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魔の理科実験室の怪を探れ!!

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魔の理科実験室の怪を探れ!!

リアクション

 ぽわぽわとした色気のあるメイド服の少女カナ・エイルメリア(かな・えいるめりあ)が、「では私は夕方位から第四理科実験室の、裏手にに隠れることにします〜。苦手なんですけど……度胸をつけねばっ!」
「じゃあ、私もご一緒に……」
 清楚で優しげなアリア・セレスティ(ありあ・せれすてぃ)が遠慮がちにエイルメリアに声をかけた。茶色の髪がさらりと揺れる。
「やはり私も現地調査が早いと思いますから、実験室裏手の木の影に身を潜めダークビジョンで実験室を注視しておいたら、と思うんです」
「まあ、それはいい考えだと思います。アリアさん、よろしくね。2人ならそんなに恐くないかもですし〜」
「はい、よろしくお願いします。ご一緒しましょうね」
2人は顔を見合わせ、にっこりした。

 茶色の髪を無造作に束ねた青年、杵島 一哉(きしま・かずや)が言った。
「私も現場周辺、建物の右側横手もやはり木が茂ってますからね、そのあたりで張り込みをしますよ。怪現象を実際に見て、正体がなんだか調べたいですし」
杵島のパートナー、銀髪のアリヤ・ユースト(ありや・ゆーすと)が物静かに、
「私もその現象がなんなのか興味があります。一哉と一緒に張り込みますね」
杵島がうなずく。
「対処についてはは皆さんと打ち合わせて行きましょう」

 赤いポニーテールを振りたて、霧雨 透乃(きりさめ・とうの)が言う。
「んーと、隠れてるのはあまり得意じゃないから、左手の渡り廊下側にいることにするね。何かあればすぐ駆けつけられるし」
黒髪のどこか憂わしげな美女、緋柱 陽子(ひばしら・ようこ)が、透乃に小さな声で遠慮がちに言った。
「私も透乃ちゃんと同じく隠密行動は苦手ですから、レイスの朧さんに周囲を見てもらいましょうよ。幽霊だし私達よりも目立たないし、音も立たないし。万一誰か見つけたら、近くの人に伝えてもらうとかして」
透乃がちょっと考えて、
「あ、それならアッシュワースさんに伝えてもらったほうがよさそう。私アッシュワースさんに伝えてくるね」
そう言って部屋の向こうで一人メモ書きをはじめているアッシュワースに、レイスの件を伝えに行った。

 ごく普通の、優しげな青年といった容姿だが、妙なモノを惹きつけるという異才を持った滝川 洋介(たきがわ・ようすけ)は、わくわくした様子を隠せない。
深夜の現地調査って刑事ドラマみたいだなぁ! なんかかっこよくね??」
姿かたちはどこから見ても筋骨隆々のスキンヘッドの巨漢だが、宿る英霊は静御前、滝川にめろめろの源 静(みなもとの・しずか)が、乙女らしい動作で手を胸の前で握り締める。。
「深夜の張り込み! 隠れられるところをあらかじめ探しておくのがいいわね〜」
「そうだなー。でもって……」
2人は異口同音に顔を見合わせて言った。
「張り込みの定番、あんパンと牛乳も忘れずに!」

「大体分担や配置は決まったかな。それじゃあ、昼間見張りと、調査担当のメンバーは行動に移ってくれ。俺らは昼夜問わずいるから、何かあればすぐ連絡してくれ」
ゲルドが言って全員が頷いた。会合は終わり、全員が行動開始だ。
「食事はきっちりとっておかないとね。少し早めに食べるかー」
「きっちり寝ておかないと……午後の授業は自主休講という事で」
「出席して寝てればいいんじゃね?」
聞き込みに向かうもの、仮眠を取るべく部屋へ帰るもの。各々どうするか会話しつつ、三々五々に散って行った。

 おっとりと頼りなげな黒髪の青年大久保 泰輔(おおくぼ・たいすけ)が、皆が解散してがらんとした部屋の隅の方でうーん、と唸っていた。
「ありゃー。ほたら逆転の発想で、見物によさそうな場所一帯を押さえて、一般生徒なら「そこまでの金額出してまで……」っていう値段で、入場券を売って見物する生徒を制限する……、という僕の素晴らしい生徒けん制プランと……小遣い稼ぎ計画もあかんかー」
 それを聞いた泰輔のパートナー、少年っぽいボブカットの青い髪に、対照的な赤い瞳を持ったレイチェル・ロートランド(れいちぇる・ろーとらんと)が、泰輔に囁いた。
「あの、でしたら皆さんの活躍を撮影なさって、それをお売りになってはいかがです?」
「おおー、君冴えてるな〜 それでいこ。うん、ばっちりやな。ふふふふふ。ほな計画について話し合いましょか」
2人はとっとと会議室を後にした。

 見かけはがさつな銀髪の少女だが、現代の傾奇者といった富豪の息子天空寺 鬼羅(てんくうじ・きら)は、廊下で交わされている会話を小耳に挟んで、一人ごちた。
「幽霊?魔の実験室!?なんかワクワクする響きだなぁ?おぃ!無性に行ってみたくなったぜ! おっし、夜中な」

 ぼさぼさの銀髪に陰気な風情、どこか自身が幽霊じみた気配のあるニコ・オールドワンド(にこ・おーるどわんど)が、光学迷彩を切って部屋の隅に姿を現す。
「霊の噂が出始めてから何度か様子を見に来ていたんですが……いよいよ調査ですか。くふふ……おもしろそうですねえ〜。早速参加させていただきましょう」