブはカモフラージュをしながら列車へ近づいて行った。そして、銃の射程に入った時、攻撃を始めた。強盗たちに向かって弾幕のカーテンを張った。後ろからはフィリシアのサンダーブラストが飛んでいく。
「くそっ列車が止まったってのに!」
 強盗のリーダーが言った。列車は線路の修復を待って止まっている。しかし、近づけない。
「終わりましたわ!」
「よし、列車に乗るぞ!」
彼らは列車に乗り込み、また列車は走り出した。
「ボス、もうあきらめたほうがいいんじゃねーんですかい」
「そうっすよ。もう無理っすよ」
「まだだ、まだあきらめるな」
そのとき、前方の空が暗くなっているのに彼らは気付いた。
「なんだ、ありゃあ!」
空にいたのはネームレス・ミスト(ねーむれす・みすと)と、その瘴龍たちだった。左右に二対ずつの比較的小さい瘴龍、そして、中央に巨大な魔瘴龍エル・アザルが居たのだ。
「ククク・・・宴もたけなわ・・さあ・・我も・・宴に参加しましょう・・ククク」
ネームレスはそう言いながら、列車へ近づいて行った。龍たちの黒い炎が雲を焼いている。
「ボス、ここらで抜けさせてもらいやすぜ」
「おいらもだ。命あってのものだねだあ」
「じゃあ、そういうことで!」
強盗たちはちりぢりになった。
「くっそ! 仕方ねえ!」
リーダーもたまらず逃げ出した。
「クク…逃がすわけ…ない…だろう…ククク」
ネームレスはそのまま強盗を追いかけて言った。
危機は去ったのだった。


そして、列車は無事ヒラプニラに到着した。
銀行員が感謝の言葉を述べていた。
「いやー皆さん本当にありがとうございました。銀行とは信用でする物。それが強盗になんかやられた日には! 私のクビがとぶだけではすみませんよ」
運転手も病院へと搬送されていった。列車が到着するころには、もう意識を取り戻していた。
「いやあ、今回はもうだめかと思ったよ」

そして、乗客たちも、ホッとした顔で列車を降りて行った。
「悪者さんゴッコしたかったなあ……」とつぶやく客もいれば
「ああ…なんとかなったよ。君の方は、そうか。良かった」と家族に電話する客もいた。
最後のひとりは、なにかつぶやいていた。
「しかし、あんなところに客車置いていってどうするんやろなあ。誰が運ぶんやろな。まっええか!」

担当マスターより

▼担当マスター

祖谷 十才

▼マスターコメント

皆さん、初めまして。祖谷 十才です。
今回のシナリオが初仕事だったのですが、いかがでしたでしょうか? 是非、ご意見ご感想など掲示板の方にお寄せください。
参考にさせて頂いて、反省をしながら次回につなげていきたいと思います! よろしくお願い致します!
ちなみに私個人の感想としては、皆さんの面白いアクションにより、とても楽しくリアクションを書けました! 皆さん、本当にありがとうございました!

それでは、またお会いできることを楽しみにしております!