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第二章


「ささっ、こっちだよー」
 服を新しくしてご機嫌のニア。刀真達と入れ替わりで会った騎沙良 詩穂(きさら・しほ)に連れられて玩具売り場へと来ていた。
「おもちゃ、たくさん」
「今のおもちゃはすごいんですよー♪」
 そういって取り出したのは何かを作れそうなおもちゃ。
「コレにビーズを入れて……。ほら! ブレスレットの出来上がり! これはニアさんに上げますね♪」
 ビーズで出来たブレスレットをニアに渡す詩穂。
「……ありがとう」
「まだまだ、こんなものじゃないですよ♪ 例えば、このおもちゃ!」
 そして再びおもちゃを取り出す。
「これはですね、なんとクッキーが作れちゃうんですよー!」
「クッキー……」
「あ、お腹一杯とかで食べられなかったりしますか?」
 詩穂が聞くとニアは首を横に振る。
「そんなこと、ない。クッキー、食べる」
 食いしん坊なニアだった。
「良かったー♪ それじゃ、ちょっと待っててくださいねー♪」
 そそくさと準備を始める詩穂。
 そして数分後。
「……はい、出来ましたよ♪」
 ものすごいスピードで完成させたクッキーをニアの前に出す。
「普通のクッキーにも劣らないお味ですよ♪ さぁ、どうぞー♪」
「いただき、ます」
 クッキーを口へと運ぶニア。
「いかがですか?」
「……うん、美味しい」
「そうでしょう!? では、次はですね――」
 こうして、おもちゃ売り場だというのにちょっとしたお茶会が開催されたのだった。

 それから次なる場所を求めて移動する二人。入ったのはアクセサリー売り場。
「可愛いもの、たくさん」
 ディスプレイに展示されているアクセサリーに興味津々のニア。
「ニアさん、こちらのも可愛いですよ♪」
「……本当」
「あのぉ、そこのあなた。ちょっと良いですかぁー?」
「……ニアの事?」
 そんな二人に声をかけてきたのはパティ・パナシェ(ぱてぃ・ぱなしぇ)
「あ、パティちゃん。こんにちはー♪」
「こんにちはですぅ。えっと、実はですねぇ、こちらか、こちら。どっちを買おうか迷っていたんですぅ。どちらが良いと思いますかぁ?」
 パティが手にしているのは、青い花型の宝石がついているバングルとピンクの花型の宝石がついているバングル。
「どちらの色が良いですかねぇ?」
「わー♪ どちらも可愛いですねー♪」
「ニアはこっち、が良いと、思う」
 ニアが指差したのはピンクの花型の宝石が入ったバングル。
「こちらですかぁ。じゃあ、こっちにしちゃいましょう♪ ありがとうございますぅ。あ、自己紹介がまだでした。私はパティと言いますぅ」
「ニアっていうの。よろしく」
「よろしくですぅ。んー、せっかく知り合った事ですし……」
 パティはちらりと財布の中身を確認する。
「じゃ、ニアさんには私が何か一つだけ、プレゼントしちゃいましょう♪」
「……いいの?」
「でも、予算の都合上。あまり高いのはダメですけどねぇ」
「……嬉しい」
「じゃあ、早速選びましょうか♪」
 三人でニアへのプレゼント選びを始めた。
「こんな指輪とかどうですか?」
「チョーカーとかも可愛いですよぉ」
「……どれも、可愛くて迷う」
「ニアさん可愛いからどれも合いそうですねー」
「そうですねぇ」
「……」
 ふと、ニアの視線があるネックレスへと止まる。
「ニアさん?」
「……これ」
 ニアが手にしたのは、四葉のクローバーが中に埋め込まれたブラスペンダント。
「四葉のクローバーですか……良いですね♪」
「お値段も安いですしこれにしましょうかぁ」
「うん」
「じゃあ、少し待っていてくださいねぇ」
 パティはレジに行き、会計を済ませる。
「はい、ニアさん。早速つけてあげますねぇ」
 パティが後ろに回り、ニアの首へとペンダントをつけてあげる。
「可愛いですよニアさん♪」
「……♪ ありがと、大事にする」
 大事そうにペンダントを撫でるニアだった。