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リアクション
しかし、一難去ってまた一難の刀真のチーム。
ロザリンドと円の不穏な話が聴こえてくる。
「あれっ、それ林檎? 鍋に入れるの? フランス人だから文化がちがうのかな?」
「そうだね! 入れちゃおっか!」
「待ってください!! これは……このたれに混ぜましょう!?」
まるごと林檎を入れようとするロザリンドと円を慌てて淳二が止めに入り、林檎をすってたれに混ぜた。
「するだけじゃあまし消費出来ないでしょー? いちごもあることだし、チョコフォンデュにしようよ」
「ナイスアイデア! じゃ、この小さい鍋にチョコを溶かして……」
アルコリアのアイデアを引き受け、紅鵡と歩の二人でチョコフォンデュを作り始める。
「さて、もうひとつの鍋は俺達で作りましょうか?」
「否、俺は調理中に食材を奪いにくる者がいないか見張っておくさ。だから、料理は任せた」
「そうですか。よろしくお願いします」
「了解ですぅ」
輪廻は一か所にまとめておいた食材の見張りに徹する。
刀真と日奈々で手際よく鍋を作っていく。
一方、手際良く調理を進めているのは小次郎。
アンコウに水をたっぷり飲ませて吊るしていと、房姫が寄ってくる。
「もし。今は何をしているのですか?」
「これは水が重し代わりになるので、吊っているアンコウが安定するんですよ。それに内臓まで傷をつけずにさばくことができるんです」
話しながら小次郎は卵巣、水袋、エラ、尾、身、皮、肝それぞれに手際よくさばいていく。
肝は筋、血管を除いて小さく切って水につけて血抜きをし、塩、酒を振って馴染ませ、アルミホイルで巻いて20分程蒸してアン肝を完成させる。
残った他は一口大に切って一度湯通しをした。
「あとは出汁を作って、と」
鍋に昆布、鰹節の出汁に酒、醤油で下味をつけた汁を作り、そこへ具を入れていく。
途中で味噌を溶き入れると小次郎のアンコウ鍋は完成した。
アンコウ鍋が完成に向かう頃、未だカエル肉をどう料理しようか悩んでいた舞。クロセルたちと一緒に鍋を作らせてほしいと頼んでいた。
「ねぇ。これ、カエルのお肉なんだけど一緒に入れてもらえないかしら?」
「良いですよ! さっさとこの鍋に入れるのです」
「え? 大丈夫なの入れても?」
クロセルの言葉通り、舞がカエル肉をそのまま入れようとした所、ミーナが焦って止めに入る。
「ちょっと、なに入れようとしてるのさ!?」
「私が引いた最高級のカエル肉よ。蛋白で美味しいの」
「えー、漁師鍋にしよと思ってたのにー。それに丸ごと入れないの!」
「うるさいですよ! ここでは鍋奉行が一番偉いのです!」
「そっちこそうるさい! 料理してない人に言われたくないもん!!」
ミーナとクロセルが口論していると、隣から甘い匂いが……。
「う……この、甘い…香りは」
口論の決着がつく前にぱったり倒れるクロセル。
香りの出先は、荒神と夜月が作っているお菓子鍋であった。
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