シャンバラ教導団へ

百合園女学院

校長室

薔薇の学舎へ

カオス・フリューネ・オンライン

リアクション公開中!

カオス・フリューネ・オンライン
カオス・フリューネ・オンライン カオス・フリューネ・オンライン

リアクション

 
 『何コレ?おもちゃ!?』
 『どういう事だ?外部操作なのか?』
 
ナターリアそしてローグの驚きの声が通信機から聞こえると同時に
一気にルカの周囲の全てのモニターがオレンジに染まる、そこから再び少年の声が聞こえてきた
 
 『そこらへんは想像にお任せするよ、変に説明すると嫌味な悪役みたいじゃない?
  そんな事で逆転消滅フラグ立てられたくないからね……まぁ、流石だよね
  純粋なゲームにこれだけ裏技を企むんだからさ、それともこれが【大人にも色々ある】って事かな?』
 「あなたが今回の黒幕って事!?」
 『それは禁則事項ってとこかな?
  とりあえず、あんまりつまんない戦い方するから邪魔したくなったんだけど、タイムアウトって事で
  まぁ一番やりたい事は出来たから、野次馬に混じってあとは見物するだけだし、退場させてもらうよ?
  ちなみに、その玩具を壊しても無駄だよ?そこに入ってるこのAIは既に使い捨て用だから……ドカーン?』
 
その言葉に込められた気配に、咄嗟にローグが手に持ってしまった玩具を上に投げる
天井高く舞い上がったそれは、空中でサイズに似合わないほどの爆発を起し破片を撒き散らした
刹那、全てのモニターに強烈なノイズが走る
 
 「電磁波?……この破片が撒き散らしてるのか!」
 『そゆこと……まぁ……プレイヤーも……頑張ってるんだから……同じ体験を……してもらわないとね』
 
ノイズに干渉され、途切れ途切れになりながら、少年の声が楽しげに消滅した
ウィンドウを展開すると、電磁波の干渉を受けコンピューターのリソースが所々破損を始めていた
 
 「ローグ!ナターリア!爆発周囲の端末にアクセスして!干渉の強いボードは緊急停止!
  活きているものを繋げてシステムの再構築をしてみる!同時に進入経路の探査も継続するから!」
 『やってみるが3人は無理だ!オペから助けを呼ぶか!?』
 「人手が少ないのは向こうもゲームの中も同じでしょ?少々予測と違うけどやるしかないって!
  大丈夫……相棒が涼しい顔してやってるのに、出来ないなんて言いたくないから……やってみる!!」
 
アクセスルームのキーボードと複数のタブレットを急いで引き出し、ルカが自分の周囲に配置する

 (【先端テクノ】と【博識】の併用……入力速度は……邪道だけどこれを使えば!)
 
即座の判断の後、【ゴッドスピード】と【両手利き】をタイピングに応用
周囲の複数のキーボードとタブレットに高速でデーターを打ち込んでいく

 『C−7ボードとB226のマシンボードを接続!補助用にコネクタを3本増設した!次に行くぞ!』
 『DからGの稼働率50%以下のマシン緊急停止したよ!全体で6割活きてるから直結してみる!』
 
ローグとナターリアが通信と共に構築していくハードからのネットワークを把握しながら、システムを修復
ツギハギの部分を再構築する作業と同時に、介入経路を割り出してく
壊れてパーツが穴だらけのまま、中枢に細い紐が絡まったルーピックキューブを、他のパーツを加えつつ全面揃えながら
絡まった糸を切らずに引っ張り出すような作業を、高速で行う事自体驚異的なのだが、それを賞賛する時間は無い
何より、それよりもっと上手な事を相棒はやってのけるのだから
 
 「中央コントロールにアクセス完了、データーを送りつつ妨害の痕跡を消去します!」
 (演算速度にラグが出ちゃうけど……ダリルなら大丈夫でしょ?)
 
