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リアクション
「えっと、あの……何なんですか! あなたがたは!!?」
「真奈! 大丈夫!?」
和泉 真奈(いずみ・まな)は丁度用事があったので空京に来ていた。用事自体はすぐに終わり、せっかく空京まで来たのだから、と、買い物しようとショッピングモールの方へ足を延ばそうとしたところ、「きょぬーに鉄槌を!」とちっぱい教の同志達に囲まれてしまった。
そこへ駆け付けたのが、ミルディア・ディスティン(みるでぃあ・でぃすてぃん)だった。
今日は真奈と別行動を取っていたが、やはりパートナー同士は引き合うのか、真奈のピンチに、最近オープンしたばかりの、行列の出来るジェラード屋の新作5段重ねのアイスを片手に颯爽と現れると、咄嗟に守ったのだった。
「確かに私の胸は、他の方から見ると大きい方だとは思いますが、何で胸の大きさだけでそんなことするんですか!」
「そうだよ、きょぬー狩りなんて仰々しい上にもったいない……もとい、被害に遭う人が可哀想だよ! 胸の大きさなんて、みんな違うから楽しいのに、なんで分かり合えないの!?」
真奈とミルディアはお互いの背中を庇い合うように立つと、ちっぱい教の同志達に説得を試みた。
しかし、ちっぱいを愛でることに執着している彼らは聞く耳を持たなかった。
「ちょっと、話せば分かり合え……あー!!!」
ミルディアと真奈に迫る、ちっぱい教の同志達の魔の手!
しかし、次の瞬間、同志達の頭上で爆発音が響いた。
何事かと全員が見上げると、八神 誠一(やがみ・せいいち)が投擲するカセットボンベを、オフィーリア・ペトレイアス(おふぃーりあ・ぺとれいあす)が【火術】で生み出した火炎弾を撃ち込んで爆発させていたのだ。
「確かにきょぬーは、俺様たち“P・H・U(=パラミタひんぬー連合)”にとっては不倶戴天の敵なのだよ」
そう、オフィーリアもまた、きょぬー死すべし、セクハラには血の報復を、の理念の元に作られた秘密結社の指導者だった。
「P・H・Uとちっぱい教は志を同じくするはず!」
「だがしかし! 人様が身体的に気にしている事で無遠慮に騒ぎ立て、トラウマになりかねない事に塩を塗りこみ、精神的苦痛をもたらす連中もまた、同じくらい許せない存在なのだよ。
きょぬーもちっぱい教の連中も、等しく血の海に沈めてやるのだよ。
きょぬー死すべし! セクハラには血の報復を! P・H・Uに栄光あれ!」
オフィーリアは高らかと宣言すると、ゴーレム三体を一気にちっぱい教の同志達に突撃させ暴れさせた。
自分はゴーレムが暴れている外から手当たり次第に【火術】、【雷術】、【氷術】、【光術】を放ってゆく。
「たゆんもちっぱいも僕個人としては、もの凄くどうでもいい気がしてならないけど、放って置いたら、ロクな事にならないだろうしねぇ。【夢想剣】を使うまでもないし、ホント、何で僕はこんな事してるんでしょ?」
誠一はオフィーリアのサポートに回っていたが、手出しする必要は無さそうだ。
それよりも彼女がやりすぎないよう、ブレーキを掛ける必要性の方がありそうだった。
誠一は頃合いを見て煙幕ファンデーションを使い、オフィーリアとゴーレムと共に離脱した。
煙幕が晴れると、そこには同志達が折り重なるように倒れていた。
ミルディアと真奈の姿もなかった。
「こっちだよ!」
2人はオフィーリアのゴーレムに蹂躙される寸前のところで、裏路地から出てきた神月 摩耶(こうづき・まや)に助けられていた。
今は摩耶に手を引かれて、裏路地をひた走っていた。
「摩耶様のお陰で助かりましたわ。一時はどうなることかと……んんっ!? んちゅ……むぢゅ……」
「ま、真奈さん!? 摩耶さん!?」
「只、お命をお救いしたお礼として、摩耶様の思い出作りに協力して頂きたいだけです」
「ちゅむ、ちゅぱ……ちゅるるん♪ んふふ、美味しい舌♪ せっかくのきょぬーだもん、狩るんじゃなくて楽しまないとね♪」
人気のないところに来ると、摩耶の足が止まった。確かに誠一達が起こしている喧噪は遠くに聞こえるので安全なようだ。
真奈が丁寧にお辞儀をしてお礼を言うと、その唇を摩耶が塞ぎ、濃厚な口付けを交わした。
目の前で営まれる深く長いキスに驚くミルディアの手を、リリンキッシュ・ヴィルチュア(りりんきっしゅ・びるちゅあ)が取り後ろ手に極めてしまった。しかもリリンキッシュの空いている手にはデジカメが構えられていた。
事前に人気の無く邪魔の入り難そうな場所を数点探し出し、摩耶に報告していたのも彼女だ。
「(倒すのは簡単だけど……ちっぱい教の同志って訳じゃ無さそうだよね。それに摩耶さん達は真奈さんの本当の恐さを知らないからなぁ)」
リリンキッシュも摩耶も、ミルディアからすれば倒せない相手ではなかった。
しかし、ちっぱい教のように明確な敵という訳では無さそうだし、真奈に危害を加えるつもりが無いことは明白だ。
「う……んくっ……止めてくださ……んぁ、あはぁっ」
「うんうん♪ 良い声で啼くよね♪ こーやって色々遊べるのが、きょぬーの良い所なんだよねー♪」
たっぷり3分、真奈の口内を堪能した摩耶は、真奈の胸を強弱を付けてリズミカルにマッサージしつつ、耳を甘噛みする。
真奈の口から熱と唾液を帯びた吐息が漏れると、自らの胸と重ね合わせて潰れあう様を楽しみ、手は太股をまさぐり、強く閉じられたその付け根へと伸びていった。
「ふ、あぁ……はぁん……うふ、ふふふ……仔猫様、お痛が過ぎましてよ」
今まで摩耶に蹂躙され、快楽に身を委ねるがままになっていた真奈が、突然摩耶と身体の位置を入れ替えた。
まるで攻守が交代したかのようだ。
「これは一体……」
「うわ! 真奈さんのスイッチが入っちゃったよ!」
物静かで品のある物腰のリリンキッシュも驚きを隠せない。
真奈は「他人に優しく自分に厳しい」姿勢を保っている、絵に描いたような守護天使だ。しかし、その内面ではSっ気のある一面を忍ばせている。ミルディアはSっ気のある一面に入ることを「スイッチが入った」と呼んでいた。
「いいよぉ。だってボク、攻めも受けもどっちでもイケるしー♪」
当の摩耶本人は真奈の変貌すら楽しんでいるかのようだ。
斯くして、ミルディアはもうしばらく、この2人に付き合わなければならなくなってしまった。
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