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chapter3 僕らの保健室戦争

 お昼を迎えた蒼空学園カフェテラス。あるテーブルの周りに、数人の生徒が集まっている。そのテーブルの上に置かれた1枚の色紙を前に、エルミル・フィッツジェラルド(えるみる・ふぃっつじぇらるど)は心を震わせていた。何色ものカラフルな文字が並んでいるその色紙は、彼女が環菜のために準備し、他生徒の協力を仰いで一言ずつ添えてもらった寄せ書きだった。エルミルは一呼吸置いてから、感慨深い様子でお礼を言った。
「皆さん、急な寄せ書きの提案に協力していただいて、本当にありがとうございます」
「俺らも、ただ見舞いに行くだけじゃあつまんねえなぁって思ってたんだ! むしろこっちこそお礼を言わせてもらうぜ!」
テーブルを囲んでいる数人の中のひとり、結城 翔(ゆうき・しょう)が元気な声で言う。結城は色紙を見るとエルミルに質問を投げた。
「ところでこの色紙、まだスペースが所々にあるみたいだけど、まだ誰か書くヤツがいるのか?」
「ええ、わたくしのパートナーがまだ書いてないようなので……」
 苦笑しながらエルミルが答える。他にも、もし後から参加されたい方のために空けてあるんです、と言葉を付け足して。
「そういや、パートナーはどこ行ったんだ?」
「ついさっき、ルミーナさんに会いに行ってくる、と言って走って行っちゃいました。お見舞いに皆で行きますよ、と言っていたんですけれどね……」
「そっか、まぁでも、見舞いに行くって伝えてんなら後から保健室に来るんじゃねえか? ところで皆はもう見舞いの品とか買ったのか?」
 一斉に頷くエルミルたち。「マジかよ……」と呟いてから、結城は立ち上がった。
「まだ俺買ってねえから、今からちょっと買ってくるぜ! 皆は先に見舞いに行っててくれ!」
 言うや否や、カフェを飛び出す結城。残されたエルミルたちは、ここにいないふたりも後から保健室に来るだろうということで、一足先に保健室へと向かった。エルミルを含め、8人の大所帯だった。

 保健室へ向かう廊下で、8人はエドワードとすれ違った。依然人が多い保健室から出てきて、お昼を食べようとしていたところだったらしい。
「お見舞いですか?」
 各々が持ったお見舞いの品を見て、エドワードが尋ねる。首を縦に振ったエルミルの手に色紙があるのを見つけたエドワードは、興味深そうにそれを見つめた。
「へえ、寄せ書きとはいいアイディアですね。よかったら、私も一筆加えさせてもらっていいですか?」
「ええ、もちろんです!」
 空白部分に一文を加えると、お互いに軽くお礼を交わし、エドワードはその場を後にした。
「……全員は入れないでしょうね」
すれ違った後で、誰に言うでもなくエドワードは呟いた。
今現在、保健室には11人の見舞い客がいる。光、レティナ、ラティア、サテラ、総司、リネン、レイディスの7人に、お昼の少し前から保健室に来た比島 真紀(ひしま・まき)とパートナーでドラゴニュートのサイモン・アームストロング(さいもん・あーむすとろんぐ)菅野 葉月(すがの・はづき)とそのパートナー、魔女のミーナ・コーミア(みーな・こーみあ)の4人を足して11人だ。そこまで狭い保健室ではないが、10人を超すとさすがに密度が濃くなってきたようだった。そこに、エルミルたち8人がやってきた。
「あら……人がいっぱいですね……」
 保健室の様子を見て、エルミルが驚く。真っ先に動いたのは、葉月とミーナだった。
「さすがにこれだけ人が集まっては、環菜校長にご迷惑がかかってしまいます。今までいた人たちは一旦部屋を出て、部屋にいる人数を制限しましょう」
「とりあえず、ワタシたちも出た方がいいよね!」
先にいた7人がぞろぞろと部屋を出ると、その最後尾に葉月とミーナ、真紀とサイモンらも並んだ。
ちなみに真紀とサイモンは教導団の生徒なのだが、教導団で出される四川料理は食えないよ、とサイモンがごねるのでふたりで蒼空学園に来ていたところ、たまたまこの騒動を知って一食の恩とばかりに他生徒の手伝いをすることにしたのだ。
「とは言え、この調子ではこれから何人来るか分かったものではないな」
 廊下で真紀が言葉を漏らすと、ミーナがサイモンを見て言った。
「大丈夫! 部屋の前で彼が立ってたら、それだけで入場制限できるよ!」
「どういうことだよそれは……」