システムの修復を何とか間に合わせ、急ぎクラッキングの妨害障壁を取り除くべくメインコンピューターにアクセス
目の前に高速に流れるログを確認しながら、ルカルカは苦笑するのだった


★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★


 「第三者の干渉が止まったみたい!
  なんか一瞬、演算速度が遅くなった気がしたけど気のせいでしたか……っていうか」
 「ああ、サポートの方が明らかに早くなってるな……ルカの奴、無理を要求してくる」
 
シャーロットの報告と、自分にも送られてくるアクセスログを見てダリルが苦笑する
どの様な行為によってそれが成されているかは長い付き合いで解る……ならば遅れを取るわけにはいかない
 
 「ルカ側のサポートをこっちに回してくれ、俺を仲介にして足並みを揃える
  ワクチンのデーター構築と解析作業も続行……速度上げるぞ!!」

言葉と共に【ゴッドスピード】と【両手利き】……ルカルカと同じ手段で入力速度を上げるダリル
その速度は【ゾディアックエンブレム】の効果も上乗せされ、彼女を上回るスピードで展開し
ルームのコンソールだけでなく自前の4台のノートPCをも駆使し、確実にクラッキングの後押しをもこなしている

 「グレアムから追加の解析データーが届いたよ、ワクチンフレームはこれで完成できる!」
 
の報告に、ダリルは作業速度はそのまま、同時作業の解析データーを展開させ彼女の方に転送する
 
 「未沙のデーター込みでそっちに送った!メインフレームと容姿は任せる!
  完成次第転送用意……シャーロット、システムへのアクセスは?」
 「じき終わります!サポート感謝です……システム占有まであと5%………………どうぞ!」
 「ワクチンプログラム送信だよっ!」
 
フォルダーファイルに形を変化したそれが、プレイヤー側に送信されていく
システムの一部を制圧できた事によりそれは【異物】扱いされすに、見事3人のプレイヤーに託された
その頃になってようやく落ち着き、菫の作ったワクチンのフレームを確認したルカからメッセージが届く
 
 『……役に立つからいいんだけど、アレでいいの?』
 
そのメッセージに苦笑しながら、ダリルは返信メッセージを入力する事にした
 
 『問題ない、それより深刻だった朝野のセクハラに比べれば児戯みたいなレベルだ
  ……まぁ、あっちは目論見が崩れてヤケッパチらしいがな、どのみち貴重なデーター収集に感謝だな』
 

★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★


 「キタキタキタキタぁぁぁぁぁぁっ!」
 
ダリルからワクチンデータ受信の連絡を受けはガッツポーズと共にそれを展開する
自分のアバター変更の処理と同時に【アイテムを使用しますか?】というウィンドウにすかさず【YES】を押す
浮かび上がったカード上のそれを上空に投げると、空中に大きなゲートが浮かび上がり
それと同時に、アバター変更処理をするべく自分の全身が光りだす
 
 「メカの脅威はもう終わりだ!これからはパンダの時代!いざ行け!【パンダフリューネ】軍団!!」
 
パンダの着ぐるみに身を包みなおした彼女の言葉と共に
ゲートから大量のパンダの着ぐるみに身を包んだフリューネが大量に飛び出してくる
こちらはメカの質感が無い代わり、ややディフォルメが利いた頭部である……それ以外は誰がどう見ても【着ぐるみ】だが
 
だが、そのナリはともかく基礎土台は【メカフリューネ】であるからか、戦力が劣るわけでもなく
次々と手にした【竹刀】ないし【竹槍】で正面から【メカフリューネ】に立ち向かっていく

 「さぁ機は熟した!これより【パンダくるみ大戦】勃発!
  さぁ叫び驚くがいい!【ぱんだなのにあの素早さは一体!?】【ぱんだの癖にあの身のこなし!?】……となっ!」
 
言葉と共に【ゴッドスピード】でメカフリューネの群れに飛び込み【歴戦の武術&立ち回り】で暴れまわる
先程まで大いに暴れまわっていた乱世があっけに取られてる中、その勢いは獅子、いや熊猫粉塵の勢いか
 
 「流石ぱんだ!力強〜い!!そして喰らえ!思い知れ!百獣の王は獅子にあらず!パンダだという事を!」
 
そのまま勢いを止めず【歴戦の武術&チャージブレイク】で更なる奥に切り込み【百獣拳】を叩き込む
孤高の戦いは今までは、オオカミの群れに飛び込む様な無謀であったが今は乱れた敵を無数のパンダぐるみが蹴散らしていく
その中心で腕を組み、豪快に叫ぶ【ぱんだ陰陽師】こと朝霧 垂
 
