リアクション
6.ヒュズクデンゲラブンゲリオンは永遠に……
試合の片付けも終わり、皆で半熟卵とココナッツミルク料理を食べ、まもなく体験入部も終わろうとしていた。
貴仁は、歌菜から貰ったヒュズクデンゲラブンゲリオンのまとめメモを貰いルールブックを完成させた。
聞いた限りのルールを全て入れたら、ものすごい厚さになってしまった。
「この世界がコレで少しでも広がるといいですねえ……」
「でも、残念ながらこれがヒュズクデンゲラブンゲリオンの全てとは言えないわね。私たちだけの新しいヒュズクデンゲラブンゲリオン、なんていうのもあるかも。ね、羽純くん」
「ああ、まあ……ほどほどにな」
最初こそ色々と心の中で突っ込んでいた羽純だが、ゲームが終わった今となってはヒュズクデンゲラブンゲリオンにどこか愛情めいたものを感じ始めている、のかもしれない。
「ああっ、これって謎部活のルールブックだよね。一体誰がこんなルールを作ったの?」
ルールブックに食いついたのは、今までずっとヒュズクデンゲラブンゲリオンの源流を追い続けてきたルカルカだった。
彼女は何者かが謎部をでっちあげたのだと考え調査していたのだが、ヒュズクデンゲラブンゲリオ部の部長たちは全て真面目にヒュズクデンゲラブンゲリオンの活動を行っているだけのようだ。
「誰って……今さっき皆で作ったんですよ」
「というかもう既にこのルールは存在していたのを再確認しただけというか?」
首を傾げながら不明瞭な答えを返す貴仁たち。
(あらあら、まだやってるんですかぁ)
その様子を見て、ヒュズクデンゲラブンゲリオンの経緯を調べるのは早々に諦めていたセラフが凶司と共に肩をすくめた。
「真面目に調べても数字なんかとれないからねぇ」
「まあ、皆楽しんでるんだからいいんじゃないですかねえ。きっと視聴者も楽しんでくれますよ」
ルカルカも、それを察知したのかあまり深く追求するのは止めたようだ。
(ヤボはなしにしよっかな……)
そして、ルカルカはある話題を持ち出し始めた。
「ね、ニャンドコモフンチョって知ってるよね?」
「にゃ?」
「ニャンドコモフンチョ?」
「さあ、知らないけど……」
「うん、始めて聞きましたね」
ヒュズクデンゲラブンゲリオンに次ぐ、新たな噂を生み出そうと考えたのだ。
「にゃ……まぁいいか」
「そうね、今日は体動かして疲れたしね」
「初めての試合でしたが、ヒュズクデンゲラブンゲリオン、楽しかったですね」
「次はチュポポタミルマルブクダン杯だね!」
新たな噂は次第に薄れ、消えていってしまった。
初めてのヒュズクデンゲラブンゲリオン体験の興奮冷めやらぬ部室の中で、凶司は広報のまとめをしたためていた。
『ヒュズクデンゲラブンゲリオンは消えない。それを愛し、教え学び広げようとするものがいる限り――』
こんにちは、お世話になっております。
ヒュズクデンゲラブンゲリオンを担当させていただきました、GWは近場で満喫しました、こみか、と申します。
どんな部活になるか戦々恐々わくわくしながら待っておりました所、想像以上に痛快に楽しい部活にしてくださいましてどうもありがとうございます!
アクションを読むのもリアを書くのもとても楽しかったです。
アクションを読んでいて変な声が出たのは初めてでした……
リアを書いていてもにやにやしてしまって、なんとも変な人でした。
ヒュズクデンゲラブリオンの試合描写はなんだかカオスですが、いただいたルールをどれも採用したところあんな具合になりました。
果たして一体どんなゲームなのか、全貌が底しれません。
ヒュズクデンゲラブリオンを教える人、学ぶ人、試合する人、皆さんのアクションが絡み合ってとても楽しく描写させていただきました。
ヒュズクデンゲラブリオンに関わってくださって、どうもありがとうございます。
またどこかでお会いできましたら、とても嬉しいです。