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立ち上がれ、僕らのヒーロー!!

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立ち上がれ、僕らのヒーロー!!

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第六章 全ての任務完了!!

 賑やかなヒーローショーが終わり、舞台裏ではみんな元の姿に戻って無事を満喫していた。

「お疲れ様です。何かお礼をしたいのですが」
 波穂は、助けてくれた礼をしたくてエヴァルトに言葉をかけた。
「そんなものいらない。困っている時はお互い様だ」
 エヴァルトは思わず気持ちと正反対のことを口にしてしまった。
「そうよ。ヒーローになれて楽しかったよ」
 さゆみも同じように言い、満足顔をしていた。
「お疲れ様ですわ」
 アデリーヌがヒーローをした二人を労いにやって来た。

「お疲れ〜、みんな。最高のショーだったよ。写真映えも最高!!」
 観客席で見守っていた沙織が全ヒーローと一緒に撮った集合写真をひらひらさせながら労いにやって来た。
「まさか、写真を撮りに来るとは思わなかったぞ」
 某は事情を知る沙織が撮影会に来るとは思わなかったことを言った。当然、撮影時はみんな観客の一人として沙織を扱った。
「最高に満足だぜ! レオング将軍と戦えたし」
 康之は戦いを何度も思い出しては嬉しそうにする。
「本当だよね〜。ね?」
「そうだな。無事にデパート内の怪人も対峙できたし、たくさんの子供達の笑顔を見られて満足だぜ」
 ティアは康之に言葉に頷き、巽はデパート内での激しい戦いや自分を憧れの目で見る少年のことを思い出していた。

「お疲れ様、カンナ。みんな喜んでいたよ」
 ローズは精一杯ショーを音楽で盛り上げたカンナを労った。
「……ありがとう」
 労いに礼を言うカンナの表情は疲れだけではなく、ショーをやり切ったという達成感もあった。ローズはその様子に少しばかりほっとしていた。

「……何とか修理も完了した」
 ダリルは改めてプロジェクターを確認した。作動の確認は、観客が帰った後すぐにモジャルを消す時にしたので正常に動くことは知っているが、念のためである。
「ありがとうございます。本当に迷惑をかけてしまって」
 トゥルスが丁寧に頭を下げて礼を言った。
「気にしない気にしない。ルカ達、とっても楽しかったし」
 ルカルカは明るく言った。確かに大変だったが何気に楽しかったりもした。

「……俺達が余計なことをしたせいで本当にすみません」
「……悪かった」
 双子は同時にみんなに頭を下げた。
「いや、こっちにも問題があったし」
 トゥルスは気にしていないように言い、双子を責めなかった。プロジェクターが暴走したのは双子のせいだが、それ以前の問題が自分達にはあったから。

「秘密結社が登場したり、すげぇことになったよな」
 ウォーレンは、いきなり舞台が爆撃されたことを思い出していた。
「本当にね」
 リーシャも頷き、二人はプロジェクターと観客が無事だったことに改めて安心した。
「みんなが無事で何よりニャ」
 娘子も二人と同じように安心し、ショーに満足していた。
「観客にショーと思って貰えたことが何よりだ」
 マグナは、観客に疑われずに最後までショーをやり遂げたことに安心していた。
「そうそう、子供達もたくさん楽しんでくれたし」
 春美はヒーローのピンチや反撃や勝利に様々な表情に変わる子供達のことを思い出して笑った。
「それが一番じゃ。誰か来るようじゃ」
 ルファンは春美の言葉に頷いた後、舞台裏に誰かが来ることに気付いた。

 現れたのは三人。
「あぁ、もう嫌になるわ。こんなに可愛いのに落とすなんて信じらんない」
 不満げに髪をいじる魔女の女性。
「すごい美味しいお店を見つけたよ」
 両手にたくさんの食べ物を持ち、口をもごもごさせている守護天使の女性。
「大丈夫だったか。座長を家に送るのに道が予想外に混雑していて遅くなってしまった。携帯も壊れてて連絡が出来なかった」
 心配顔の地球人の男性。

「ヴァルハちゃんにエラナちゃん。何で今来るのよ! 大変だったのよ」
「ビィースさん」
 気付いた波穂とトゥルスは驚きながら三人を迎えた。

「何かあったの?」
 賑わっている舞台裏の様子にエラナは呑気に訊ねた。
「あぁ、もう……」
 エラナの様子に苛立って言葉が出ない波穂に代わってルファンが説明を始めた。

「プロジェクターが暴走して何倍も強敵になった怪人が溢れ出してのう。その退治とショーを成功させるためにわしらは来たんじゃ」

「そんなことがあったの〜。うわぁ、大変だったね」
「うぅ、ごめんなさい。でも美味しい匂いに勝てなくて……」
「そんなことが」
 エラナは他人事のように言い、ヴァルハは申し訳なさそうに言うも両手の食べ物を口に放り込んだ。まともな反応をしたのはビィースだけだった。真っ青な顔をしていた。なぜなら彼は一座の副座長なのだ。