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【潜入任務】要塞へのスニーキングミッション

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【潜入任務】要塞へのスニーキングミッション

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 少し時は遡り、作戦開始前、拠点。
「それでは、これ。渡しておきます」
 そう言いながら、藤門 秀人(ふじかど・ひでと)サオリ・ナガオ(さおり・ながお)に【銃型HC】を手渡す。
「作戦開始後少ししたら、遠隔呪法により【●式神の術】を発動し、その【銃型HC】を式神化します。サオリ殿は要塞に潜入し、式神を偵察する場所付近の通気口などに放り込んで下さい。式神には通気口などを移動するように命じます。式神がカメラで撮影したものは、サオリ殿の【銃型HC】に送信されます。あとはどこかに隠れながら情報分析すればよいかと。私は式神を維持するため、ここに残ります。それでは、頑張ってください」

   ■

 時は戻り、要塞内部、兵器格納庫。
 無数のコンテナがある中に、一つ【格納庫行き】と書かれたダンボールがあった。
 中には、サオリと、柊 恭也(ひいらぎ・きょうや)の2人が隠れていた。
「ふむ。で、要塞に侵入したのはいいけど、見つかってしまったと」
 恭也は、目と鼻の先にいるサオリに話しかける。
「はい……、見つかってしまったので、式神を適当な通気口に放って逃げようとしていたら、予想外にはやく隔壁が降りて来たので驚いてしまって……。柊様がここに入れてくれなかったらどうなっていたか……。本当に、ありがとうございます」
「あぁ、うん。どういたしまして。で、どうする? 俺はこのまま古代兵器とやらを調査しに行こうと思うんだけど」
「そうですね……。HCを見る限り、まだ式神は無事のようですし、どこかに隠れて――」
 サオリが言い終わる前に、
『おい! さっきの侵入者の物と思われるHCが発見されたそうだ。見に行くぞ』
 という声が外で響き、どこかへ駆けて行く足音が響く。
「……式神、見つかっちゃったみたいだけど、大丈夫か? 逆探知とか……」
「あ、それについては大丈夫です。敵に発見されたらメモリを全消去するように指示しているので。それより、チャンスです。警備が薄いうちに古代兵器を調査しに行きましょう。わたくしも着いて行きます」

   ■

「む。漆黒の球体……まさかピースウォー……」
「ストップです。柊様。それ以上は色々と危険です」
 兵器格納庫深部、古代兵器格納庫。
 サオリと柊は、天貴に連絡をとり、格納庫のカメラ、警報機のシステムを全て落としてもらい、古代兵器を調べようとしていた。
 古代兵器は、直径20メートル程の巨大な、漆黒の球体。何か突起があるわけでもなく、完全な球体だった。球体は、天井から多数のワイヤーでつり下げられる形で固定されていた。
「敵が戻ってくる前にちゃっちゃと終わらせるか」
 そう言って恭也が兵器に触れようとした時、
「ちょっと、汚ない手で触らないでくれる?」
 と、2人の背後から声が響いた。
 サオリと恭也が振りむくと、白衣の女が立っていた。
 金髪金目に眼鏡をかけ、前髪をカチューシャで上げているロングヘアの女。
 梅琳たちの報告にあった、幹部かと思われる人物だった。
「うん? あァ、君たちアレか。さっき無能兵士共が騒いでた侵入者?」
 フラフラと近づきながら話す女に対し、恭也は言う。
「おまえは……なんだ? コレの研究でもしてるのか?」
「うん、そうだな。研究してる。んでもってコイツの管理、操縦者さ。でもさァ、まだコイツの力、試してねェんだわ。なんせこの兵器、操縦者に敵意がある者しか攻撃しねェ仕様みたいでよォ。兵士共で実験しようにも奴らは敵じゃァねェし。まだ誰もコイツが攻撃してるとこ見た事無かったんだけど」
 女は、不適に笑い、
「お前らはァ、【敵】だよなァ? 今、私を【敵】だと認識してるよなァ!? てことで、ちょっち試させてもらおうか、コイツの力をよォ!!」