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【海を支配する水竜王】その女…卑劣な声音

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【海を支配する水竜王】その女…卑劣な声音
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第4章 慈悲なき悪女・・・董天君

「ふぅ・・・上手く潜入できたようね。潜入している人から情報を聞きたいけど、どこにいるのかしら」
 施設に入り込んだ理沙は、2階に向かう階段の前へやってきた。
 小型飛空艇のエンジンをかけ、無人の機体を上の階へ走らせる。
 壁を走らせた飛空艇は、すぐに転倒してしまった。
「やばい、来ちゃった!」
 騒音が建物内に響き渡り、何事かとゴースト兵たちが機体の周りに集まる。
「侵入者が近くにいるかもしれないな、手分けして探せ!」
 飛空艇の持ち主を探し出して捕縛しようと、亡者たちは2階をうろつく。
「まずいな・・・ひとまず、どこかに隠れなきゃ」
 彼らに見つからないように、体勢を低くして理沙は慎重に進む。
「階段があるわね、このまま2階にいること捕まりそうだから登ってみよう」
 なるべく足音を立てないように、ゆっくりと階段を登る。
「どこか隠れられそうな場所は・・・」
 焦りながらもゴーストが潜んでいないか、超感覚で周囲を警戒する。
「だっ誰!?」
 潜伏場所を探していると、何者かの足音がだんだんと近づいてくる。
「いたか?」
「まだ見つからん」
 足音の正体は侵入者を探して3階にやってきた兵たちだ。
「あぁあ、こっちに来るっ!早く隠れなきゃ。とりあえず資材が沢山置いてあるここにしよう」
 資材室に駆け込んだ理沙は、ダンボールの中へ入り、パルプ用紙を広げて隠れた。



「はぁ・・・まったく。どうして俺があの人の救助に行かなきゃいけないんでしょうか」
 香住 火藍(かすみ・からん)は1階の廊下を歩きながら、疲れたようにため息をついた。
「1人で勝手に捕まったうえに、簀巻にされたままゴロゴロと床に転がって、暢気に寝ているに決まっています」
 彼を庇ってゴースト兵たちに捕まった久途 侘助(くず・わびすけ)に対し、文句を言うようにブツブツと呟く。
「向こうから誰か来るみたいですね、兵たちでしょうか・・・」
 近づいてくる足音を警戒して会議室の中へ隠れる。
 足音の正体を確認しようと火藍はそっとドアを開けた。
「よかった・・・敵兵じゃないようですね」
 蒼空学園の生徒たちが廊下を歩いている姿を見つけ、ほっと安堵の息をつく。
「その方向だと地下へ行くんですよね」
 廊下を出て阿童たちに声をかける。
「あぁそうだ」
 阿童は頷いて答える。
「貴方たちも牢獄へ向かうんですか?」
「なんだか生徒たちが沢山捕まっちまったようだからな。これから助けに行くんだ」
「俺も助け出さないといけない人がいるので、ご一緒してもいいでしょうか」
「ここから地下へ向かうのは俺たち2人だけだからな。一緒に行ってくれると助かる」
「大人数で動くと敵に見つかる可能性が高いが、ある程度は人数いたほうがいいな」
 アークが横から口を挟むように言う。
「えぇ、お願いします」
「食堂側の方には地下に降りる階段がなかったから、こっちだと思うんだが」
 階段を探そうと阿童は目を凝らして廊下の奥の方を見る。
「お、あった」
「待てっ!」
 アークは廊下を進もうとする阿童の肩を掴んで止める。
