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オオカミさんにご用心

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オオカミさんにご用心
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リアクション

 深夜。
 リブロたちに構うのに飽きて、1人露天風呂を堪能した紫水 蝶子(しすい・ちょうこ)
 浴衣に着替えるとのれんをくぐり、外へ出る。
「よ、よぉ……プールでは世話になったな」
 そこでばったり出会ったのは弥涼 総司(いすず・そうじ)だった。
 温泉に入っていたため、蝶子の顔は上気しており、艶っぽい。
「あら、別に何もしてないわよ? むしろされただけだし」
「いや、何か礼をさせてくれ」
「そう? ならお礼されちゃおうかしら」
 総司が案内したのは旅館の中にある寂れたゲームコーナー。
 クレーンゲームの前で止まると、蝶子へと向き直った。
「何か欲しいものはないか?」
「そうねぇ……じゃあ、あのアイスタイガーのぬいぐるみ」
「よしきた!」
 総司はコインを入れると、横へと移動して奥行を確かめながらスティックを傾ける。
 その目が見ているのはアイスタイガーのぬいぐるみ……ではなく身を乗り出してクレーンの行方を見ている蝶子の谷間。
 奥行の操作が終わった瞬間、クレーンゲームのガラスがと下がった。
 そして、クレーンはぬいぐるみではなく蝶子へと向かってきた。
(昨日のうちに仕掛けておいて良かった!)
「いけっ! さくらんぼキャッチャー2号機!」
 総司は自分が持っていたさくらんぼキャッチャーをクレーンゲームのクレーンと入れ替え、ボタンを押すとガラスが下がるように仕組んでおいたのだ。
「いや〜ん」
 蝶子はあまりにも至近距離からの攻撃だったため、避けることが出来ず、キャッチャーに浴衣の上からさくらんぼを掴まれてしまった。
 ヒプノシスを急いで発動させ、蝶子を眠らせると懐から麻縄を取り出し、蝶子をマニアックな縛り方で縛り上げてしまう。
「そういえば……」
 総司が浴衣のすそから取り出したのは、昼間広場で拾ったどぎ☆マギノコ。
「いや、これはフェアじゃねぇよな。こんなものは使わずにテクで落とすのが男だろ」
 総司は自分の部屋に蝶子をお持ち帰りすると、蝶子の太ももや胸にエステ用ローションを垂らした。


 翌日。
 結局、最後まではやらずに手と視線だけで落とした総司は、まだ眠っていた。
 その隣ではもう目を覚ました蝶子が総司の顔を覗き込んでいた。
「ふふ……面白そうだから、総司さんを……弟より上の手下にして、あ・げ・る♪」
 蝶子はにっこりとほほ笑むと総司の鼻を軽くつまむのだった。