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【第十一話】最終局面へのカウントダウン、【第十二話(最終話)】この蒼空に生きる命のために

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【第十一話】最終局面へのカウントダウン、【第十二話(最終話)】この蒼空に生きる命のために

リアクション

 
 同時刻 ツァンダ市街
 
 漆黒の“ツァオベラー”のコクピットで、羽純とシンは静かに言葉を交わしていた。
 イーリャの手によって強化されたそのスペックは圧倒的だ。
 シンは相棒であるこころを纏わずに搭乗しているにも関わらず、既に敵機はゴルトタイプを除いて沈黙している。
 
『歌菜さんについていてあげなくていいのですか?』
『本音をいえばついていてやりたい。だが、そうもいかないだろう。すまない……』
『なぜ謝るのです?』
『俺の都合でパートナーと共に出撃できなくしてしまった』
『そのことですか。別に何ら問題はありませんよ。それとも、貴方は僕がその程度のハンデであの敵に負けるとでも』
『いや、それはない』
『でしょう? それに今は代わりに貴方がサブパイロットしてついてくれている』
『……』
『そして、今の歌菜さんを救えるとしたら僕かこころさんだけ。なら、僕らは別に何らおかしいことをしているわけではありません』
『……感謝する』
『お礼なら、歌菜さんが目覚めてからでいいですよ』
 会話を終えるとともに、二人は心を重ねて念を放つ。
 機体の力によって増幅された念動力は、金色の機体を一撃で沈黙させた。