 「本当の幸せとは何か、おまえは答えられるのか?
  ……悪いが俺には答えがある!あえて言わせて貰おう!……それは【ぱんだ】であると!」
 「あ〜……で、どうする?」
 
すっかり戦闘の主導権を握られた様に乱世が傍らのグレアムを見ると
電脳世界であるにもかかわらず、すっかりいつものクールさを取り戻してしまってる彼であった

 
★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★

 
 「垂くんの趣味なのはわかるけどさ、なんでこっちまで【パンダ】なのさ!」
 「仕方ないですよ翼様、こちらで容姿指定していない以上、言った者勝ちなんですから」
 
頭上のゲートから溢れて迎撃する【パンダフリューネ】の大群に突っ込みを入れる麻上 翼(まがみ・つばさ)
それを浅間 那未(あさま・なみ)がたしなめる中、状況を確認した月島 悠(つきしま・ゆう)が全員に話しかける
 
 「どうやら未沙のところも同じ状況の様だ
  どちらにせよ戦力としては変わらないから助かるさ、これで物量に押される事は無いんだからな」
 「悠さんの言うとおりですわ、まぁ個人的には犬の方が嬉しかったですけどね
  これで私も安定した援護が出来ます、簡単には捕まりませんわよ」
 
悠の隣で武装の確認を終えたネル・ライト(ねる・らいと)が短剣を掌で躍らせながら不敵に笑う
ワクチンプログラムのフレーム構築の為、ダリルに預けた【飛装兵】がこの様な変化を遂げたのには全員面食らったが
戦局が紛れも無い事実……頼もしくも可愛らしい援軍に向けて悠達全員が戦闘を再開した
 
 「いきます!わたくしの動きについて来れますか?」
 
率先して二刀を携え戦陣に切り込む那未
右手は順手に持った片手刀、左手は逆手に持った直剣
二刀を流麗に閃かせ、舞の動きを切らさず途絶えさせず、流れるように機兵達を舞い刻み続ける
本来、相対するものさえ魅了する剣舞だが、メカの心を動かせない事だけが悔やまれる
 
そして中心から切り崩された陣形の資格を突き、一撃離脱を繰り返してネルが短剣を叩き込む
ロボとパンダぐるみが混在した戦場でも、的確に一体ずつ仕留めていく様は見事だった
 
 「場は整いましたわ!悠様!翼様!」

ネルの叫びと共に、意図を察した【パンダフリューネ】が一気に離脱する
一点に囲い込まれた【メカフリューネ】の大群の中心
そこには【機晶ロケットランチャー】と二丁の【ガトリング】を携えた悠と翼が背中合わせに立つ
その銃口は周囲のターゲットにしっかり向けられていた 

 「これより殲滅行動に入る!」
 「一気に制圧しちゃいますよ〜!」
 
二人の言葉と共に3つの大型兵器の銃口が火を噴く
そのままお互いの特性を駆使したパワーで銃口を巧みに動かし、射線を変更しながらお互い立体的な動きを駆使する

 「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」」
 
大型兵器を超越した弾幕が周囲を包み、一気に【メカフリューネ】を殲滅した
すかさず【機晶ロケットランチャー】を肩に担ぎ、悠が全員に命令する
 
 「殲滅完了!続けて周囲の味方の援護に入る!」
 
その言葉に翼とネルが力強く頷く……だが、そんな中遠くを望んだ那未が驚きの声で彼女達に呼びかける
 
 「大変です皆様!あちらを……!!」
 
言葉ともに指し示された方向へ全員の視線が向かう
そこには更なる状況の変化と脅威が待ち構えていた
 
 
★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★

 
 「なんだか容姿には戸惑うが、頼もしい味方だぜ!これで流れが変わるな!エリィ!」
 「はい!これ以上はここを通しません!!」
 
周囲からパンダぐるみの援軍が大量に援護に駆けつける中
皆川 章一(みながわ・しょういち)エリィ・ターナー(えりぃ・たーなー)は安堵の声をお互い漏らす
とはいえ足止め目的の【メカフリューネ】への戦闘を止めているわけではなく
前衛を勤めるエリィの【バスタードソード】の攻撃のもと、章一の【アーミーショットガン】が確実に敵を仕留めていく
 
