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第7章 結果発表!

「それでは、お餅つきパフォーマンスの結果発表です!」
 参加者全ての餅つきが終わり、後片付けも済んだ。
 試食は済んだが、まだまだたくさんの餅料理が並べられた会場で、サニーが一際大きな声を張り上げた。
 その声に、参加者全員がごくりと固唾をのむ。
「優秀賞、エメリヤンさん・結和さんコンビ!」
「えっ、本当ですか?」
「ぁばんっ、ざい!」
 本人が一番信じられなさそうに頬に手を当てる結和と、素直に高らかに手を挙げるエメリヤン。
「そして最優秀賞、セレンフィリティさん・セレアナさんコンビ!」
「やったー!」
「やったじゃない、セレン!」
 こちらは手を取り合って喜びあう二人。
「更に、審査員特別賞に、翡翠さん・エースさんのお料理!」
「やりましたね」
「うん。君のおかげだよ」
 視線を交わす翡翠とエース。
 彼らのいるテーブルの前には、各種餅料理。
 それらがコースメニューとして並んでいた。
 翡翠の提案で、二人が作成した餅メニューだ。

 最初に軽くつまめる餅のピザ。
 洋風スープ風雑煮。
 シーフードがメインの雑煮。
 口直しにチョコ餅。
 ベーコンで巻いた焼餅。
 デザートに3色団子餅。

「……ほとんど雑煮だったけどね」
「それでも、皆さん喜んで食べて下さってます」
 翡翠の視線の先には、嬉しそうに餅ピザを頬張るサリー。
 そこに表彰から戻ってきたエメリヤンも加わり、口にソースがつくのも構わず二人並んで食べ始めた。
「そんなに慌てなくっても、沢山ありますよ」
 苦笑する翡翠。
 エースはその中の一皿をとって、歩き出す。
 喧騒から少し離れた所に立っている、メシエの元へ。
「どう?」
「ああ、いただくよ」
 エースの皿を一口食べ、メシエは微笑む。
「うん。よくできました」
 頭を撫でた。

「審査が終わってから改めて食べるお料理は格別ねー」
「はい。審査とは別に、どれも美味しいですね」
「うん。食費も浮くしね」
「そ、そんなつもりじゃないですよっ」
 結果発表を終え一息ついたサニーは、柚や三月と共に改めて餅料理を楽しんでいた。
「あ、このチョコ餅おいしいです。サニーさんは好きな物とかありますか?」
「私? うーん、チョコはもういいかな……」
 言葉を濁すサニー。
 彼女は去年のウェザーのイベントで、チョコには若干トラウマがあるのだ。
「でも大体何でも好きよ。ん、これ中にクリームが入ってる。意外に合うのねー」
「こっちのスープ雑煮もおいしいよ」
「沢山あって、食べきれないわね」
「そうだ、お客さんにも配ってみたらどうでしょう? 期間限定で、ウェザーで買い物をした人にお餅プレゼント、とか」
「わあ、それ素敵!」
 早速やってみなきゃとメモをとるサニー。
 そしてふと気づく。
「あ、そうだそうだ、もうひとつ特別賞があったんだ!」
 慌てた様子でマイクを取りに走る。
「皆さーん、聞いてください。もうひとつ特別賞の発表を忘れてました!」
 サニーの声に、周囲の注目が集まる。
「それは、なんだかんだでお餅を大量に作ってくれたハデスさん!」
「え……」×大勢
「ふ、フハハハハ! さすがは審査員! 見る目があるな!」
 ハデスの大笑いが聞こえるが、彼は会場隅で簀巻きにされている。
「賞品として等身大お餅を……食べられるだけプレゼント!」
 スライム餅があらわれた!
 無理矢理ハデスの形をさせられた青い餅は、ぎゅうぎゅうと音を立てながらハデスに近付いてくる。
「……お、ちょ、これは……」
「きゃー」
「もう嫌ですわー」
 咲耶とアルテミスはにげだした!
 スライム餅はおそいかかった!
「食べ物は大事にしましょうねー」

 喧騒の中、三月はサニーに声をかける。
「そういえばサニーさん。落し物。ほら」
 審査員席に置いてあった、綺麗な小箱。
 三月は、それをサニーが置いたのを確かに見た。
「……違うの」
「え?」
 小箱を差し出した三月に、サニーは珍しく怒ったように口を尖らせた。
「それは、あげたの!」

 ルカルカと歌菜は、ラフィルドと一緒に餅つき大会のフィナーレを見ていた。
「ね、笑うのって、いいでしょ?」
 歌菜が聞く。
 ラフィルドは頷いた。
「これからは……なるべく、わらう」
「それがいいよ!」
 ラフィルドの小さな声に、ルカルカは大きく頷いた。
「わたしがわらえば、みんなわらってくれるなら……」
 ラフィルドの声は、次第に小さくなっていく。
(それに……きもちいいこと、してくれたから……ほかのひとにも、かえしてあげたい……)
 手を胸に当て、ふるりと震える。
 その発言は幸か不幸か、誰の耳にも入らなかった。

担当マスターより

▼担当マスター

こみか

▼マスターコメント

 はじめての方ははじめまして。もしくはこんにちは、お世話になっております。
「もちもちぺったん!」を執筆させていただきました、お餅は年中いけるこみか、と申します。
 雑貨屋ウェザーのお餅つきイベントにご参加いただき、どうもありがとうございました。
 楽しい餅つきパフォーマンスや美味しそうな餅料理、堪能させていただきました。
 ピンクや青や茶色の餅も湧いてきましたが、そちらの対応もありがとうございます。
 餅つきパフォーマンス大会の賞は、パフォーマンスと審査員の好み、あとそのパフォーマンスにどれだけアクションの重点を置いていたかで決めさせていただきました。

 そして、今回なんとかピンク色の餅の原因、ラフィルドも登場することができました。
 クリスマスまで放置されなくてよかったです。
 しかし、まさかあんな子になるなんて……アクション恐るべしです。

 ウェザーの年末年始イベントはそろそろひと段落ついたので、今後はウェザーも出しつつ他のシナリオもどんどんやっていきたいと思います。
 これからもよろしくお願いします。
 またどこかでお会いできましたら、とても嬉しいです。