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44)セシル・レオ・ソルシオン(せしるれお・そるしおん)

「セシルさんは、年上の恋人がいらっしゃるそうですけれど、
15歳以上の年齢差は気になることはないのかしら。
恋愛エピソードについて詳しく伺えます?」

セシルは苦笑した。
千代とはきっちり一回り半(=18歳)違うからなぁ。
親子でもおかしくないワケだし、傍目に気になるのも仕方ないか」
恋人・御茶ノ水 千代(おちゃのみず・ちよ)について、
セシルはゆっくり語り始める。
「みなとくうきょうの婚活イベントで知り合ったんだよな。
すごく綺麗でいい女だなって思ってさ。
他の奴とは違うっていうか……もちろん見た目も美人なんだけど、
内側から出てる綺麗さっていうかな?
だからいくつだとかは関係ない。
50歳でも100歳でも千代は千代だし、中身は変わんねぇだろ?」
「あなた、いいことおっしゃいますわね」
トッドさんがうなずく。
「でも、千代から見たら俺は子供に見えるかも……ってところでは
気にしてたな。
だから千代につりあう男になる!って思ってきたワケだけど……
最近、むしろ俺が傍について守ってやらなきゃなんないんじゃねぇかって
思うようになってきた」
「へえ、たとえば、どんなふうにですか?」
「千代って実はすげぇ天然なのな。
十代の乙女みたいに一生懸命で健気で可愛くて惚れ直したけどさ。
あれで軍隊にいるとか本当に大丈夫か……。
色んな意味で心配で仕方ないぜ」
セシルがため息をつく。
かわいらしくて仕方ない恋人のことを思う、幸せなため息だ。

「では、
セシル・フォークナー(せしる・ふぉーくなー)から、
セシルさんに質問をいただいています。

セシル・レオ・ソルシオンさんへ

ファーストネームが私と一緒だったり、
海賊をやっていたり、境遇も私と似ている所があって、
なんだか少し親近感を感じてしまいました。
そちらは海賊をしていて、最近何か面白い事や変わった事はありましたか?」

「確かに共通項多いな。仲間仲間☆
今度会ったら友達になろうぜ!
あー、でも……」
セシルは頬をぽりぽりとかく。
「海賊やったのは本の世界へ引き込まれたときだけで、
名乗りをあげてるワケじゃないのな。

でもあれが一番ワクワクした冒険とバトルだったし、
何かを率いてそれを基盤に動くのは良いなって思った。

だからあのときの海賊団を原案にして、
自由騎士団ならぬ自由空団を立ち上げた。
冒険と人助けが信条だから、空『賊』じゃないのな」

セシルは高らかに宣言する。
「『自由空団エル・ソレイユ』頭領として、
ここに空団発足を宣言させてもらう!」

「空団にはもうひとつの顔がある。
……イズ!」
スタジオ脇に控えていた陽華 不知夜(ひのは・いざよい)が、
魔鎧としてセシルに装着される。

「オンステージ!」

それは、変身を意味する掛け声だった。

獅子のたてがみを思わせる流線型の装飾がついた
口許が出る形のゴーグルタイプのメットマスク。
そして、普段着ているコートの上から深紅の軽鎧と小手と具足が現れる。

「神楽戦隊ディバインジャーが一人!
『陽獅子の剣士』ソルフェンレオ、見参!!」
神剣イクセリオンを構えて、
ソルフェンレオがポーズを決める。

「ってワケで、空団はパラミタスーパー戦隊の母体組織でもあるんだ。
冒険と人助けとヒーローに興味のある奴なら
誰でも大歓迎入団受付してるぜ!」

すると、装備していたHCに着信が来た。

「と、早速事件らしい。それじゃ、またな!」

ソルフェンレオは、バーストダッシュで飛び出して行った。


「続いて恋人の御茶ノ水 千代さんをお呼びしています」
トッドさんは平然と続ける。