 サイモンはそう言ったものの、ドラゴニュートが部屋の前に陣取っていたら、一般の生徒が入りづらそうな感じになるであろうことは容易に想像できた。身長はそれほど高くないが、やはりドラゴニュートは迫力がある。深夜のコンビニにヤンキーがたむろってたら、それが中高生とかでも若干店内に入りづらいのと同じ原理である。

 交代で部屋に入ったエルミルたち8人を見て、環菜は小さく呟いた。
「まったく……次から次へと来るのね。ゆっくり休めやしないじゃない」
 その声がエルミルたちに届いたかどうかは際どかったが、環菜のお腹の音は確実に届いていた。
「カンナ様、お腹が減ってらっしゃるんですね? お昼時ですものね。食べ物もたくさんご用意してますよ」
 腹の音を聞かれた環菜はそっぽを向いて、不機嫌そうに言った。
「……聴力のテストをしただけよ」
「……はい?」
 小声だったためエルミルたちには聞こえていないようだったが、あまりに口から出た言い訳がひどかったのか、環菜は同じ言葉を繰り返しはせずに、「いいから、早くお昼を用意しなさい」とだけ生徒たちに伝えた。
 その言葉にすぐさま反応したのは、樹月 刀真(きづき・とうま)だった。自ら「カンナ様の奴隷」「カンナ様のパシリ」を名乗っている彼にとって、環菜の命令は何よりも優先される指令なのだ。刀真は果物を器用に切りながら環菜に話しかける。
「俺は無理に動きを縛ろうとか監視しようなんてことは思ってませんよ。ただ、しっかり体調を整えてから仕事に戻った方が、効率がいいと思いますけどね。どうです?」
「口を動かしてる暇があったら……手を動かしなさい」
 そう言われるのが分かっていたかのように、刀真は数種類の果物を切り終え、お皿に乗せていた。
「分かってますよ。何たって、カンナ様のパシリですから」
 言って、漆髪 月夜(うるしがみ・つくよ)にお皿を渡す。刀真のパートナーで剣の花嫁である月夜はそれを受け取ると、「はい、あーん」と言って、環菜に食べさせようとする。お腹が減っていても環菜はさすがにそれを受け入れることができなかった。月夜の手からりんごを取ると、自らの手で食べ始めた。
「……飲み物は?」
 数切れ食べ終えたところで環菜が出してきた要求に、待ってましたとばかりに飲み物を差し出す刀真。そしてそれをコップに注ぐ月夜。
「カンナ様のパシリですから」
 ハモるように声を揃えてふたりが言う。事前に刀真に練習させられた流れだった。
 そのそばで、柊 まなか(ひいらぎ・まなか)は鼻歌を歌いながら、持参した花瓶にお見舞い品である花束を挿していた。ピンクや薄紫など、淡い色をまとった花たちがまなかの鼻歌に合わせるかのように揺れては香る。刀真と月夜の看病が一段落したところで、まなかが話しかけた。
「校長先生、熱は大丈夫ですか?」
「大丈夫だったら、こんなところに横になっていないでしょ」
 相変わらず無愛想に答える環菜。まなかは環菜のその言葉から、やはり今すぐにでも仕事に戻りたいのだと察した。
「どうして……どうして、そんなになってまで無理して動こうとするんですか? 倒れちゃったら元も子もないじゃないですか……」
 悲しげな表情で眉を寄せるまなか。
「……私にとって、それは理由のいらないことなの」
 あまりにまなかの声が憂いを帯びていたからか、環菜は受け答えを続けた。きっとこの人は、揺るぎない、強い何かを持っているんだ。そう思ったまなかは、表情と声のトーンを変えた。
「早く、よくなってくださいね」
 答えないことで、環菜は返事とした。
 そんなまなかの後ろから、葛葉 翔(くずのは・しょう)がすっと現れた。手には桃の缶詰を持っている。シーズン的には別に缶詰じゃなく普通の桃も売っていたのだが、近所のお店で買えるような桃をセレブな環菜が食べるかどうか分からない、ということで缶詰にしたのだった。缶詰でもまあ似たようなことなのだが、逆に缶詰レベルまでいくと物珍しさで食べるんじゃないかという目論見もあった。
「環菜校長、これをどうぞ」
 缶詰を渡す葛葉。環菜は一旦受け取ると、すぐに近くの台の上に置いた。
「わざわざ食べづらい形で持ってくるとは、あなたも勇敢ね」
 裏目だった。
「いや、やっぱお見舞いの品っていったらこれだろうなって思って……」
 若干の気まずさを覚えた葛葉は、環菜の視線に押されじりじりと後ずさった。
 その缶詰を近くにあったナイフで開け、お皿に盛り付けたのは能美 キユ(のうみ・きゆ)だった。彼女は赤ぶちの眼鏡をくいっと上げ、お皿を環菜に差し出した。
「どうぞ、校長」
