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作ろう! 「次代劇」!?

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第三章 わりと普通に会議は進む

 その一方で、企画会議も順調に(?)進められていた。

「時代劇が衰退しているということは、その中で活躍する侍の権威が落ちてきていると言うことではないでしょうか」
 そう熱く語っているのはマホロバ出身の侍にして、マホロバの大奥・大台所の樹龍院 白姫(きりゅうりん・しろひめ)のパートナーである隠代 銀澄(おぬしろ・ぎすみ)
 彼女にしてみれば、マホロバとそっくりな舞台設定の時代劇の衰退はある意味他人事ではない。
「ここは既存の時代劇の枠を超えてパラミタの住人が協力し、広く世に侍の存在意義を伝える活劇を作るべきでしょう」
 熱弁する銀澄に、常春も大きく頷いた。
「そうだな、そのくらいの意気でやらなきゃ面白くねェしうまくもいかねェ……で、具体的にはどうしたらいいと思う?」
 ここで、今度は夜刀神 甚五郎(やとがみ・じんごろう)が案を出す。
「今だけでなく、過去にも地球とパラミタがつながったことがあると聞く。
 だとしたら、『江戸時代にもそうだった』という設定にしてみるのはどうだろうか」
「それなら、いっそマホロバとつながった設定にしちゃうのはどう?」
 そこに乗っかったのは小鳥遊 美羽(たかなし・みわ)
「マホロバと江戸なら、そんなに大きなカルチャーショックはないと思うし。
 時代劇の雰囲気を守りながら、パラミタらしさを加えられるんじゃない?」
「同感です。やはりパラミタで時代劇に向くとなれば、マホロバの他にないでしょう」
 銀澄もそれに賛同し、身を乗り出してこう続けた。
「平和な日本では考えられないような真剣勝負の殺陣で迫力ある戦いを見せ、侍の武を世に知らしめるべきです!」
「そうだな。スキルも死なない程度に使用OKとして取り入れてみたら、さらに迫力が出せるのではないだろうか」
「賛成します。殺し合いをするわけではありませんが、スキルや真剣を用いることこそ、過去の時代劇にはできなかったことであると考えます」
 微妙に提案の方向性が一致している銀澄と甚五郎。
 そこへ、美羽がこんな提案を出してきた。
「そこで、やっぱりロケ地にはマホロバ……が理想的なのかもしれないけど、ちょっとマホロバは遠いし。空京からの行き来もしやすい葦原島でロケをするのはどう?」
「なるほど、そいつァ名案かもしれねェな。どう思う?」
 納得したように頷いてから、葦原明倫館に在学中の銀澄に話を振る常春。
「そうですね……場所さえ選べば、この上ない適地であると思います」
 銀澄が「条件つきで」賛成した理由は……まあ、後ほど明らかになるので、ここでは伏せておく。