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【創世の絆】銀行強盗ゲルバッキー

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【創世の絆】銀行強盗ゲルバッキー

リアクション


第1章 像賊の逆襲!?

空京の銀行強盗現場。

【シャンバラ教導団大尉】水原 ゆかり(みずはら・ゆかり)と、
パートナーのマリエッタ・シュヴァール(まりえった・しゅばーる)は、
教導団から出動命令を受けて現場に急行した。

像賊によって制圧された銀行の惨状を見て、ゆかりは呆然とする。
「確かに警察の出る幕じゃないわね……」
本来であれば、こうした犯罪は、空京警察の管轄のはずだ。
しかし、旧式であるとはいえ、
イコンの部隊を、普通の人間が制圧することは不可能である。

「カーリー、どうするの?」
「まあ、なんとか生身でやりあうしかないわね。
少しでも、外装のもろい部分を狙うことができれば……」
マリエッタにゆかりは答える。
幸いにも、敵はクェイルやセンチネルといった、旧世代量産機だ。
一般的な旧世代イコンの弱点を、
博識なゆかりは、なんとなくでも見当をつける。

両手にヘビーマシンピストルを抱え、
ゆかりはクロスファイアで関節部を集中攻撃する。

「のわあっ!?」
像賊が悲鳴を上げて、イコンが転倒する。
そこに、マリエッタが、天のいかづちを放ち、
イコンの破損部分に直接電流を流す。
大量の電流を流されたイコンは、機能停止に陥った。

「はい、イコン一機撃破ー!!」
マリエッタが叫ぶ。

「私は国軍憲兵隊です! 大人しくしなさい! 腹這いになって両手を頭の後ろへ! 
武器は捨てるのよ! 
あなたたちを強盗、傷害、器物破損などの容疑で緊急逮捕します!」

ゆかりが、像賊たちに警告を与える。

「誰がてめえらなんかに!」
「今のはちょっと油断しただけだ!」

「油断してるって認めてるし」
マリエッタが肩をすくめる。
「あーあ、イコンに乗っるくせに
生身の人間にやられるなんて情けないったらありゃしない!」

「ぶっ殺す!!」

冷静さを失った像賊たちは、我先にと襲い掛かってくる。

一方、
瀬乃 和深(せの・かずみ)
セドナ・アウレーリエ(せどな・あうれーりえ)
瀬乃 月琥(せの・つきこ)たちは、
ちょうど、銀行強盗の現場を通りかかったのだった。

「なんだあれは。
イコンに乗っているくせに、人質を取るなどと姑息な……。
許せん!
成敗してやる!」
セドナが、怒りをあらわにして、像賊たちに立ち向かっていく。

「あ、おい!?」
和深は、しかたない、と援護に回ることにする。
「何かあったら寝覚めが悪いからな」
「兄さんがそう言うなら……」
月琥も頷き、セドナの後を2人は追う。

「こいよ像賊! イコンなんて捨ててかかってこい!」
セドナが、プロボークで像賊を挑発する。

「なんだと、生意気な小娘が!」
「その小娘にイコンで攻撃するのか。とんだお笑い草だな!」
「黙れ、ぶっ殺してやる!」

しかし、セドナに気を取られた像賊の死角から、
和深がフュージョンガンで攻撃する。
「ぬおっ!?」
「あれ?」
驚いたのは像賊だけではなかった。
セドナは一人で像賊を相手にするつもりだったのだ。

「まったく、無茶するんじゃない」
和深がセドナに言う。
「そうです、
やるからには徹底的に。
イコンにはきちんと対イコン兵器を使わないと」
月琥が、対イコン用手榴弾を取り出しながら言った。
「って、なんでそんなもん持ってるんだ!?
っていうか、街中でそんなもん使うのはさすがにヤバいだろ!?」
「大丈夫ですよ、兄さん。外さなければ問題ないです」
そう言いつつ、月琥は、
対イコン用手榴弾を投げつけた。

「うわあああああ!?」
セドナがあわてて退避する。

派手な大爆発が巻き起こり、
像賊のイコンが2機ほど吹っ飛ぶ。
旧世代機なうえに、ろくにメンテナンスもされていない像賊のイコンが、
新式の兵器にかなうはずもない。

「おめえら、調子に乗りやがって、ぶっ殺してやる!」
「さっきからぶっ殺すしか言ってないじゃないか。語彙の貧困な奴らだな……」
そう言いつつ、和深たちは、
機関銃などを連射してくる像賊たちから逃れ、近くのビルを遮蔽にする。

そこに、
桐ヶ谷 煉(きりがや・れん)が、
パートナーの
エリス・クロフォード(えりす・くろふぉーど)とともに近づいていった。

正面から堂々と近づき、
煉は、像賊たちに言う。
「よう、また会ったな。
犬の下僕に成り下がるとはまた随分と落ちたもんだ」
煉は、『コントラクターズ&イコンズ』に出演し、
像賊たちと対峙したことがあるのだ。
「てめえっ!」
そのことを思い出したのか、像賊たちが煉に注意を向ける。
「……さて、警告は一回だけだ
大人しく機体を捨てて投降するならよし、
さもなくば……斬る」
「誰がてめえらの言うことなんか聞くかよ!」
予想通り、像賊たちは攻撃してきた。

煉は、クェイルに向かって、
22式レーザーブレードの柄を手に取り起動させ、刀身を生成しながら
抜刀術『青龍』を放つ。
脚部を切断されたクェイルが、転倒する。
そこを攻撃しようとしてきたセンチネルの槍を、
エリスが、混沌の楯で受け止める。
「残念だったわね、私の防御は第一世代機の力じゃ
崩せないわ……よ!」
そのまま、センチネルの槍を跳ね上げて、
体勢を崩させ、光明剣クラウソナスでソードプレイを浴びせる。
センチネルの外装がはじけ飛んでいく。

その隙に、煉が、別のセンチネルを正面から飛び上がり、
ヒロイックアサルト雲耀之太刀による一撃で切り裂く。
「……これで2体」

「これで終わりです。
無駄な抵抗はやめて大人しくしなさい」
エリスが、おののく像賊たちにさらに宣言する。

「というかあんな犬にいいように扱われて悔しくないんですか!
人として!!」
「うるせえっ!
銀行強盗を成功させれば俺たちは大金持ちになれるんだ!」
怒りをあらわにするエリスだが、
像賊たちは、なおも襲い掛かってくるのだった。