「ライフルを持っている兵がいる・・・。あの距離から狙われると、こっちが攻撃を仕掛ける前に撃たれちまうかもしれない」
「目の前に階段があるっていうのに、厄介だな・・・」
 舌打ちをした阿童は突破する対策がないか考え込んだ。



「会議室の方に誰かいるようだな・・・・・・」
 クルードは1階の通路の壁際に身を潜め、見つけた人影の正体を確認しようとする。
 そこには地下牢に捕縛された生徒たちを助けようと、地下へ向かおうとしている阿童たちの姿がある。
「彼らの近くにゴースト兵どもがいるな・・・・・・。・・・階段側から引き離さはなければ・・・・・・破壊工作で混乱されてやろう・・・・・・」
 リンと油をプラスチックの容器に詰めた丸い小型爆弾を、袖の中から取り出す。
「幸い、俺の存在はまだやつらに知られていない。監視カメラもなさそうだ・・・・・・これを利用しない手は無いな・・・・・・。さぁ、見えない敵に混乱しろ・・・」
 ライターで導線に火をつけ、爆炎に巻き込まれないように、すぐさまその場から離れる。
 ドカァアアンッ。
「いっ・・・今の爆音は何だ?!」
「おい、通路が燃えているぞ!」
 何事かと駆けつけた兵が大声で言い、仲間を飛び集める。
「兵たちが階段の傍から晴れていったぞ」
 阿童は爆発の起きた場所へ兵が集まっていく様子を通路の角から見る。
「やつらが戻ってくる前に行きましょう」
 地下牢を目指し、火藍たちは地下へ進む。
 一方、クルードに廊下を爆破された慌てた兵は、十天君の董天君に無線機で連絡する。
「董天君様!何者かに1階の通路を爆破されてしまいました!」
「ちょうど近くまで来ているところだ。今そっちに行ってやる」
 無線を切った彼女は急ぎ、1階へ向かう。
「まったく使えないやつらだなっ」
 言われた場所にやってきた董天君はダンッと足を踏み鳴らし、連絡をしてきた兵を薄茶色の双眸でギロリと睨みつけた。
 灰色のショートの髪を右手で掻きあげた彼女は目つきの悪い目で、自分から視線を逸らそうとしている兵たちを見る。
「ほう・・・あれが十天君か・・・・・・」
 クルードは見つからないように隠れながら董天君の姿を確認する。
「さて・・・・・・あいつらをまた階段側から引き離さないとな・・・」
 地下へ降りようと走るメイベルたちの姿を見て言う。
 通路を爆破したのと同じ手製の爆弾を廊下に置き、導線に火をつけて走る。
 ズドォオオンッ。
 爆音が轟き、廊下は火の海と化した。
「ちくしょうっ、また誰か爆破しやがった!」
 董天君は氷術で炎を消す。
「てめぇら!ぼさっとしてねぇで爆弾を使ったやつをさっさと探しやがれ。早く探しに行かねぇと、ばらしてシュレッターにかけてミンチにすんぞ!」
「は・・・、はい!」
 怒鳴られた兵たちはビクッと身を震わせる。
「あぁあっ、あんなところにいやがったか」
 通路の角を曲がって走るクルードを指差した董天君が大声で言う。
「待ちやがれぇえ、このヤロォオオーーっ!」
 鬼のような凄まじい形相で追いかけていく。
「どこにいったガキッ。大人しく出て来れば、今なら100回ぶん殴る程度で許してやるぜ?その程度で済ますなんて、あたしって優しいな!」
「はぁ・・・優しいやつなら、そんなことしないだろ・・・・・・」
 酷い暴言に2階の階段にいるクルードは思わず嘆息する。
「出て来やがらねぇ。あの銀髪ヤロウ・・・見つけたら、八つ裂きにして屋上に吊るしてやる。出て来やがれ、クソガキ!!」
 姿を現さないクルードに対して、董天君は大声で怒鳴り散らす。
