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リアクション
競技の後の交流会
ニケ・グラウコーピス(にけ・ぐらうこーぴす)は準備していたスポーツ飲料や紅茶コーヒー、軽食や菓子等を並べて懇親会を開いた。
あちらこちらで在校生と新入生の交流会が始まる。
「ずぶぬれになった人はこれを来てね!」
佳奈子はずぶぬれになった参加者たちに、大量に余っていたろくりんピックユニフォームを渡していく。
「くそっ負けちまった」
「仕方ないでしょ。パートナー経験の差があるんだもの」
悔しがっているキロスの所に大吾がやってくる。
「競技では負けちまったがなかなか楽しかっただろ?」
「まぁ、それなりにな」
「勝負することしかできなかったから、挨拶がまだだったな……ようこそ、蒼空学園へ!」
爽やかに笑いキロスと香菜を向かい入れる大吾。そこへ今まで一緒に戦っていた淵とルカルカがやってきた。
「お疲れさま!」
「勝負には敗北したが、校長の帰還までは校長代理補佐心得でも俺たちが教えてやろうか?」
いい笑顔でそう言う淵に、キロスはすぐさま喰らいつく。
「ここで校長として生徒に認めさせれば後々校長を乗っ取ることが出来そうだな。やってやるよ!」
それを受けたルカルカと淵は見えないところでガッツポーズをとる。
それを離れた場所で見たニケはこちらにやってくる。
「校長代理補佐心得、引き受けてくれたんだね」
「そうよ」
「で。なにからやればいいんだ?」
なんでもやってやると意気込むキロスにニケは、まずは今回使った水鉄砲の点検を言い渡す。
「はぁ? こんなん、校長がやるのか?」
「そうよ。万が一不備があって生徒に怪我をさせたら大変でしょ?」
「行ってこい」
三人にそう言われ、しぶしぶ水鉄砲の点検をしにいくキロス。
点検が終わったキロスに次に言い渡したのはろくりんピックユニフォームの配布の手伝い。
言われたとおりにやっているキロス。そこへ一輝がやってくる。
「あん? お前もなんか用なのか?」
「用と言う程ではない。ただ、何も言わず握手を交わしてくれないか?」
すっと差し出される一輝の右手。
「お、おう……」
キロスと一輝がしっかり手を握り合っていると、淵やニケ、理子にいろいろな雑用に呼ばれてしまう。
握っていた手を離し、キロスは声がした方に叫ぶ。
「わぁったよ! すぐ行ってやらぁ!!」
それだけ言ってキロスは呼ばれた方へ走って行った。
「これでわだかまりは少しでもなくなった、かな?」
晴れ晴れとした気分で走って行った方を見る一輝。
「遅いぞ!」
「涼司ならもっと早くここにきてるハズよ」
「うるせぇ! もう一回聞くが、本当に、これは校長がやるものなんだろうな?」
「そうよ。でもね……」
じらすような素振りを見せる理子。
「なんだよ。はっきり言えって」
「じゃあ言うけど、どれも校長のやる事だし、涼司はこの三倍はするわよ」
それを聞いて引くキロス。
「じゃ、次の業務だけど……」
理子がどんな雑用を押し付けようと考えていると、キロスは逃げ出した。
「こんな雑用ばっかやってられっかー!」
「でも、校長になりたいんでしょ? ならなくて良いの?」
「今は校長なんてやらん!」
様々な雑用を押し付けられ、嫌気がさしたキロスは、こうして校長乗っ取り計画が若干、なくなった。かもしれない……。
◇ ◇ ◇
出張から帰って来た
山葉 涼司(やまは・りょうじ)。
「お帰りなさい、涼司くん」
「涼司お兄ちゃんがいない時に新歓騎馬戦があったんだよ〜」
「へぇ。なにか面白い事でも起きたのか?」
加夜とノアはキロスと理子の校長の座をかけた戦いを詳しく話して見せた。
「そんなことがあったのか」
「ですが、キロスさんは校長先生の忙しさや大変さを分かってない気がするんです……」
「でもでも、ちゃんとボクたち守ったよ!」
褒めて褒めてといった風に見てくるノアに、涼司はノアの頭をぐしゃぐしゃにかきまわした。
「よく守ってくれたな。偉いぞ」
「えへへ〜」
「ほら、加夜も」
ノアと同じように撫でてもらう加夜はどこか恥ずかしそうにしている。
「キロスとかいう奴、一度会って話をしてみないとな」
涼司はいろいろ思案しつつ、ひとまず校長の座を守ってくれた加夜を始めとしたリコっちチームに感謝したのだった。
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担当マスターより
▼担当マスター
冬神雪羅
▼マスターコメント
初めまして、冬神雪羅です。
今回は騎馬戦をモチーフにした話しでしたが楽しかったでしょうか?
戦い方や乗り物もそうですが、このシナリオがきっかけで他の方々と交流のもとになってくれればいいなと思いながら執筆していました。
(絡めていたかは別ですけれども……)
このシナリオではキロスが校長になる事は出来ませんでしたが、野望高い彼ですからきっとまた違った場所で別の方法で上に立とうとするかもしれませんね。(笑)
それでは、またの機会がありましたら参加してくださると嬉しい限りです。