百合園女学院へ

薔薇の学舎

校長室

波羅蜜多実業高等学校へ

【空京万博】取り戻せ! アムリアナの花嫁衣装!

リアクション公開中!

【空京万博】取り戻せ! アムリアナの花嫁衣装!
【空京万博】取り戻せ! アムリアナの花嫁衣装! 【空京万博】取り戻せ! アムリアナの花嫁衣装! 【空京万博】取り戻せ! アムリアナの花嫁衣装! 【空京万博】取り戻せ! アムリアナの花嫁衣装!

リアクション

■□■2■□■ 契約者VS花嫁衣裳のイコン、そして雅羅のパンツの謎

鏖殺寺院がいったん退いて、
そうこうしていると、地響きがして、
花嫁衣裳のイコンが現れた。

「って、これも雅羅の災難体質かよ!?」
ラルク・アントゥルース(らるく・あんとぅるーす)が、花嫁衣裳イコンに立ち向かいながら言う。
「な、私のせいじゃないわよ!」
否定する雅羅だが、どう考えてもラルクが言うとおりである。
「……仕方ねぇ。少し揉んでやるよ」
ラルクが、指を鳴らし、身構える。
「アイシャを頼むぜ!」
ラルクが、神速でイコンの背後に回り込み、鳳凰の拳を叩き込む。
「こちとら新婚なんだよ! 花嫁イコンなんかに負けるかっての!」
ラルクの叫びが遺跡に響く。
イコンの外装がはじけ飛んで、乾いた音を立てて落下する。

「……桜井校長がいませんとハイパーランサーになれない、
ただのか弱い乙女の私になんとかなるでしょうか。
でも、ラルクさんだって、新婚さんなのにがんばっているんです!
防具もこんな軽いもの、とても心もとないですが、
アイシャ様の盾として、しっかりお守りします!」
ロザリンド・セリナ(ろざりんど・せりな)も、槍を構えてイコンに対峙する。
「心もとない防具って……」
アイシャが、ロザリンドの全身を覆う鎧を見て、何か言いたげにするが、
ロザリンドは聞いていない。
「お仕事と愛する人の所へ帰るために、
今日も頑張ります、ハイパーになりたいランサー!」
ラルクの攻撃で、装甲を削り取られていたイコンが、
ロザリンドの攻撃で、中破する。
「よし!」
連携がうまくいってガッツポーズするラルクだが。
「きゃああああ、でーらーれーなーいー」
ロザリンドは、勢いで近くの沼にはまって、鎧の重みで抜けなくなっていた。

ロザリンドの上にイコンが倒れてくるところを、
超霊の面をかぶった樹月 刀真(きづき・とうま)が、
トライアンフで一刀両断する。
「逝っとけ♪ ブラックスラッシュ!」
イコンは真っ二つになって地面に倒れる。

「刀真さん……!?」
「樹月刀真? 違う! 私の名前は『必殺剣士ブラックセイバー』だ!」
ロザリンドに名を呼ばれた刀真が、剣を構えてポーズを決める。
「まったく、ロザ、なに嵌まってるんだよ……ちょ!? 重っ!」
「な!? か弱い乙女になんてこというんですか!」
「ゴフッ!? ガントレットつけた手で殴るのはよせ!」
沼にはまったロザリンドを助けたにもかかわらず、刀真は殴られる。

「ブラックセイバー……最近忙しかったのか? 後で慰めてやろう」
玉藻 前(たまもの・まえ)が、パートナーの様子を見て言う。
「じゃあ、私はブックセーバー」
雅羅とおそろいの“シャンバラの現在”パビリオンコンパニオン衣装の
漆髪 月夜(うるしがみ・つくよ)が言う。
「ブックセーバーって……『本を貯める者』か」
玉藻前のツッコミに、月夜がこくりとうなずく。
月夜は無類の本好きなのだ。

★☆★

「漫才してる場合じゃねえ! 来るぞ!」
ラルクが仲間に注意を呼びかける。
現れたのは、完全武装の鏖殺寺院メンバーであった。
「ふふふ、すべては花嫁衣裳とパビリオンポイントをいただくためです。志方ないですね」
志方 綾乃(しかた・あやの)が、
鏖殺寺院メンバーを誘導して、連れてきたのだった。
(こうしている間に、なななさんとイングリットさんのチームが花嫁衣裳を手に入れ、
鏖殺寺院もこちらの戦闘で壊滅させることができるのです!)
鏖殺寺院の味方をしているフリをしているが、
綾乃の真の目的は別にあった。
「ロイヤルガードな皆さん!
アイシャさんの護衛に集中して、重要なことを忘れていますね!
一緒にいる雅羅さんのコンパニオン衣装……あきらかにパンツはいてないデザインじゃないですか!」

