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【黒髭海賊団】黒髭海賊団の年末大掃除大会!

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【黒髭海賊団】黒髭海賊団の年末大掃除大会!

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「黒髭さんの下で働いて、しっかり更正するんだよー? あ、飲み物お代わりちょーだい」
 用意された料理を片っ端から食べていた洋介は、通りかかったランスロットへと声を掛けた。
「ああ、まあ、それなりにやってくさ」
 答えつつ、飲み物の乗った盆を洋介へと向ける。
「解散は残念だったな。だが、ここの海賊団も悪くない。俺も昔は、ここのような良い仲間と共に、ガレーを操って戦場を駆け巡ったことだ」
 傍に居たバルバロッサも飲み物を受け取れば、ランスロットの背をバシバシと叩いて、話を始めた。
 続くのは、彼の昔の、自慢話だ。
(あ〜、ハイレディンさんが自慢話を始めたな〜長くなるからここから離れよう……)
 長くなると判断した洋介は、そっとその場を後にする。
 逃げるに逃げれなくなったランスロットは、適当な相槌を打ちつつ、その話を聞いていた。
「お疲れ様っ!」
 パーティー料理の準備も終わらせて食堂へと出てきた三月は雅羅へと声を掛けると、ジュースを手に乾杯した。
「雅羅ちゃんの料理、美味しいですね」
「うん、ご飯のお代わりが進んでしまいそうなほど、美味しいよ」
 雅羅の作った家庭料理を取り分けて、柚と三月はそれぞれ食べてみると、頷き合う。
「まあ、そういう料理に慣れているだけよ。ローデリヒのようなパーティーに合うコース料理とかは作れないしね」
 面と向かって褒められれば恥ずかしいらしく、雅羅は2人からやや視線を逸らして答えた。
「ノンアルコールカクテルとモッツァレラチーズのトマトとバジリコ添えはいかがですか?」
 食堂に出て、給仕をしていたヒルデガルドは美緒へとそれらを勧めた。
「まあ、美味しそうですわ。いただきますね」
 差し出された皿を見て、素敵だと返した美緒は受け取り、早速味を見る。
 美味しいと頷けば、ヒルデガルドは満足そうに微笑んだ。
「お疲れ様、美緒。楽しんでる?」
 セフィーが美緒へと声を掛ける。
「セフィー様。お疲れ様です、わぁっ!?」
 答えようとした美緒の豊かな胸を背後から近付いた者が鷲掴みにした。オルフィナ・ランディ(おるふぃな・らんでぃ)だ。
「……も、もう……ひどいですわ。いきなり……」
「余りにもさわり心地が良さそうだったからさ。いいじゃん、減るもんでもなし」
 からからと笑いながらオルフィナが答える。
「あたしが先にゆっくり話がしたくてきたんだから、あんたは後!」
 セフィーの言葉に、オルフィナは渋々と美緒から手を離せば、先に雅羅に絡んでくると踵を返した。
「困ったものだな。それより、飲み物はどうだ?」
 エリザベータが飲み物を勧めつつ、近付いてきた。
「いただきますわ。ところで、ゆっくりお話とは……?」
 グラスを手にしてから、美緒はセフィーへと向き直る。
「私掠船なんて、政府の犬みたいで嫌じゃなかった?」
 訊ねるセフィーに、美緒はそうでもない、と首を横に振る。
「そう。あたしは傭兵も私掠も両方やってるから犬呼ばわりされてるのは慣れているけど、金と酒と女だけあれば満足なんて思ってないわよ……領民の幸せや未来への希望も大切よ……」
 ぽつりぽつりと呟くように、囁かれた言葉は言い聞かせるようなもので。
「ああ、そうだ。黒髭の美緒って、格好良かったわよ。見た目ならフリューネと良い勝負よ」
 呟いていたような口調からはっきりした声へと一転。
 告げたセフィーは、にっと笑んだ。
「ありがとうございますわ」
 美緒も微笑んで、応える。

「実に美味であった……」
 厳選食材にて作られた料理の数々を味わった幸祐は、そう呟いて、口元を拭った。

 賑わったパーティーも夜が更ければ自然と解散し、帰る者たちは帰途へと着き、泊まっていく者は船室へと向かっていく――。