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魔王からの挑戦状? ~起動せよ魔王城!~

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魔王からの挑戦状? ~起動せよ魔王城!~

リアクション

 ハーティオンの救援に向かった白羽は、彼の後方から飛びかかろうとする敵機にビームアサルトライフルの照準を後方の敵に合わせ、放つ。
「よしっ!」
 光弾がイコンの胴体を貫き、爆散する。
「ぬっ! 助けられたな!」
「全く、無茶しすぎだよ?」
 警戒する要素を見せず、そのまま背後を預けるハーティオンを背に、近づかれないようにビームアサルトライフルを放ち続ける。
「しかし、引くわけにはいかんのだ!」
 ハーティオンが吠えると同時に当たりに怪獣の雄叫びが響く。
 大地が揺れ、彼らの正面に群れる敵軍の足もとには亀裂。
『ガオオオオオオオン!!』
 文字通り大地を割って現れたのは漆黒の肌を持つ鋼鉄の竜。
 龍心機 ドラゴランダー(りゅうじんき・どらごらんだー)、見た目はこうだがハーティオンの相棒だ。
「何々? 木っ端のような敵がワラワラと!これはぶっ飛ばしがいがありそうだぞ、と? うむ、実に吹き飛ばし甲斐がある」
 彼の咆哮には意味があるようなのだが、言葉はハーティオンにしかわからない。
「うん? いつもより力が溢れている? 言われれば確かに……」
 彼の中から湧き上がるような熱き闘志。
 この空間だからこそ湧き上がっているのかはわからないが、彼にはこの力に心当たりがあった。
「これが、心の力……!」
 確信した、今ならば更なる力を生み出せる、と。
「『龍心機ドラゴランダー!』『星心機バグベアード!』」
 名前を叫ぶと、ドラゴランダーは天高く吠え、天空には目玉型ロボのような姿をした魔道書星怪球 バグベアード(せいかいきゅう・ばぐべあーど)の姿があった。
「ムウ……ワガハイノナカノ、コノパワー! タシカニイマナラ!」
「そうだ、今こそ【超龍星合体】だ!」
『超龍星? 何を言ってるの? ちょっとハーティオン? あんた何する気……』
 現実世界でモニターし、サポートをしていた高天原 鈿女(たかまがはら・うずめ)から通信が入るが、ハーティオンは静止を聞かずに空中に飛び出す。
「ガオオオオオン!!」
 それに呼応するように、ドラゴライダーが飛びあがり、ハーティオンに付随するようにその身を分解する。
「アルティメット・ソウル・オーバテクノロジーエネルギー…」
『何? ドラコライダーとの合体なら……』
 そこまでは鈿女に覚えがあったが、同じようにバグベアードもその体を分解、合体モーションを取っている。
「ファイナルセーフティー、アンロック」
 バグベアードの声が響くと、分解した彼らは次々とハーティオンの体へ装着されていく。
『宇宙に邪悪が溢れても、心の力が輝く限り、正義の光は燃え盛り、いつか銀河を希望で照らす!』
『ハートクリスタルエネルギー、フルパワー』
 まだ見ぬその体が生み出され、胸の宝玉が光ると同時にツインアイが緑の光を放ち、起動したことを示す。
『超龍星合体! キング・ドラゴハーティオン!』
 大地へ降り立ち、人の心が産んだ邪悪を切り裂く『聖心剣』を構え、敵へ向ける。
『希望の心に照らされて、奇跡と共にここに見参!』
 頭髪にも見える銀色の尾が輝き、超龍星合体は完了し、奇跡の戦士が降臨した。
『……何これ?』
 突如現れた姿を見て、鈿女は目を見張っている。
「銀河・真っ向両断斬!!」
 聖心剣を振るい、正面のイコン群をまとめて両断する。
『ちょっと! データを取るって行ってるのにこんな意味不明なデータを出されても……ねぇ?聞いてる?」
 その一撃は今までのハーティオンの武装と比べても桁違い。
 一時は不利な状態へ陥っていたにもかかわらず、たった一撃で状況をひっくり返したのだ。
「よし、このまま皆で攻撃を仕掛けて押し返す!」
 返す剣で再び敵軍が薙ぎ払われ、味方の部隊もそれに続いて敵軍に追撃していく。
『あ、もう無駄ねこりゃ。 しょうがないから、とりあえずこのデータ控えておこうかしら……無意味そうだけど』
 上がりに上がった士気の高さで全くこちらの話を聞いていない。
 規格外の戦闘に呆れつつ、鈿女はデータを気持ち半分で記録していた。