途中合流したレキ・フォートアウフ(れき・ふぉーとあうふ)、そして風馬 弾(ふうま・だん)一行と泪達の動きをスキャンしながら
通過点付近の【メカフリューネ】の足止めを務め、その大群の足止めに腐心していた
防衛という目的を挟んでの長時間の戦闘は、全員を確実に消耗させていたのだが……先程から戦況が一変した
 
突如現れた【パンダフリューネ】の物量援護に回復の余裕が出来、何とか塔ギリギリの接近を押し返す事ができた
レキの方も同様で、【リジェネレーション】による回復を終えたミア・マハ(みあ・まは)の様子に安堵していたようだ
 
 「無理無茶はしないといっても、流石にあの物量は厳しいからね……助かったよ」
 「確かにな……じゃがこれだけ、わらわ達の戦況に合わせて対応してきた連中じゃ、このままで終わるはずが……」
 
ミアの言葉に内心レキも同意する
通常のGMがそうであるように、プレイヤーがシステムの穴を付けば世界を変化させても対応するのがシステムだ
バグで世界は変化したが、ゲームの基本は変化が無く、世界がゲームのルールに則っている中
こちらはシステム介入や裏ルートなど、ルール外の方法論で対抗しているのは事実なのだ
加えてこの【パンダフリューネ】という援軍は、システム的には不条理以外の何者でもない

 (もともと敵も不条理を絵にしたデザインだしのう……不条理の上には更なる不条理で対抗しそうなものじゃが……)
 「!? ミア!あれ!!?」
 
そう思考をめぐらすミアの考えが的中したようなタイミングで、レキが遠くを指差して呼びかける
その方向を見たミアが、その予想を通り越して斜め上を行っている事態に驚きの声を上げた
 
 「な………合体!?じゃと」
 
二人が望む遠くの方で、数多くの【メカフリューネ】が集合し、編隊を組んで飛行している
無数の機体が綺麗に空に形を描くと同時に、お互いの体からまばゆい電撃を出し空に大きな【F】の字を描いた
 
 『レェ〜〜〜〜〜〜ッ!コ〜〜〜〜〜〜ンバインディング!』
 
記載コードギリギリの言葉を全員で叫び、それぞれが元の形が想像できないレベルで変形をはじめ
次々と合体を始めた……その数、100体を越えようか
がきーん!じゃきーん!ぷしゅ〜!と無駄に内部ジョイントが噛み合う音
そして蒸気を各部から吹き出し、現れた掌が無駄に大きく、そしワザワザ順番に開かれる
最後に現れた頭部の口をもったいぶった様にフェイスガードが多い、目がキュピーン…ピピピピピピと点滅
そして電撃を纏った手をガッキ〜ンとクロスして、それは合体終了の雄たけびをあげた
 
 『混沌合体!グレェェェェェェト!メカフリュゥゥゥゥゥゥゥゥネ!』
 
電脳世界の特権で、無駄な集中戦とバックに【MとF】を混在させたエンブレムを背負ってポーズを切る巨大ロボ
パンダぐるみを越えたあたらな【超常現象】に目視した全員が同じ叫びを上げた
 
 「「「RPG関係ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」」」
 

 「ちょ!?合体したよ?しかも何か昭和から勇者的なアレっぽい感じに容姿変わってるんだけど!?」
 「……流石にこれは、わらわの予想をこえたわ」
 
遠くに呆然と眺めている章一達を目に入れながら、レキ達も同様のリアクションを取らざるを得ない
自分達の何倍にも巨大になった相手が、こちらを向く
確実にターゲットロックオンの気配を感じ、慌てて迎撃の態勢を取るレキ達だが、何をどう迎え撃てばいいのか解らない
 
 『くらえ!フリュゥゥゥゥゥネ・バスタァァァァァァ!!』
 
大きく反った胸元から生み出したプラズマの塊が勢い良く発射される
立ちはだかる【パンダフリューネ】を破壊し、レキ達の脇を掠めたそれが轟音と共に塔の壁面を破壊、凄まじい煙があがる
その余波に飛ばされそうになりながら、必死に耐えるが数割HPを削られたようだ
 
