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【十二の星の華】空の果て、黄金の血(第2回/全2回)

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【十二の星の華】空の果て、黄金の血(第2回/全2回)
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「私は自我を取り戻すと、シャムシェルに自爆させられるようになっています。…だから近寄らないで下さい。あなたたちを傷つけたくはありません…これがティセラのクローンとしての誇りですわ」
 そういうとティセラはバルコニーから身を投げると、空中で大きな爆発が起こり、ティセラ・クローンの肉体は四散してしまう。
「ひっ…」
 祥子もリカインも余りのことに言葉が出ない。
「なんてことをするんだ、シャムシェル…!!」
 恭司も顔が真っ青になっている。
「…許せん。許せぬぞ、シャムシェル! 鏖殺寺院!!」
 朔は怒りを新たにした。

 月夜の悪い勘は当たってしまった、そう言わざるをえないだろう。
 
 

☆   ☆   ☆   ☆   ☆    ☆   ☆   ☆   ☆   ☆



 場所はかわって、『王座の間』に戻る。
 霧島 玖朔(きりしま・くざく)は、アンジェラ隊対策に装備を再編成した。二匹のペット、お化けキノコとスライムを従え、アンジェラ部隊に近づくと、強化型光条兵器で交戦を開始する。
 敵の注目を自分に集めるべく挑発しながら派手に立ち回る。
「かかってこいや〜!」
 と言いながら、睡眠作用のあるお化けキノコの胞子を散布し、スライムを放ってアンジェラを拘束する。
「くっ」
「おっと暴れないでくれよ」
 玖朔は適者生存を用い、アンジェラを脱力させる。
 また、『誘惑』として、かぷり、とアンジェラの首元にキスマークをつけた。
「どうだ、少しは見直してくれたかい」
「…ふっ。いいわね。でも、スキルを使わないで、あなた自身の魅力で私を落としてくれれば良かったのに…ふふ…」
「じゃあ、次もあるって思っていいのか?」
「状況次第ね」
 首元を押さえながらも、強がってみせるアンジェラだった。
 アストライト・グロリアフル(あすとらいと・ぐろりあふる)はアンジェラたちに説得を試みる。
「俺は、アストライト・グロリアフル。…あんたたち、傭兵部隊なんだってな。こんな所で死ぬには勿体無い綺麗なお姉様方じゃないか。どうだい、一緒に逃げないか? それに連絡先も教えて貰えると嬉しいぜ」
 コンスタンツァらが攻撃しようとするのを止めるアンジェラ。
 ネル・マイヤーズ(ねる・まいやーず)は、アンジェラ隊に接触する際、できるだけ無傷であるよう、気を遣いながらも、ソードブレイカーや各種の歌でアンジェラ隊の無力化を試みると、アンジェラ隊も力が抜けていくのを感じ、ゆらゆらと立っているしかなかった。
 斎藤 邦彦(さいとう・くにひこ)はアンジェラに
「アンジェラ、一騎討ちを申し込みたい。あなたほどの女だ、羽根 季保との一件もあるだろうから、是非受けて欲しい」
「悪くないわね…」
 そのまま、アンジェラは邦彦に鞭を振るって一発あて、距離を詰めるとそのまま邦彦を押し倒してしまう。
 立会人の役目をしていたネルは驚く。
「邦彦!」
「くっ」
「ふふっ大丈夫よ、そこのお嬢さん。私も引き時を丁度伺っていたの。…さて、邦彦さん、私たちが引く代わりに何を貰えるのかしら?」
「…相場より多めの報酬を、御神楽環菜校長から引きだすよう、交渉する」
「なかなかいいわね。あの御神楽環菜のことだから、財力は安心出来るわ。いいわ。交渉成立」
 邦彦を押し倒して、馬乗りになった状態で邦彦の両手を抑え込んでいたアンジェラはニヤリ、と笑うと上から被さって、最後に邦彦の唇にディープキスをする。
「…おいおい、何を」
 目を白黒させる邦彦に
「これで、季保に自慢できるわ」
 アンジェラは笑う。
 そこに周は駆けつけてくると、アンジェラに
「格納庫の奴らと話はつけてあるんだ! 飛行艇は用意してある! マッピングはしてあるが、あんたら、詳しいんだろ? 誘導してくれ!」
 と言う。
「急な申し出をしてくる可愛いボクちゃんね。いいわ、もうここも駄目でしょう…コンスタンツァ、先頭を進んで。私は最後に行く」
「私もだ」
「俺も」
 邦彦や、玖朔と周、アストライトも声を上げる。
「ワタシもよ。…それにしても、邦彦、『羽根 季保』って誰?」
 ネルの質問に邦彦はそっと視線を外す。
「…」
「なんで無言なの?」

 元ネッリ隊とダンツオ隊は浮遊島に残るものがほとんどだった。
「あれがケセアレ様のカリスマ性よ」
 と呟くアンジェラ。


 玖朔と周のアストライトの三人でアンジェラを守りつつ、撤退を始める。最後尾は邦彦とネル。
「まてよ、この三人ってアンジェラ姐さんにおいたされた三人だよな…」
「もっとされたい?」
 アンジェラの言葉に
「はいはい!」
 と言う周だが、さすがに場をわきまえ、