リアクション
一時間後 エッシェンバッハ派 秘密格納庫
「助かりましたよ。“猫”(カッツェ)――いえ、綾瀬さん」
スミスが言うと、綾瀬は不敵に微笑む。
「貴方から聞かせてもらった『物語』。実に面白いものでしたもの。そして、その『物語』を完結させる上では、今のこの時点でどのシュバルツタイプも失うわけにはいかない。それを理解した上なら当然のことですわ」
「ありがとうございます」
「いえいえ。こちらこそ本当のことをお話頂き、感謝しておりますもの」
「これからもよろしくお願いしますよ。そうそう――」
去っていくスミスが振り返ると、周囲から何者かが現れる。
それは、ベリアルが予め待機させておいた使い魔たちだった。
「このようなことはしないようお勧めします。なにせ、私達は関係は信頼が大切ですので――」
その使い魔たちは、すべてがスミスによって見事に調伏されていた。
「この使い魔たちはお返ししますよ。それでは」
使い魔たちを解放すると、スミスは格納庫を後にした。