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リアクション
「……それで、俺に何が聞きたいのだ?」
部屋に入ったところでナナシが切り出す。
「そうね。あなたが探しているものについて、かしら。詳しくは聞かなかったけれど、何か探しているのでしょう? だから、不自然にきょろきょろしていたんじゃないかしら」
「それを聞いてどうする?」
「もう、ナナシってば、そんな警戒しなくても……」
「話の内容次第ですけれど、協力できるかも知れません」
秋穂の言葉を聞いて頷くナナシ。
「そうか。なら、話そう」
「渋る必要はあったの……?」
「協力すると言っているのだから別に渋る必要もないだろう?」
「まぁそうだけど……」
「というわけで話そう。俺の探しているのは『C』。そして、『C』の台頭を阻止するため、その祖を始末すること。俺はそのためにこの時代に送られてきた」
「送られてきたというのは……」
「未来から来たらしいです。そして、それには未来のあたしが関わっているらしくて、あたしの下に現れたそうです」
「なるほど、それでせつなといるわけね。その『C』について詳しく聞かせてもらえる?」
「未来の世界において、圧倒的な力を持つ新人類。それを『C』と呼んでいる。その力を持ってニルヴァーナ大陸を支配した。俺のいた時代では、手がつけられないほどの存在になっている」
「それで、祖の始末ということか。とても信じられる話ではないが……。茉莉はどう考える?」
レオナルドの言葉に少し考える茉莉。
「その、話信じるわ」
「……本気か?」
「今はまだ一応という形ね。そちらはどう?」
茉莉が静かに聞いていた秋穂に話をふる。
「突飛な話ですが……。僕は信じます。ナナシさん、お話してくださってありがとうございます。微力ながら極力させていただきます」
「秋穂ちゃんが協力するならユメミも協力するー!」
「そういうことなら私も協力するわ」
「そうか、すまない」
「ナナシ、こちらも協力はするけれど、少し条件があるわ」
「なんだ?」
茉莉の言葉に首を傾げるナナシ。
「『C』についての話は信じるし、その行動について妨害しないことを約束するわ。ただし、誰かを害する行動をすれば直ちに拘束。そして、天学は無関係にすること」
「天御柱の関係者が問題を起こしたとなれば国際問題にもなりかねないからな。そんな問題を起こすわけにもいかない。理解してほしい」
「協力してもらえるならば別に構わない」
「なら決まりね」
「その前に一つ聞きたいことがあるが構わないか?」
ダミアンが手を上げる
「未来がどうであれ、それは今を生きる人を害す行為。キミは将来、犯罪者になるからと赤子を殺すのか?」
「やることは成すまでだ。そのために俺は来たのだから」
考える間もなく即答する、ナナシ。
「……そうか、ならば言うことはない」
「他にはないな?」
「大丈夫です。まずは、情報を集めることからですか?」
「みんなとお話して気になることがあったらナナシに報告すれば良いんだね? ユメミに任せてよ!」
「せっかく様々な学校の生徒がいるんだもの、この機会に交流するのも良いわね」
「現在、『C』の疑いがあるのは、トーマス・ハミルトン、ケビン・サザーランド、パトリシア・ブルームフィールド、サーシャとミーシャ姉弟、そして西枝レイだ。もし、何か有力な情報が手に入ったら教えてほしい」
「任せて!」
「了解よ」
「分かりました」
「せつな、もしナナシが何か問題を起こしたら即拘束するように」
「はい。分かりました」
「それじゃあ、みんなとお話してくるねー!」
「迷惑はかけないようにね」
「はーい!」
「では、こちらも見回りを再開しましょ」
「了解です」
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