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【第十一話】最終局面へのカウントダウン、【第十二話(最終話)】この蒼空に生きる命のために

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【第十一話】最終局面へのカウントダウン、【第十二話(最終話)】この蒼空に生きる命のために

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 同時刻 某国 某所

 とある国。
 その領内に秘密裏に建造された施設にて国家元首とその腹心が言葉を交わす。
「本当によろしいので?」
「まさか、冗談はよしたまえよ。君も反対なぞしていないくせに」
 二人は小さく笑いすら漏らす。
 既に二人は核攻撃の準備を整えていた。
「しかし大胆なことをなさる」
「今やることが必要なのだよ。今ならば、「このまま放っておいてはスミスの地球降下を許す所だった。仕方なかったのだ」という口実が通る」
「その通りでございます」
「そしてそうしてしまえば、地球上で“蛍”を保有しているのは我々だけとなる」
「是非その状況を維持したいものですね。では、ボタンを――」
 某国の国家元首――彼がボタンを押そうとした時だった。
 
 やおら彼の腕は銃弾によって撃ち抜かれる。
 はっとなって振り返る二人。
 その先にいたのは二人の女性だった。
 
「すべて聞かせてもらったわ」
「他の証拠も抑えたしね」
 セレンフィリティ・シャーレット(せれんふぃりてぃ・しゃーれっと)セレアナ・ミアキス(せれあな・みあきす)
 その二人である。
 
 国家元首と腹心は二人が厳重な警備を突破してきたことを身を以て思い知らされることになる。
 瞬く間に二人を制圧すると、セレンフィリティは彼女達に指令を出した水原 ゆかり(みずはら・ゆかり)とそのパートナーマリエッタ・シュヴァール(まりえった・しゅばーる)に連絡を取った。

「任務、完了しました」
 
 ほどなくして建物を揺らす爆発が起こる。
 ややあってセレンフィリティとセレアナに仲間が合流する。
 トマス・ファーニナル(とます・ふぁーになる)だ。
「核弾頭の発射装置は解除して置いたよ。それと、“蛍”も爆破しておいた」
 トマスが告げると、三人は頷き合う。
 そして三人は、逮捕した二人を連れ、現場を後にした。