 黙って受け取り、一切れ口に運ぶ環菜。あまり冷やしてなかったせいか、微妙に温い桃の味が環菜の口の中に広がった。環菜は葛葉を睨んだ後、キユのことも睨みながら言った。
「……あなたも、作業途中で冷えてなかったことにくらい気付きなさい」
 キユからしたら完全にとばっちりだった。葛葉とふたりで謝るキユ。彼女はその外見通り頭脳明晰なのだが、自分が想定しない事態には滅法弱いという弱点があったのだ。へこまされたふたりと交代して、シルバ・フォード(しるば・ふぉーど)とシルバのパートナー、剣の花嫁の雨宮 夏希(あまみや・なつき)が前に出た。夏希はまなかが持ってきた花瓶に、花を加えながら環菜に「綺麗よ」と言って花束を見せた。シルバは台の上に置いてある環菜の携帯に目をやり、一安心する。おそらくルミーナの力で電波を遮断して携帯を使えなくしたのだろう。ならば、思った以上に大人しくしている環菜にも納得がいく。
「校長は、花はあまり好きじゃないか?」
「別に。好きでも嫌いでもないだけ。花は所詮花でしょ」
 シルバの問いに、環菜が答える。
「たしかに、花なんて美味しくもないし腹も膨れないな」
 けど……と言いながら、シルバは夏希の手から花を一輪取り、環菜の目の前に持ってくる。
「ほら、なんかちょっと気分が和らいだりするだろ?」
 夏希が、普段あまり見せない笑顔を覗かせた。それはロマンチックなシルバという意外な一面を見たからか、シルバと環菜のやり取りが微笑ましかったからかは分からない。
 その時。保健室の入口から、ひとりの女の子が入ってきた。入室者のパートナーということで入場制限を免れた彼女はシルト・キルヒナー(しると・きるひなー)。剣の花嫁である彼女は、エルミルのパートナーだった。
「シルト!」
 エルミルは自分のパートナーを見つけると、あまり学内ではしゃがないでくださいね? と優しく諭した。
「エルちゃん! あのね、あのね! ルミーナさんと話してきたよ! すっごく綺麗で、優しい人だったよ!」
 やや興奮気味のシルトは、場所が保健室ということを思い出し、慌てて口を塞ぐ。エルミルは寄せ書きのことを思い出し、一旦部屋を出て環菜の見えない場所でシルトに書いてもらうことにした。立ち上がりお礼をし、保健室を出て行く8人と今入室したばかりのシルト。
 この、保健室に見舞い客が誰もいなくなるという僅かな時間の隙間。その隙間を利用せんとした男がふたりいた。保健室の窓からすっと入り込んできたそのふたりの男は、黒脛巾 にゃん丸(くろはばき・にゃんまる)ライ・アインロッド(らい・あいんろっど)
「校長、具合はどうです?」
 ひそひそ声でにゃん丸が話しかける。環菜が口を開きかけると、それを制止するジェスチャーをして言葉を続けた。
「分かってますって、お体もさることながら、あちらの方が心配なんでしょう?」
 言って、手でお金のマークをつくるにゃん丸。
「そこで、こんなもの用意してみましたよ、はいっ」
 後ろから出てきたのは、超小型液晶ディスプレイ、そして同じく小型のピンマイクだった。
「これで俺たちに指示してくれれば、隣の部屋からパソコン使って指示通り動きますよ。オンラインだったら、電波とか関係ないんじゃないかなって思ってね」
「カンナさんのため……ひいては学園の平和のため、私たちがサポートしますよ」
 もう別室にはパソコンもスタンバイ済みです、と付け加えた後、きりっとした顔でライは告げた。
「こんな時くらい、周りに頼ってください」
 ふたりを見て、環菜はゆっくりと道具を受け取った。
「……ようやく話が分かる生徒が来たようね」
「カンナさん!」
「そうこなくちゃねぇ」
 他の生徒が戻ってくる前に、素早く部屋を後にするふたり。少ししてから、隣室のにゃん丸、ライがパソコンを使い、環菜にメッセージを送る。環菜の手元にある液晶画面に「見えますか?」の文字。環菜はピンマイクを使い一言だけ返事をすると、すぐさま指示に移った。ヘッドホンでその指示を受け取るふたり。そして、すぐに問題は起きた。環菜の喋る内容が専門的すぎて、にゃん丸もライもまったく理解できなかったのだ。「すいません、もう少し分かりやすく説明を」送られてきたメッセージを見て、溜め息をつく環菜。
「かーんーなーさーん」
 突然、環菜の頭の上から声が降ってきた。びっくりして上を見ると、新しくお見舞いに来たウィング・ヴォルフリート(うぃんぐ・う゛ぉるふりーと)と剣の花嫁で彼のパートナー、ファティ・クラーヴィス(ふぁてぃ・くらーう゛ぃす)、それと武来 弥(たけらい・わたる)の3人がいた。
「まったく、ちょっと目を離したら何をするか分かりませんね、環菜さんは」