「―・・・・・・ふぅ・・・やれやれ・・・・・・。乱暴な口調の女は確かにいるが・・・限度を超えすぎだ・・・・・・。口が悪いにもほどがある・・・」
 廊下をうろつく董天君が立ち去るまで、彼は2階に潜伏することにした。



「い・・・・・・今・・・何か、もの凄い怒鳴り声が聞こえませんでしたか?」
 地下1階にいる火藍は、上の階で何が起きたのかと頬の一筋の冷や汗を流す。
「さぁな・・・。何しろ、ろくなことじゃないだろう」
 どうせろくでもないことを喚き散らしているのだろうと阿童はため息をついた。
「女の人の声だったみたいですけど」
「あ・・・あんな喋り方するやつが女なのか!?てっきり男かと思ったぜっ」
 どこかのヤクザのように乱暴すぎる喋り方のやつが女なのかとアークが驚愕の声を上げる。
「いくら好戦的な俺様でも、あんなのと戦いたくねぇが。あれなら相手してもいかもなっ」
 火藍の背後を狙うゴースト兵を、遠当てをくらわす。
 後方へ吹き飛ばし、仲間を呼ばれないうちに離れようと通路を駆ける。
「げっ、結構来ちまったな」
「ひとまずどこかへ隠れましょう!」
「おいっ、早くこっちに来い」
 隠れられそうな場所を見つけた阿童が2人を呼ぶ。
 3人は廃材が放り込んである小部屋に飛び込んだ。
 そこは10人くらいギリギリかどうかのスペースしかない。
「捕まった生徒を救出するにしても、兵をぞろぞろ連れて来たら意味がないしな」
「逃げる途中で、何人か捕まってしまいそうですからね」
 地下1階にやってきた兵が立ち去るまで、火藍たちは狭い部屋の中に隠れることにした。



「せっかく作ってきたんだから使わないとね」
 丸い鉄の容器の中にサラダ油を入れた、お手軽な小型爆弾をルーセスカは1階のあちこちに置く。
「爆弾に火をつけると・・・この中にある油の熱がすごいことになって、ボーンッていう仕組みなんだよ」
 手製爆弾の傍に火をつけた枝を置き、地下1階へ走る。
「もうすぐ爆発する頃かな?」
 スダァアンッ。
「げほっごほっ・・・もう少し離れてればよかったかな」
 爆煙が地下まで流れてくる。
 煙に紛れてメイベルたちが階段を駆け降りる。
「生徒さんのおかげでなんとか地下に行けたですぅ」
 侵入に成功した地下1階にいるメイベルたちは、アウラネルクの手助けをしようと後を追う。
「今回ばかりは中に行かないと、追いつけなくなっちゃうかもしれないからね」
 セシリアはトラップを警戒して足元を見ながら歩く。
「上の階と違って明かりが点いていないね・・・。幸ちゃんたちは大丈夫かな?」
「こんなに暗いと、どこに仕掛けてあるのか分からないですぅ」
 目を凝らして彼女たちは慎重に進む。
「―・・・気をつけないと・・・・・・うぁああーーっ!?」
 足場の台を通り過ぎた瞬間、壁の両側に設置されたトラップが発動し、セシリアは電流の餌食になってしまう。
「ここから放電されたんですねぇ・・・」
 メイベルは床に屈み、セシリアが倒れた辺りの壁を見ると、直径5mmほどの丸くて小さな放電装置がある。
「明かりでも持ってくればよかったですぅ」
「先に進んだ人たちは、明かりになる道具を持っていたかもしれませんわね」
「携帯電話で中の様子を聞いて、情報収集しておけばよかったね」
 立ち上がったセシリアは、服についた埃を両手で叩いて落とす。
「しょうがない、このまま進もう」
「それにしても・・・さっきから上の階が騒がしいですわね」
 1階から喚き声が聞こえ、フィリッパは顔を顰める。
「さっさとこの階から降りたほうが良さそうですわ」
「今日中にあと2つくらい階段を降りて進みたいですねぇ」
