リアクション
■エピローグ
「痛いですぅ……」
「おお、これはちと苦しいのぅ」
イルミンスール魔法学校の食堂で頭を抱えるエリザベートとアーデルハイトの2人と、それを見て苦笑いするミーミル。
「全く、アンタらは貧弱貧弱ぅってやつですぅ」
そして、2人の目の前に置かれたかき氷を貪る魔王エリザベートの姿。
「魔王ぐらいになれば体温調節なんて余裕なんですぅ! 例え黒い炎に焼かれても勇者の様にオーバーヒートはしないですぅ!」
びしっと言い張る魔王だが、その機能はつい先ほど専属技師に用意してもらったもので、些細なすれ違いで起きた惨状の話を聞くなり青ざめて装備させてもらったらしい。
だが、それでもやけに自信満々なのはきっといいことがあったからなのだろう。
「……そうだ、ミーミル。結局原因は何だったんですぅ?」
つい先日までは猫に埋もれていた魔法学校からは嘘の様に猫が居なくなっていた。
「あ、お母さんは知らなかったんですね? どうにも、生徒達が開発した『猫が気持ち良くなるチャイム音』が原因だったらしいですよ」
「ああ、そういえば生徒達がリラクゼーション用にそういう音響を開発しとったが、それの副産物か」
アーデルハイトはかき氷を食べる手を止め、うんうんと納得したようだ。
「いつの間にそんなものが採用されてたんですぅ……」
頭を摩りながらエリザベートはミーミルの話を聞くために顔をあげる。
「最近、電子空間でごたごたがあった時にデータが入れ替わっちゃったみたいですよ?」
その一言で、エリザベートは動きをピタリと止める。
「おう、やはり貴様ですかぁ」
「ふへ?」
背後に殺意のオーラを醸し出すエリザベートと呑気にカキ氷を貪る魔王。
この後、一方的な説教が始まるのは誰が見ても明白だ。
「ふふっ、無事解決できてよかったです」
そんな2人をさておき、ミーミルは無事に事件が解決できたことが嬉しいのか、1人微笑んでいた。
ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございます。
蘭鈴六(らん すずろく)です。
猫に埋もれた魔法学校、如何でしたでしょうか。
アクション自体は事件を解決するのと、猫と戯れるので丁度半々ぐらいだったかと思います。
一部、悲劇が生まれてしまいましたが事件は見事解決しました。
私自身ほのぼのとした話を書かせて頂き、心が温まる中に爆発させたくもなるようなアクションもいくつかありました。
ですが、平和な日常におけるちょっとした事件という話をここまで楽しく書けたのは皆様のおかげです。
ご参加頂き本当に感謝しております。
今後も参加いただけると幸いです。