「ぬなっ!?」
綾乃に指さされて、一転、注目の的となってしまった雅羅が、
真っ赤になってスカートを引っ張る。

「その程度で動揺するでないぞ。この娘の下着を頼む」
玉藻前が、月夜のコンパニオン衣装をはだけさせ、スカートの裾をたくし上げて、
ブラジャーとパンティーを見せる。
「おおおおお!」
鏖殺寺院が騒然となる。
「俺には砕音がいるし」
ラルクが、失礼なコメントをする。
「私も、ああいうのを身につけたら、さ、桜井校長が喜んでくれるんでしょうか……」
ロザリンドが妄想する。

「……シルクのレース、色は黒か。うんうん、良い感じだ、可愛いぞ」
「玉ちゃん!? 何するの! ……おっ男の人はあっち向いて!」
赤面してパニックになる月夜に、刀真がロイヤルガードのマントを着せる。
「ほら、泣かない泣かない似合っていたぞ?
……いや待て、今の無し!? ゲフッ」
月夜は、刀真の鳩尾に思いっきり拳を叩き込んだ。
「ほら、刀真も喜んでいる」
「玉ちゃん……」
玉藻前を、月夜が恨めしげに見る。
「我? 我は下着を着けてないよ、着物には不要だろう?」
「玉藻……いや、下着つけてないのは知っていたけどね!」
そう言った刀真を、月夜が思いっきり踏んだ。

★☆★

「このままじゃ、アイシャがセクハラに巻き込まれてしまう!
安全な場所に避難だ!
行くぞ!」
リア・レオニス(りあ・れおにす)が、アイシャを横抱きに抱きかかえる。
「きゃ……」
「なんて軽い……」
リアには、アイシャの身体は羽のような軽さに感じられた。
「アイシャ様はこちらへ……」
パートナーのレムテネル・オービス(れむてねる・おーびす)もサポートして、
アイシャを守る。
「あ、ありがとうございます」
少し赤くなったアイシャが、リアに礼を言う。
その様子をリアはぽーっと見とれていたが。
ため息をついたレムテネルが、リアの頭をはたいて正気に返らせる。
「……ってぇなあ、お前本気で叩いたろ」
「さあ、どうでしょう。ほらアイシャ様に笑われますよ」
「そ、そうか……」
「ふふふ」
リアとレムテネルのやり取りを見て、アイシャも微笑する。

★☆★

「どうやらこっちで下着の話題で盛り上がってるようだが!」
そこに、国頭 武尊(くにがみ・たける)が現れた。
「げっ、国頭!?」
武尊のアイシャへのセクハラを警戒していたリアが、アイシャの前に立つが。

武尊の目的は別にあった。
「安心しろ、アイシャのパンツをもらうのは、すべてが終わってからだ。
それより、今、オレが気になってるのは、
結局、雅羅のパンツがどうなってるかってことなんだよ!」
武尊が、堂々と宣言する。
「今、はいてないっていう話だったが、本当なのか?
だとすると、エアーパンツか!?
バカには見えないパンツなのか!?」
「バカはあんたでしょうがああああああああああああああああっ!」
雅羅が、武尊をぶっ飛ばしてボコボコにする。

「ぐああああああっ!
だが、これも計画通り!
君が呼び寄せる災難は、このオレが全部引き受けてやる。
だから、安心して女王と共に花嫁衣裳を探しに専念するんだ!」
「くっ、なぜかあいつから種モミを奪いてえ!」
種モミ剣士の武尊は、自ら囮となり、
アイシャや雅羅を守ることが目的だったのだ。
鏖殺寺院メンバーも、なぜか武尊を襲いたくなってしまい、集中攻撃をする。

「古人曰く、『願わくば我に艱難辛苦を与え給え』だったか。
上等だ、全て受けきってやるぜ」
歴戦の防御術や歴戦の回復術、ヒールを使い、
武尊は、鏖殺寺院メンバーを長時間釘付けにする。

「あ、あいつドMなの!?」
しかし、そのせいで、雅羅にそう評されてしまった。

「なんだかわからないが、おかげでアイシャが助かったぜ!
今のうちに行くぞ!」
リアが言い、
一行は、鏖殺寺院をやり過ごすことに成功したのだった。