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ザンスカール・フェスティバル

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ザンスカール・フェスティバル

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6.祭りのおわり

 夜も更け、楽しかったフェスティバルにも、そろそろ終わりの時間が近づいてきた。

 生徒たちは、思い思いにこの祭りを楽しみ、そしてこの時間をまったりとすごしていた。

 貸衣装屋台で、手伝いをしていたクラウン ファストナハトは、通りを行き交う人を眺めながらナガン ウェルロッドに語っていた。

「パラ実が周りでイルミン生徒とデートするぜとか言ってるけどデートってなんだか知らないじゃん。
 恋人同士でするらしいじゃん。
 周りからナガンとの関係は爛れてるってよく言われるけどABCだけじゃん。
 でもよくよく考えたら恋人っぽいことしたことないじゃん。
 これがデートっていうもんなんじゃん? 楽しみじゃん。」

 いろいろとしゃべっていたが、最後に言ったことばは
「今日はデートたのしかったじゃん!」

「・・・・・・はぁ?」

 なんだかんだいっても、いいコンビではある。


 ヘレトゥレイン・ラクシャーサは、祭りに付き合ってくれた譲葉 大和と別れ、ひとりで祭りの様子を眺めながら休憩している。


 峰谷 恵は
「エリザベートが帰るまで責任持ってしっかり送ります」
といって、エリザを送っていった。

 途中でエリザベートが疲れて眠ってしまったので、彼女をおんぶしてアーデルハイトまで届けに行ったのだった。

「そういえば、昔自分も兄にこうしてもらったっけ」
と懐かしい気持ちもよみがえってきた。


 愛沢 ミサとシーイーは、祭りを一通りまわった後、骨休めとして、校内のあまり人気のなさそうな場所から、喧噪を聞いてお喋りをしていた。

「何だか色々騒がしいけど、楽しそうな声だよね。
 パラ実って大変そうだけど、シー・イーちゃんは今楽しい?」

 など、シー・イーとの会話を楽しんでいる彼女だった。

 そして、十分にシー・イーとのデートを楽しんだミサは、帰り支度をはじめた。

「さあ、そろそろ帰らなきゃ。
 でも、家に無事に帰るまでがお祭りだよね!」

 そういうと、ミサは好きな民謡や民族的な歌を口ずさみながら、帰途に着いた。

 暗い道とお祭りが終わった静けさは寂しかったが、今日の楽しい思い出と相まって、彼女の心は暖かい気持ち満たされていた。


 織機 誠は立川 るるとふたりで星空を見ていた。

 そして、おもむろに万華鏡を取り出すと、彼女に手渡したのだ。

「星が見えない夜は、これを見てください。
 夜空の星を、この筒の中に閉じ込めておきました」

 それは、ヘタクソなりに、ビー玉を使って自作した万華鏡だった。

「わぁ、ありがとう。
 きれいね」

 彼らにとって、今日のデートはいい思い出となったことだろう。


 グレン・ラングレンはアーデルハイドと一緒にいた。

 いい雰囲気になれたので、勇気を持って告白するつもりなのだ。

「パラ実生で学のない俺だが・・・・・・この熱い想いを受け取ってくれ!」

 身分が不相応であることは承知しているので、断られたら潔く身を引こうと考えていた。

 しかし、アーデルハイドはニッコリ笑ってこういった

「気持ちはありがたく受け取るよ」

「そ、そうかい」

 グレンの告白は、成功? したと考えておこう。


 一方、こちらは「恋愛支援屋台」の店内。

 お客が帰ってから、當間 零とミント・フリージアはまったりしていた。

「ふう、疲れたけど楽しかったね」

 ミントはそういうと、お客さんの見ていない屋台で二人っきりの時には思いっきり零に甘えた。

「今回のラブミッションを通して一番ラブラブになるのは私と零だもん」

 いろいろな恋の花を咲かせる、ステキなフェスティバルになったわけである。


 松平 岩造は、祭りの終わり、このように考えていた。

「俺はパラ実やインミンがこれからもずっと仲良くやっていくことをずっと願っている。
 だからこれからもずっとお互いに仲良くやっていただきたい」

 両校がずっと仲良くやっていくことを信じて願う岩造だった。

 そして、この祭りに招待してくれたエリザベートと王のふたりに手を合わせて、これからの全校がずっと仲良くやっていくことを信じること願った。

 パートナーのフェイト・シュタールも、同様だ。

「どの学校もずっとお互いに仲良くやっていきますように。」


 フェスティバル会場の夜空に、星がまたたいた。

 おわり

担当マスターより

▼担当マスター

ヴァイオリン弾き

▼マスターコメント

 みなさんこんにちは。

 いつもシナリオへのご参加ありがとうございます。

 今回は、フェスティバルの風景ということで、まったりした、それでいて、ちょっと甘酸っぱい雰囲気を表現してみました。

 いつものように、ダンジョンを探索したり、敵と戦ったりということがないので、書くほうとしても、少々勝手が違い、手間取ってしまいました。

 また、みなさんに楽しい小説をお送りできたらと考えております。

 ヴァイオリン弾き