リアクション
●めでたしめでたしの、そのあとは…?
変熊ルドルフがいちごによって救出され(たんだか昇天したんだか)、いちごのヨメになったこともあって、今では塔は日に数回ロマンチック観光ツアーが組まれるようになり、おとぎの国で一番行ってみたい観光地ベスト5の常連になるほどの新たな人気スポットになっていた。
塔の周囲のいばらの森は、ルカルカやダリル、エースによって、庭園風に刈り込まれていた。ちょっと気を抜くといばらに引っ張り込まれて行方不明になる者も出ているそうだが、年に1回庭師の集団が派遣されて刈り込みが行われているそうだから、そんなに被害はなさそうだ。
1階の売店では、アリスがソートグラフィーで念写した王子様×候補者たちの情感たっぷりなキスシーン(一部捏造アリ)が飛ぶように売れていて、アリスのいい収入源になっているようだ。
メシエが撮影した最上階でのラブシーンはドラマチックな音楽やエフェクト付きで編集され、2階に設けられたシアター室で、世の腐女子たちの感動の涙を誘っているらしい。(もちろん、公開は了承がとれた者たちだけだ)
泰輔が開業した新鮮野菜を利用した無農薬レストランも、お客さんから高評価で高い収入を保っていた。
これにより、この国の不景気は一気に解消され、町民たちも毎日笑顔で忙しい日々を送っている。
みんな幸せになりました、の大団円。
そんな中、本物のルドルフ王子はといえば…。
ルドルフ仮面にされたまま、まだ塔の一室で某ボクサー風に丸椅子に腰掛けさせられていた。
首から下げられた「Don’t Disturb(疲れています。起こさないでください)」の札が、ときおり風で揺れるだけだ。
「あら、変熊さんよ」
「変熊さんだねー」
「なーんだ、変熊さんかぁ」
「変熊さんったら、おとぎ話の中でも全裸さんなのね」
観光客も通りすがりに部屋を覗いてくすくす笑うだけで、助けようとする者はだれ1人現れなかった…。
合掌。
こんにちは、またははじめまして、寺岡です。
まず、大幅な遅刻をしてしまいました。そのことを心から深く謝罪させていただきます。
大変申し訳ありませんでした。二度とこのようなことが起きないよう、今一度気を引き締めていきたいと思っています。
今回、薔薇でコメディというジャンル付けでしたが、思った以上にバトルのアクションが集まりました。
でもなぜか「シレンを倒す」「シレンと戦う」「シレンを捕まえる」というアクションは集まらず。結果的に、シレンは逃げ延びています。
多分、あのあとも彼は大荒野で盗賊をしているのではないでしょうかね。
そして、ガイドのマスターコメントで提示してありました「ルドルフ王子の王子様」という称号は、残念ながらだれも手にすることはありませんでした。理由はリアクションにある通りです。
そのかわり「変熊ルドルフの王子様」という称号が、限定1名様で出ています。だれに出たかも、リアクションの通りです(笑)
それでは、ここまでご読了いただきまして、ありがとうございました。
次回何になるかはまだ未定ですが、そちらでもお会いできたらとてもうれしいです。
もちろん、まだ一度もお会いできていない方ともお会いできたらいいなぁ、と思います。
それでは。また。