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第6章 ティータイムの休息

「ミニミニちゃんもミーミちゃんもおとなしくするっていってるからじゆうにさせてあげてくださいです」
「うーん・・・まだ言って聞く子たちじゃありませんから、ケースから出すのはちょっと・・・・・・」
 自由にさせてあげてほしいと言うヴァーナーに、オメガは首を左右に振りケースからまだ出せないと言葉を返す。
「むぅ・・・そうですか・・・・・・そういうことなら仕方ないですね。あっ、オメガちゃんにお土産があるんです!」
「あら、何ですの?」
「紅茶ですよ、よかったら飲んでみてください。故郷のデンマーク王室御用達の女王のブレンドです♪」
 校舎の入った缶を開けてみると、烏龍茶葉に軽くアールグレイとレモンのいい香りがした。
「皆さんお疲れのようですし、お茶にしましょうか?」
「たしかキッチンがあったはず・・・そこでお湯を沸かしてこよう」
 綾香が紅茶用にお湯を沸かしにキッチンへ向かった。
「お嬢様は“お熱いのがお好き”でしたか?」
 望もお茶を入れようと、ノートに好みの温度を聞く。
「紅茶はホットが好みだけど、何を今更?」
 眉を潜めて彼女はフゥとため息をついた。
「いい香の紅茶だね」
 ヴァーナーが持ってきた紅茶の香にレキも飲みたそうな顔をする。
「皆さんと飲みたいのだけど、いいかしら?」
「いいですよ♪」
 もらった紅茶を生徒たちと飲みたいと言うオメガに、ヴァーナーは笑顔で言葉を返した。
「可愛いポットだな。これ使っていいか?」
「えぇどうぞ」
 紅茶の入った猫柄のポットにコポコポと綾香がお湯を注ぐ。
「美味しいですわ」
「本当ですかー?嬉しいです♪」
 美味しそうに飲む彼女に、紅茶をプレゼントした少女は嬉しそうな顔をする。
「(せめてふぅーふぅーしてくれないかな・・・)」
 オメガが紅茶を冷まして飲ませてくれないかと、フェリックスが横目でじーっと見つめる。
「はふぅはふぅ・・・んぐっ・・・・・・美味しいーっ」
 フーフーと息をかけて冷まし、レキが紅茶を飲み干す。
「オレたちを呼べば良いじゃないか・・・って言うか呼んでくれ」
 武尊はお茶を飲みながらオメガに声をかける。
「呼んでよろしいんですの?」
「あぁいいぜ!」
 遠慮するなという武尊に、魔女はニコッと微笑む。
「―・・・オメガ・・・新しいのでもいいのだが、ミニたいふう一匹譲ってもらえないか?」
 ミニたいふうを譲ってほしいという蒼也に、オメガは首をフルフルと左右に振る。
「うーん・・・とても扱いが難しい子たちですし、偶然できただけなので・・・。それに・・・いろんなところに被害が出てしまうかもしれないのでちょっと・・・・・・」
「そうか・・・・・・じゃあ生物部員が見学に来てもいいか?」
「ケースの外から見たり話しかけたりするくらいならいいですわ」
 譲ってもらえなかったのは残念だったが、なんとか見学の許可をもらえた。
「ミニミニちゃんとミーミちゃん、早くケースから出してもらえるといいですね」
 ファイリアはケースに入っているミニたいふうを見ながら言う。
「いつまでも狭いところに閉じ込められているのがいやなんだろうけど・・・屋敷の中を暴れたり凶暴化すると厄介だからね」
 ミーミのケースをつんとつっつきウィノナが呟く。
「いいですか?オメガちゃんの言うことを聞いて、お屋敷の中で暴れちゃいけませんよ?」
 子供を叱りつけるように言うファイリアに対して、まだ理解できないミニたいふうたちは笑いながらクルクルと回っているだけだった。
「お部屋とかがめちゃくちゃになるとオメガちゃんが悲しんじゃうんですよ!」
「怒られているんですからミーミちゃんたち、お話ちゃんと聞くんです!いたずらしたらメッなんですよ!」
「だって飛び回ると楽しいんだもん♪」
 ファイリアとひなが言い聞かせようとしても、まったく反省しようとしない。
「そうかしつけが必要なんだな。オメガたちが優しく言うだけで、手を出さないから分からないようだからな?」
「うぁあん、おしおきやだぁっ」
 眉を吊り上げて睨むイリーナに、ミニたいふうたちはシューンとする。
「わかればよろしい・・・」
 わがままな台風を叱りつけて説得させ紅茶を一口飲む彼女に、ひなたちは尊敬の眼差しを向けた。



「オメガさん、私たちとも友達になってくれませんかー?」
「えぇもちろんですわ」
 ひなと緋音は嬉しそうに顔を見合わせ、そっと手を出しオメガと握手をする。
「あのー・・・オメガさんさえよろしければまた遊びに来てもいいですか?」
 遠慮がちに言う緋音に、彼女はこくりと笑顔で頷く。
 帰り際にルイとリアも握手を求めて片手を差し出す。
「今日は本当に助かりましたわ」
「会話しに屋敷へ来てもいいですか?」
「来ていただけると嬉しいですわ」
「ではまた来ますね!」
 ルイたちとも握手をし、再会の約束をして片手を振る。
「定期的に屋敷に遊びに来てもいいですか?」
 他の生徒たちが帰っていく中、遙遠がオメガに遊び来てもいいか聞いてみた。
「ぜひいらしてください」
「今度は暖かい鍋パーティーでもしましょうか」
「楽しそうですわね。ではまた今度」
 クスッと笑い遙遠にも軽く手を振った。
 小さな台風の大騒動は生徒たちによって無事に解決された。

担当マスターより

▼担当マスター

按条境一

▼マスターコメント

無事ミニたいふうを捕獲できましたね。
新しいお友達が沢山できてオメガさんも喜んでいます。
落雷で若干ヘアースタイルが変わってしまった方もいますが、洗えば元に戻るでしょう。
犠牲になってしまった方・・・コメディーなので、かすり傷程度だと思います。

一部の方に称号をお送りさせていただきました。
それではまた次回、別のシナリオでお会いできる日を楽しみにお待ちしております。