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リアクション
第5章 パラミタパビリオンのイベント
■□■1■□■ 最強のメイドさん目指して
そのころ、
『パラミタ給仕文化館』のイベント
「一日給仕さん体験コーナー」にて。
林田 樹(はやしだ・いつき)、
緒方 章(おがた・あきら)と、
ジーナ・フロイライン(じいな・ふろいらいん)が、
体験コーナーで、お客様をおもてなししようとしていたが。
「僕も執事だからってピンチヒッターとして呼ばれた訳ね。
でもさ、バカラクリよ、樹ちゃんは何故呼ばれたんだい?」
章の問いに、ジーナは胸を張って言う。
「樹様は『もてなされるお客様』として呼びましたっ!」
「ぶっ!?」
樹は、ジーナに着せられていた
ゴシック調ドレスの裾を踏んづけこけた。
「じゃ、ジーナ、私の役割は人身御供って事だな?」
「あわわっ、人身御供じゃありませぇん!
体験者に変なモノを作らせないように致します!」
「まあ、僕が博識と
特技の医学使って
ヤバそうな料理とか判別するから……安心してて」
「……すまんな、アキラ。
私の方でもサバイバルの知識で、ヤバそうなモノは避けることにするさ」
小声で相談し合う2人だが。
「……あほ餅ぃ! 要らん心配しやがるなです!」
それを聞きとがめてジーナが怒る。
「コホン。
それはともかくとして、
改めましてスコーンのレシピを紹介いたしますです。
薄力粉と強力粉を3:1の割合で混ぜた粉に、
ベーキングパウダーと砂糖を大さじ1ずつ混ぜてふるいます」
「続きは僕が。
強力粉と同じ重さのバターを潰しながら粉に混ぜたら
カップに半分の牛乳を加えて良く混ぜます。
何回か生地を折りたたむようにして混ぜると、さっくりした食感になりますよ」
ジーナの説明を引き継いで、章が解説する。
お客を危険な料理に巻き込まないためだが。
「まったく。あほ餅は、
ワタシの見せ場を奪いやがってなのです!
こうなったら、すっごくおいしいスコーンで、
樹様を喜ばせるのです!」
「な、これは!?」
章がジーナを観察し、異変に気づく。
「樹ちゃん、お客様を……うぼああああああああああああああああっ!?」
「きゃーーーーーーーーーーーーーーあーーーーーーーーーーれーーーーーーーーーーーーーーーー!?」
ジーナは小麦粉で粉塵爆発を起こしてしまい、章も、犠牲者となった。
「まったく……」
一般のお客を避難させ、空でお星様となった2人を見上げながら、
溜息をつく樹であった。
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