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リアクション
プロローグ
空京中央公園入口。
JJことジャングル・ジャンボヘッド(じゃんぐる・じゃんぼへっど)は毛深い両腕を広げ、地球からはるばるやってきた中学生たちを迎え入れていた。
「ようこそパラミタへ! 僕は今回のプロジェクトを担当させていただいたジャングル・ジャンボヘッドといいます。以後お見知りおきを」
JJは礼儀正しく頭を下げる。
中学生たちは口々に「ゴリラだ……」「ゴリラが喋ってお辞儀した……」と小さい声で囁きあっているがJJはそんなことは気にせず話を続ける。
「現在、この空京中央公園には地球では見られない珍しい動物が多数手配されております。どうぞ沢山ご覧ください!」
そう言ってJJは入口から身体をどかすと、中学生たちはわいわい言いながら公園の中に入っていく。
JJはそんな中学生たちを優しい微笑みで見送った。
一章 注意事項の多い動物園
「はいはーい! よい子のみんなこんにちは〜! 今回案内係拳マスコットガールを務めている次百 姫星(つぐもも・きらら)といいます!」
姫星はニッコリと笑顔を向けるが、合成獣を見た事のない中学生たちは皆、目を丸くしたり珍しそうに写真を撮り始める。
「みなさ〜ん! 今からここでの注意事項を言っておきますからよく聞いてくださいね〜」
大声を出して説明を呼びかける姫星に対して、中学生たちは喋るのを止めて姫星の話に耳を傾ける。
姫星はコホンと咳払いをしてから、どこからかマイクを取り出して説明を始めた。
「え〜みなさん改めまして、パラミタアニマルパークにようこそ! ここ、パラミタアニマルパークにはパラミタの動物たちが一堂に集結しています。可愛いものから恐ろしいものまで、どれも地球上ではお目にかかれない珍しいものばかりですよ! 今日はこの機会に思う存分楽しんでくださいね! なにか質問はありますか〜?」
姫星が質問を受け付けると、生徒の一人から「注意事項はありますか?」と質問が飛んできた。
「ああ! 忘れるところでした! 危ないので許可無くエサをあげたり、オリに手を入れないでくださいね? 可愛い姿をしてても、すごい怪力の動物もいますから。……可愛いからって油断してると!」
姫星は握り締めていたマイクに力をこめて一気に握り潰した。
「……こうなりかねないので絶対にやめてくださいね? それではパラミタアニマルパークを楽しんでいってください!」
中学生たちは説明が終わるのと同時に、何人かのグループに分かれて公園の中に入っていった。
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