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第三章 救出に行く者達

「俺の名はフォグホーン、見ての通り獣人だ」
 同時に異なる依頼が来ていた事について疑問に思い村を訪れていた源 鉄心(みなもと・てっしん)オルフェリア・アリス(おるふぇりあ・ありす)葛城 吹雪(かつらぎ・ふぶき)は、森に入る準備をしていた獣人……フォグホーンの元を訪ねていた。
「少し前から今後の村について村長とその息子が揉めていてな、共存派と開発派に分かれてしまったんだ……」
フォグホーンは、現在の村の状況と依頼について、そして村長が暗殺されそうになっている事を話した。
「鉄心、この人は嘘ついてないです。さっきの人は、嘘ばっかりで嫌な感じだったので 依頼お断りしたんですけど……そういう事なら協力させて下さい」
「自分達も手伝うであります」
 ティー・ティー(てぃー・てぃー)が嘘感知でフォグホーンが嘘をついていない事を確認し、吹雪も同意した。
「お前達は余所者だ。危険かもしれない、それでも信用していいか?」
 フォグホーンが確認を取ると、イングラハム・カニンガム(いんぐらはむ・かにんがむ)が前に出て、
「我の目を見ろ、嘘をついているように見えるのか?」
 そう言う目は、ぎらぎら怪しく点灯していた。
「ふっ……そうだな、よろしく頼む」
「まずは、どうしますか……オルフェリア様、村長の息子を捕まえて詳しく話を聞きますか?」
「そうですね、フォグホーンさんの話が本当のようですし、お互いがもう少し冷静に話し合う場が必要だと思うのです。……ですが、このままでは話し合いどころではないので、とりあえず必要な暴力で軽くぼこって大人しくさせるのです」
 ミリオン・アインカノック(みりおん・あいんかのっく)の質問に嘘感知を使っていたオルフェリアは笑顔で答えた。
「程ほどにしてくれ、村長の息子も村の為にとやっている事だ……やり過ぎだが、な。よし、準備が出来た、行くとしよう」
「ワタシ達が護衛しますよ」
 準備が出来たフォグホーンの前に特戦隊を引き連れたコルセア・レキシントン(こるせあ・れきしんとん)、頷きながら両手にパンドラソードを持ったイングラハムが護衛を買って出た。
「先導は私に任せてください」
 妖精の領土や野生の勘を使っての先導をティーが買って出た。
ティーを護衛する様な形で鉄心が歩き出すと、皆、後に続いて森の奥へと進んで行った。