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学生たちの休日17+

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学生たちの休日17+

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    ★    ★    ★

「もう少しでしたのに、ゼイゼイ」
 争奪戦に参加して破れたお嬢様が、メイドちゃんと共に、キーマ・プレシャス執事君の許に戻ってきた。
「相手もいないのに、よく頑張るね」
「相手がいないからこそですわ」
 姉の言葉に、妹が力説する。
「まあいいですわ、どうやら玉の輿のようですし、これでわたくしたちの生活も楽になるというもの」
「いや、結婚したのはマサラなんだし、ボクたちは関係ないんじゃ……」
「まさかあ。ふふふふ、搾れるだけ搾り取ってみせますわよ」
 悪い笑いを浮かべながら、お嬢様が言った。
「ということらしいから、悪いことしようとしたら、ちゃんとお仕置きするように」
「分かりました」
 キーマ・プレシャスの言葉に、執事君とメイドちゃんが深々とうなずいた。
「ちょっと、お前たち!」
「これも、執事の務めですから。お嬢様を悪の道に進ませるわけには参りません」
 執事君が、きっぱりとお嬢様に言った。

    ★    ★    ★

「それでは、これより披露宴に移りたいと思います」
 司会として呼ばれたシャレード・ムーン(しゃれーど・むーん)が、式を進めていった。
 立食パーティーの形式で、新郎新婦をそれぞれが囲んで口々におめでとうを伝えあう。
 あちこちに、バーカウンターや屋台が設けられ、中央テーブルのオードブルなど共に、盛大な披露宴が行われていった。
「アドミラル、ミセス、御結婚おめでとうございま〜す! これからもジェニファーとマサチューセッツと共にH部隊の一翼として戦列に加えてね」
 シェフ姿に着替えてローストビーフをサービスしていたキャロライン・エルヴィラ・ハンターが、近づいてきたネルソン夫妻に声をかけた。
「よろしくお願いするよ」
 そう答えて、ネルソン夫妻が軽く会釈する。
「その特製ハンバーガーもいただけますでしょうか」
「はいよー」
 ローストビーフと共にサービスしている特性のバイソン肉のハンバーガーを、キャロライン・エルヴィラ・ハンターがショワン・ポリュムニアパイフ・エラトに渡した。
「カン・ゼ様、取ってきましたよー。アオイ様もどうぞ」
 シンロン・エウテルペが、散楽の翁アマオト・アオイたちに、持ってきたハンバーガーとローストビーフを勧めた。
 アラザルク・ミトゥナに頼まれて、シンロン・エウテルペリクゴウ・カリオペの操縦するヴィマーナで、ゴチメイたちをここまで運んできたのだった。
「お飲み物はいかがでしょうか」
 バイトで給仕をしているジェイムス・ターロンが、飲み物の載ったワゴンを押してやってきた。
「わーい」
「いただきますわ」
 タイモ・クレイオテンク・ウラニアが、飲み物を受け取る。
「それにしても、盛大な結婚式ですね」
 チュチュエ・テルプシコラが盛況なパーティーの様子を見回しながら言った。うんうんと、タンサ・メルポメネテンコ・タレイアがうなずく。
「それだけのことができる時代に戻ったということだろう」
「できれば、それが長続きすればいいのですが」
 散楽の翁の言葉に、この先に待っている決戦を思って、コウジン・メレが言った。
「大丈夫ですよ、この人たちならば」
 心配はいらないと、タイオン・ムネメが言う。
「ああ、そのとおりだ」
 散楽の翁が、そう請け負った。

    ★    ★    ★

「いろいろと、本当に、いろいろなことが起きていますね。なんだか、少し混乱です」
 大図書室の深層で、パーラ・ラミがつぶやいた。彼女の周りでは、表れては消え、消えては現れる無数の書架の中の本を、小さなパーラ・ラミが一所懸命整理していた。その一人一人が、細い髪の毛で本体のパーラ・ラミと繋がっている。
「一度、あらためてみんなの声を聞かないと、これらの本の整理はつきそうにもないですね」
 無数の本の連なりを見回して、パーラ・ラミは言った。

担当マスターより

▼担当マスター

篠崎砂美

▼マスターコメント

 すいません、遅くなりました。
 もともと、余裕をみてもらっていたはずなのですが、もろにこの陽気にやられました。へろへろです。
 今回、丸投げOKにしたわけですが、やっぱりキャラごとに楽だったり、大変だったり。
 特に、LCの組み合わせは、人数制限などもありますから、ああ、あのキャラがここでほしかったとか、いろいろとありましたが。登場キャラまでは自由にできないので、そのへんはやはり好き勝手にも限界がありましたね。
 描写的には、もう少し小説文体にしたかったんですが、結構シーンごとの落差があったのと、視点の固定が群像劇だと難しいので、結局、いつものリアクション文体がほとんどになってしまいましたねえ。実際、もう少し書き込みたい部分も多いのですが、きりがないので。
 まあ、それでも、いろいろとグラシナ関係の仕込みは入れちゃってます。
 グラシナにはマスターNPCがらみの箇所だけ書かせてもらったので、そこだけ異様に濃くて浮いてるかもしれませんが(すいません、無茶苦茶乗って、暴走しました)。今回の休日シナリオとあわせて読んでもらうと、いろいろと面白いかもしれません。