 階段を降りて地下2階へ行こうとすると突然、女の怒鳴り声が地下1階のエリア内に響く。
「上の階から聞こえてた声と同じ声ですわよ」
「な・・・・・・何か、もの凄く怒っているような感じがするよね・・・」
 足音を立てないようにセシリアたちは、ゆっくり階段を降りるのと同時に、女の喚き声が聞こえた。
 それもかなり乱暴な口調だ。
「おい、クソガキ!どこに隠れていやがるんだぁあ、出て来いよおらぁああっ!!」
 ガンッドスンッ。
 苛立ちのあまり女は壁を蹴りまくる。
「うわっ・・・なんかやばそう。早く2階に降りようっ」
 危険地帯から逃れようと、セシリアはメイベルたちの背中を押す。
「誰かそこにいるのかよ」
「(聞こえちゃった!?)」
 相手に聞こえてしまったのかと口を閉じる。
「もし侵入者だったらこのあたし董天君が、吊るしてやるぜ」
 声の主はどうやら董天君のようだ。
「くそっ・・・この辺に誰かいると思ったのによぉおっ。あーっ、ムカツク!あの銀髪野郎!!」
 大声で言いながら、手にしている槍を振り回す。
 気づかれないようにセシリアたちは、そっと階段を降りていく。
「これ以上、先に進むのはやばそうね」
「見つかると危なそうですし・・・」
「仕方ありませんわね」
「とにかく隠れられそうな場所を探しませんと」
 メイベルはドアを開け、中にゴーストが潜んでいないか確認する。
「何もいないみたいですぅ」
「ちょっとカビの匂いが・・・」
 室内に入ったセシリアが不快そうに顔を顰めた。
「使ってないゴミ袋があるね」
 未使用の大きな黒いビニールの袋を掴み、敵に見つからないように頭から被った。
 彼女たちはゴミ置き場で、しばらく身を潜める。



「トラップってどの辺にあるのかな」
 光術で明かりを作り、施設内に仕掛けられているトラップの位置を確認しようと、ミサが壁を照らす。
「―・・・もしかしてこれ?」
 壁にいくつか直径3mmの小さな丸いガラス球が埋め込まれている。
「ちっちゃすぎ!これ分かりづらいよ」
 ほとんどの人がひっかかりそうなそれを見て眉間に皺を寄せる。
「壊しておけば、他の人も通りやすくなるよね」
 ショートさせようと雷術を放つ。
「うぁあぁっ、あぁあああ゛!?」
 破壊どころかトラップが反応してしまい、ミサは放電をくらい感電してしまう。
 しかも球体は無傷で、つるんときれいに輝いている。
「どうやら雷術は効かないようなのだよ」
 水海は感電したミサを助け起こしながら言う。
「そこに誰かいるのかぁー?」
 通路の奥の方から、ハスキーな女の声が聞こえてきた。
 どうやらミサの叫び声に気づいてしまったようだ。
「あんたは・・・ゴースト、じゃないよね」
 ミサは近づいてきた女を、眉を潜めて睨むように見る。
「あぁそうだ、あたしはゴーストじゃない」
 口の悪いこの女の外見年齢は、ミサと同じくらいだ。
「一体何が目的でこんなことしてるんだろうね」
 仕掛けられているトラップを見つめて小さな声で呟く。
「こんなことする力があるなら、他のことだって自分で出来るだろうに。他人捕まえて、ゴーストうろつかせて。死人だらけの世界でも作りたいのかな」
 女の方へ視線を移し、問いかけるように言う。
「死人だらけの世界・・・か・・・・・・」
 鼻で笑い飛ばす女にミサはムッとした表情をする。
「知りたいか?」
 目的について知りたいのかと言われ、ミサは何度も頷く。
「教えてやるよ」
「―・・・え、本当に!?」
 意外だという風に、ミサは目を丸くする。
「ただし・・・てめぇがくたばったらだがな!」