 「………えっと、ノエル……これとどう戦えばいいの!?」
 「おおお、落ち着いて!…って言っても私の戦闘経験でもこれは専門外だし……!」

自分達の所まで伝わってきた余波に、実践が初の弾がパートナーのノエル・ニムラヴス(のえる・にむらゔす)に問いかけるが
流石の彼女も不足すぎる事態にどうしたら言いか混乱するばかりである
何より、今までの戦闘でも彼のサポートで精一杯というのも嘘じゃなかったのだ、キャパを完全に超えている
向こうでも完全にレキ達がパニック寸前になっている中、章一から通信が入った

 『二人とも落ち着け!奴が狙ったのは俺達じゃない!後ろを見ろ!!』
 
その声にレキや弾が塔の方を向く……そこでようやく巨大ロボの本来の目的を理解する
強力なプラズマによって破壊された塔の壁面から中が見える
その瓦礫にまぎれて卜部 泪(うらべ・るい)達が身を屈めていた
それぞれの相手を倒した事もあり、先行した者で達で塔の上に向かっている所を狙ったのである
各々ダメージを受けてはいるものの、深刻ではなく動けるらしい……だが壁の無い今、二撃目を受けたら話は別だ
 
どうあっても正面から立ち向かわなければいけない事態に章一は舌打ちをする

 「行動としては想定外だけど……やるしかない!弾、サポート頼む!」
 「は、はいっ!」

再び二撃目の準備に入る【グレート・メカフリューネ】に接近し【クロスファイア】を叩き込む
エリィが背後から【ツインスラッシュ】を脚部めがけて放つ中、レキ達も援護行動に入るため巨体の側面に回りこむ
 
 「怪獣は何となく想像付くけど……ロボも同じだよねっ?」
 
遠距離からレキの【サイドワインダー】とミアの【天のいかづち】が炸裂し、ようやくよろめく姿を確認するが
イマイチ外見と佇まいから効いているのかどうなのか判断しづらい

 『おおおおおお!負けて……たまるかぁ!!』

その上、どっちが悪役だかわからない気合の雄たけびらしき声を上げると、拳を塔に向けて突き出した
もう一方の手が、その腕をホールドしてる姿勢は見るからに【腕が飛び出します】と言っている
それが【物理属性】か魔法のそれか防御の判断できず、決意を固めた弾がせめてもと射線を変えようと前に立ち塞がる

 「弾!?無理です!!」
 「でもやるしかない、全力で行けば僕だってっ!!」

【グレート・メカフリューネ】の腕の付け根が光り、まさに拳が発射されようとすると同時に
覚悟を決めた弾の【光条兵器】が正面から放たれようとした刹那……巨大ロボの側面をロケットの弾頭が襲い掛かった
よろめく巨体に続けざまに【ガトリング】の弾幕が降り注ぎ、大量の【パンダフリューネ】が包囲して迎撃する中
弾の放った【光条兵器】の一撃が見事に巨体の胸元に命中し、後方に押し戻す事に成功した
 
 『大丈夫か!?月島小隊、速やかに援護行動に入る!』
 『私達も加勢するわ!最後の大勝負いくわよ!!』
 
すぐにレキや弾に通信が入る
通信アイコンの傍には【月島 悠】そして【仁科 姫月(にしな・ひめき)】の名前があり
確認するレキ達の傍らをの援護を受けてネル那未が通り過ぎる
その奥には【機晶ロケットランチャー】を構えた悠本人の姿があった
 
 『どんなに外見が変わっても、大きくなれば格好の的だ
  それに基本は雑魚の集まり……長期戦さえ覚悟すれば、陥落できない相手ではない!』
 
通信をオンにしているので、遠くに見える彼女の声がそのまま耳元で聞こえてくる
軍人モードらしい冷静な言葉に背中を押され、弾は深呼吸と共にノエルに呼びかけた
 
 「ノエルは泪さん達の回復をお願い、その間頑張って僕が食い止めるよ!
  早く泪さんとアダムくん達に合流してもらわないと!……行くよっ!!」
 
再び【光条兵器】を構え、第二撃の準備に入る弾
闘志を奮い立たせる反面、心のうちではバリエーション豊富にいじられる【フリューネ】の身を真剣に案じていた
 
 (きっと捕まった事も含めて色々あって悔しいんだろうなあ……早く助けてあげよう)