百合園女学院へ

薔薇の学舎

校長室

波羅蜜多実業高等学校へ

空域陣取り合戦、始まる

リアクション公開中!

空域陣取り合戦、始まる

リアクション


思わぬところに敵アリ

 バードマンアヴァターラ・ウィングに乗って不可動式のクリスタルを守っていたエリシアとノーン・クリスタリア(のーん・くりすたりあ)

「(あれは……)」

 大凧で飛んでいるハイナを見つけたエリシアは、穏行の術で奇襲を試みる。
 静かに接近していき、クリスタルのみに攻撃対象を限定した真空斬りを飛ばした。

「! どなたでありんすか?」

 ハイナの女王の加護で真空斬りは空を描く。

「やはり、回避されますか。ならば」

 メルトバスターで銃撃していく。
 それを大凧で軽やかに避けていくハイナ。

「ノーン!」
「おっけー!」

 エリシアに促され、ノーンはホワイトアウトで視界を塞ぎ、猫天我弓を放っていく。
 ハイナがそれを避けていると、変わり身の術で取り残されていた唯斗が追いついてきた。

「ようやく追い付きましたよ……フォローしますから、獲られないでくださいよ」
「遅いではないの。護衛何だぇら、ちゃんとそばに居ないと」
「変わり身の術を使われなければ、ちゃんとそばに居ましたって……」

 唯斗はハイナが避けやすいように、歴戦の立ち回りと霊気剣の投擲で対応していく。

「これでも食らいなさい!」

 エリシアが天のいかづちが放つ。

「当たりんせんわ」

 飛んで来た雷をハイナがひょいと避けた後ろには唯斗が。

「ギョエエエ!」
「あら、当たってしまいんしたのね」

 落下していく唯斗を見ていたハイナに、ノーンはバイタルフラッシュの目つぶしをかける。
 その視界を奪った隙に、エリシアはもう一度真空斬りでクリスタルを狙い、クリスタルを赤くした。

「なかなかの好勝負でしたわね」

 一仕事を終えたエリシアはふぅと張り詰めていた糸を解す。

「おねーちゃん、すごかったね」
「ノーンも凄かったですわよ」



◇          ◇          ◇




 神速にゴッドスピード、バーストダッシュといったスピードアップを用いた超加速の空中ダッシュで、飛行生物を振り切り、一気に敵陣に突っ込んでいく美羽。

「負けないからね、リコ!」

 プロミネンストリックで高速飛行していた際、囮用に放置していた和輝のチームのクリスタルをブライトマシンガンで赤くして通り過ぎていく。

「これで1点。他に手薄なクリスタルはないかなー?」
「美羽さん、あちらに大将がいます!」

 美羽のゴッドスピードでスピードが上がったベアトリーチェ・アイブリンガー(べあとりーちぇ・あいぶりんがー)がたいむちゃんを発見する。
 目と目を合わせ頷くと左右に別れた。

「3点もらったー!」
「そう簡単に渡さないわよ」

 美羽のブライトマシンガンを避け、ハーモニックレインを使うたいむちゃん。
 美羽に引き付けられているたいむちゃんの背後からベアトリーチェは諸葛弩で神威の矢を打つ。

「3点、頂きますよ」

 撃たれた矢によってクリスタルは赤くなった。

「ナイス!」
「ありがとうございます。次のターゲット、探しますよ」
「もちろん。コハクは大丈夫かな?」
「大丈夫ですよ。コハクさんならしっかり守ってくれます」
「そうだよね! よし、もっと点数を稼ぐぞー」

 残像を残して美羽とベアトリーチェは奥地へ飛んで行った。



◇          ◇          ◇




 美羽が気にしていたコハク・ソーロッド(こはく・そーろっど)はというと、レッサーダイヤモンドドラゴンに乗ってしっかり不可動式のクリスタルを守っていた。

「うん、このくらいなら大丈夫」

 無座別に攻撃してくる飛行竜の前に立ちふさがり、背後にあるクリスタルと陣営を守っていく。

「ここから向こうには行かせないよ」

 そう言ってコハクはヒプノシスをかけて、飛行竜を眠らせる。
 前方の飛行竜をそうやって対処すると、美羽のゴッドスピードをかけてもらったことで上がったスピードを活かして防衛ラインを越えようとする飛行生物たちを同様に眠らせていった。