 女が乱暴な口調で言い放つと、二重の丸い円が彼女たちを囲うように床へ現た。
「な、何なのだこれは・・・!」
 水海はミサの腕を掴み円から出ようとしたが出られない。
 円環内に黒白の2線が現れ、ぐるぐると回転する。
 目を開けていられないほどの強い光が、地下1階のエリアに溢れる。
 あまりの眩しさに、ミサと水海は思わず目を閉じてしまう。
 光が消えて目を開けると、施設の地下にいたはずの2人はいつの間にか雪しかない辺り一面、白銀の世界にいる。
「お・・・俺たち・・・・・・さっきまで、施設の地下にいたんだよね?」
「これはいったいどういうことなのだ?」
「驚いていやがる。予想通りすぎてちょーうけるっ、あっははは!」
 目の前の光景が信じられないと、自分の目を疑う彼女たちを見て、女はゲラゲラと笑う。
「あたしの術、寒氷陣の中に閉じ込めてやったのさ。十天君の1人、この董天君がてめぇらを捕まえてやる」
 女は手にしている槍の切っ先をミサに向けてニヤリと笑う。
「今、あたしは機嫌が悪いんだ。ひょっとしたら手加減が出来ないかもな?極寒の地で朽ち果てちまいな」
「うわあああ、寒っ!ちょ、ずるい!ななな、何これ」
 突然の猛吹雪に、ミサはブルブルと震える。
「寒氷陣はこの空間の中で吹雪も起こせるのさ、捕らえた獲物を仕留めるためにな!」
「ミサに手出しはさせないのだよ」
 パートナーの片足を狙う、槍の刃をカタールでガードする。
「うぜぇ小娘。ぶっ飛びやがれっ」
 董天君は容赦なく水海の脇腹を蹴り飛ばす。
「よくもシーちゃんを・・・。うっ・・・さっ寒い・・・・・・うぁああっ!」
 反撃しようと術を放とうとするが、猛吹雪に吹き飛ばされてしまう。
「あの吹雪をなんとかしないと・・・。こんなの火系の術で溶かしちゃうよ」
「フンッ、やれるもんならやってみな?」
 小バカにしたように笑い、董天君はミサを挑発するように言う。
 ムッとしたミサはありったけのSPを使い、ファイアストームを放つ。
「はぁ・・・あったかーい」
 炎の嵐で溶けた吹雪が蒸発し、ミサは暖かい蒸気に包まれた。
「ま〜ぬ〜け♪」
「え・・・ぁああ!?ち・・・ちべたいっ・・・(訳:つ・・・冷たい・・・)」
 暖かい蒸気が再び吹き荒れる吹雪によって蒸気が氷となりミサに貼りつく。
「対策が安直すぎ、もう飽きたから逝け小娘」
「ま、待つのだ!」
 このままではミサが殺されてしまうかもしれないと思い、水海はミサを庇うように立ちはだかる。
「僕はどうなってもいい。ただし、ミサは・・・ミサはこれ以上、傷つけないでほしいのだよ」
「な・・・何を言っているんだよ!頼むっ、俺はどうなってもいい。だけど水海だけは助けてやって!」
 互いに庇い合う2人の姿に董天君は嘆息する。
「あぁ〜?何だそれ。くっだらねぇー友情劇だな」
 不快そうに眉を潜めて言う。
「やってらんねー、だりぃ」
 術を解き無線機でゴースト兵を呼ぶ。
「こいつらを牢獄に入れておけ」
 董天君の命令通り、兵たちはミサと水海をロープと鎖で簀巻きにする。
「ちょっとだけ気晴らしなったから、教えてやるよ。死人だらけの世界がどうのって言ってたよな?小娘・・・」
「―・・・そうだけど・・・」
「兵器としてゴーストたちは使うが・・・そんなつまらねぇ理由じゃねぇよ」
「そ・・・その理由は!?」
「お・し・え・ねぇ・よっ!こいつらを牢に放り込めっ」
 兵に命令してミサと水海を牢獄へ連れて行かせた。
「(くぅ〜むかつくっ!やっぱり、他の生徒と情報交換する必要があるようだね)」
 悔しがりながらも、目隠しされたミサはどうやって情報を得ようか考える。