 ウィングがそう言って環菜からピンマイクと液晶ディスプレイを取り上げる。
「わがままは聞きますが、病気を悪化させるようなことはさせませんよ」
 代わりにカフェで売っているケーキを台の上に置き、取り上げたアイテムは片付けてしまった。
「きっとこれを渡したやつらは、あそこから入り込んだんだろうな」
 窓を指差した弥は、そのまま窓へと歩いていく。
「また何かあるかもしれないし、ちょっと仕掛けでもしておくか」
 トラッパーのスキルで、簡単な罠を設置する弥。作業を終えると環菜の方へ近付き、果物をナイフで切りながら喋り出した。
「そのー、なんだ、総代がそんな様子じゃこっちまで調子狂っちまうからさ、早くいつもの総代に戻ってくれよな」
「……どのみち、私以外には無理だったようだから仕方ないことね」
 環菜は諦めて、出された食べ物を少しずつ摘んだ。
 別室では、「ありゃあ、バレちゃったようだねえ」と残念がるにゃん丸、そしてライ。
「これ、どうしましょう……」
「んん……まぁ放っといていいんでないの。後でまた来て片付ければ」
 パソコンなどの道具一式をそのままに、ふたりはその場から逃げるように去っていった。
 ふたりが蒼空学園を出ようとしたのとほぼ同じ時刻、入れ替わるように2本の箒を持った少女が蒼空学園の敷地へと足を踏み入れた。

 最初にいた11人のお見舞いメンバーが保健室に戻ってきて少しした頃、ファティが環菜の異変に気付いた。環菜の額に、汗が浮かび始めたのだ。ファティは時計を見る。13時40分を少し回ったところだった。たしかに、気温が上がる時間帯といえばその通りなのだが、保健室は空調が効いている。時間は関係ないのでは? とファティは疑問に思ったが、その疑問を解決するよりも環菜の手助けをすることの方が優先だった。
「環菜さんが汗をかいてるので、男性陣は出ていくようにー! しばらくの間、女性以外立ち入り禁止でーす」
 ファティのその言葉を聞き、部屋を出るレイディスやサイモン。この時、ひとりの男が部屋を出つつも、目をぎらりと光らせていた。
 作戦通り。
 心でそう呟いた男は、総司だった。そう、すべては彼の計画のうちだったのだ。汗をかいた環菜を女性陣が着替えさせるという、このシチュエーションをつくりだすためにわざわざ発汗作用のある飲み物を環菜に差し出したのだ。彼は朝からずっと、この機会を待っていた。蒼空学園校長、御神楽環菜の輝かしい姿が覗けるこの時を。見舞い中に下調べをしていたので、覗きポイントもばっちりである。総司は保健室を出ると、すぐさま隣の部屋に入った。ずばり、ベストスポットはここ、隣室の壁に奇跡的に開いていた小穴であった。早速覗きを決行する総司。だが、肝心の環菜が、他の女生徒たちに囲まれていて見えない。
「あ、くそ、そこ邪魔だよ! どけって。ったく……」
 総司が欲望を剥き出しにしたその時。環菜の近くに置いてあった青い折り鶴が反応を示した。ルミナとリオがつくった禁猟区のお守りが発動したのだ。とっさに構える保健室の女性たち。そして、ルミナとリオ、他数名の男性陣が危険な存在の元へと急いだ。そこでルミナたちが見たものは、驚いている総司と立派なパソコン、そしてヘッドホンだった。リオが声を震わせる。
「な、何をやっているんですかあなたは……!」
「えっ、違っ、いや違くはないけど、このパソコンとかは俺に関係ないやつで……!」
 この状況で総司の言葉はすべて言い訳にしか聞こえなかったが、壁の小穴とヘッドホンが決定打となった。
「この小穴から……隣の部屋、見てたの……」
「それはもしかして、さっき環菜さんがピンマイクで声を伝えていたヘッドホン!」
 その場にいた男性陣全員が、同時に同じ思考回路を辿った。
 汗をかくカンナ様→暑さで荒くなる息遣い→マイクから伝わるはぁはぁという声→パソコンで音声データを保存
「この……ド変態野郎がっ!」
「やることがマニアックなんだよ!」
「お前女の子が全力で坂を走ってる番組とか毎回録画してブルーレイで保存してんだろ!」
 一目散に逃げ出した総司だったが、彼は何を血迷ったか隣の保健室に窓から入ろうとしてしまった。そしてそこには、ついさっき弥が仕掛けたばかりのトラップがあった。電流を喰らい、総司はその場に倒れた。追い討ちをかけるように、男性陣が押し寄せてくる。
 そして総司は、皮肉にも保健室に運ばれることになったのだった。
 時刻は14時数分前。この後保健室にさらなる危機が訪れることを、まだ蒼空の生徒は誰も知らない。