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夏祭りの魔法

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夏祭りの魔法
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リアクション

「お疲れ様でしたー!」
 かんぱーい、という声が、すっかり片付けの終わったダイニングホールに響く。
 そこでは、ののとパトリック、それから機晶姫達、そして今日の影の立役者たちによる、ささやかな打ち上げパーティーが催されていた。
「いやー、ほんとに助かりました。皆さんに感謝です」
「いえっ、お陰様で皆さんの楽しむ顔が見られて、私も楽しかったです」
 そう言ってにっこりと笑うのは騎沙良 詩穂(きさら・しほ)だ。今日は本当に、朝の仕込みから夜の片付けまで、何くれと働いてくれていた。
「騎沙良さんがいなかったら、模擬結婚式はあんなに盛り上げられませんでしたよ。ありがとうございます」
 夕方の涙はすっかり収まり、いつもの涼しい顔に戻ったパトリックが、詩穂に深々と頭を下げる。
 音響係から新郎新婦役の介添人、ライスシャワー係まで、実に細々と走り回ってくれた。
 完全にパトリックの思いつきだけで、ぼんやり動こうとしていた企画が、詩穂の協力のお陰で随分と立派なものになった。
「また何か、お手伝い出来る事があればよんでくださいね」
 そう言って微笑む詩穂に、ただただ頭が下がるののとパトリックである。
「御神楽さんも、一日本当にありがとうございます。それに、出資までして貰って……」
「いえ、同じツァンダの住人同士、必要な時は助け合いです」
 こちらはもう一人の立役者、御神楽 舞花(みかぐら・まいか)だ。
 今日の祭の屋台はもちろん、食材、諸々の――コルク銃であるとか、輪投げの道具であるとか――夜店グッズ、果てはウエディングドレスの調達まで、潤沢な資金と流通ネットワークを提供してくれたのが舞花だった。
 舞花の協力が無ければ、例えば射的は輪ゴム銃、屋台はただの長机にのれんを下げるだけ…………といった具合に、もっとずっと手作り感溢れる祭になっていたことだろう。
 日中は金魚すくいを中心に、出店の店番も勤めてくれていた。
 特に射的と金魚すくいは大人気だったから、一日息を付く暇も無かっただろう。
「楽しかったですよ、お店番。いろいろな人が来ましたから」
「あ、うちもうちも。いやー、色々あった」
 ついでに、一日屋台に立っていたレオーナも参加している。
 お互いに今日あったことを語り合い、あるいは反省点を挙げ、としているうちに、夜はあっという間に更けていく。

 祭の夜は後もう少し、続きそうだ。



―幕―



担当マスターより

▼担当マスター

常葉ゆら

▼マスターコメント

ご参加頂きました皆様、本当にありがとうございます。
リアクションの公開が遅くなってしまい申し訳ございませんでした。

今回は最後の恋愛シナリオ、ということで、大変感慨深く執筆させて頂きました。
もうこのキャラクター達の今後を描写することはないのだなぁと思うと、本当に寂しいです。
蒼フロのマスターを初めてからもうはや3年が過ぎましたが、ずっとご参加頂いてる方も多く、キャラクター達の関係がどんどん変わっていく様子を見守って来られたこと、大変嬉しく思っています。


お付き合い頂きましてありがとうございました。
またどこかでお会い出来ることを心より願っております。