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リアクション
chapter.8 増多元教授について(2)・逃走
その頃、会場の近くにいた端義はというと。
自分を捕まえようとする野蛮な者たちからの追走から逃れ、どうにか身を守り続けていた。ただし、野蛮な攻撃の数々で、服は全部破けていたが。
「偶然これがあって助かった……」
とはいえ、さすがに全裸ではまずい。端義はそう感じ、何か最低限の場所だけでも隠せないかと辺りを探した結果、偶然道ばたに女性用の下着が落ちていたのでそれを着用し事なきを得ていた。
さらに、彼はもうひとつ、地面に落ちていたものを見つけていた。
「アレは……」
坂道の途中で見つけたそれは、ひとりの女性だった。端義が近寄ると、倒れていたその人物――獅子神 玲(ししがみ・あきら)がむくりと顔を上げた。
「……うう……な、何かご飯をください……そこの人……」
「どうしたんだい?」
「お、お腹が……」
玲は、うるうるとした瞳で端義を見た。彼女のお腹からは、ギュルルルと餓えた音が鳴っている。どうやら彼女は、空腹のあまり行き倒れになったようだった。事情を察した端義は、瞬間、閃いた。
――ここでこの子に恩を売れば、後々おいしい展開が訪れるのではないだろうか、と。
「お腹が空いているのかい? ちょっと待ってておくれ」
完全なる打算で、端義は優しい態度を取った。玲に一言告げてからその場を離れた彼は、近所のコンビニに急いで向かい、おにぎりを買って玲の元へと戻る。
「ほら、これでも食べるといい」
差し出されたおにぎり。玲はそれを見ると、目を大きく見開き、「ご飯!」と歓喜の声を発して即座に頬張った。夢中で口におにぎりを放り込んだ玲は、一分もかからずにおにぎりを完食し、ごくりと喉を鳴らした。
「はぁー……生き返りました……! やはりご飯は美味しいです」
「そうか、それは良かったね」
にっこりと、端義が笑う。相手が男でも同様の行動をしていたかは、甚だ不明である。が、そんなことを玲が知るはずもなく、彼女はただ目の前の恩人に感謝の言葉を述べた。恩人がたとえ女性下着だけをつけた男でも、恩人に変わりはない。
「本当に、ありがとうございます。あなたは命の恩人です」
「いやいや、それは大げさだよ」
「この一飯の恩は忘れません! そうだ、恩返しをしなければ! 何か私にやってほしいことはありますか!」
「何か、と言われてもねえ……」
「何でもやりますよ! 私、不器用ですけど何でもやりますから!」
「……何でも?」
ピク、と端義の眉が動いた。その瞬間彼が思い浮かべたのは、当然いやらしいことだった。まさしく外道である。彼女、玲が純粋に好意を見せているにも関わらず、彼が抱いていたのは不純極まりないものなのだから。
「よし、じゃあちょっとしてもらいたいことがあるから、こっちに来てくれるかな」
「はい! 任せてください!」
明らかに、ついていってはいけないパターンである。
しかし、玲は恩義を感じているからか、素直に言うことを聞いてしまう。端義が連れて行こうとしたのは、先程総司がフラワシ事故にあった階段脇の死角だった。そこに連れ込むからには、やはりいかがわしい行為を働こうとしているのだろう。が、玲にとっては幸運なことに、階段を横切る時そこを上っている女性がいたのを、端義は見つけた。階段を上っているということは、女性を観察するチャンスということである。
「む……すまない、ちょっと待ってくれるかい」
玲を手で制し、端義は首を上に向けた。階段を歩いていたのは、山本 ミナギ(やまもと・みなぎ)。玲のパートナーだ。ミナギは、どこかオドオドしながら上へと向かっていた。スカートの下にスパッツをはいているのが数メートル離れたこの距離からでも丸分かりだったが、端義はそれを補ってあまりある想像力を持っていたので問題は特になかった。
「スパッツ、それは透視力を鍛えるための恰好の訓練道具だね」
言いながら、端義はとうとうその場に仁王立ちして腕を組み始めた。もはやこそこそ隠れる気もないようだ。そして、その様子を見て彼に話しかけてきた者がいた。もうひとりの玲のパートナー、藤原 千方(ふじわらの・ちかた)である。
「む……その堂々としたのぞき……増多端義か?」
千方の問いかけに、端義は「え?」と声を漏らしたが、その後すぐに首を縦に振った。千方は「やはり」と短く呟き、躊躇なく彼の近くへと歩みを進めた。
「君は?」
「我か? 我は藤原千方……同士となるやもしれぬ者がいると聞き、ここに来た」
千方はそう答えるものの、実は千方は端義が来る前からここにいた。それも、ミナギを撒き餌にして。つまり端義が階段を上がるミナギを見つけたのは幸運でも偶然でもなく、最初から千方の計画だったに過ぎない。
「同士とは、なんだい?」
当然そんなことは知らない端義は、千方に対し疑問を口にする。
「それに答えるには、いくつか聞かねばならぬことがある」
言って、千方は端義に尋ねた。
「女子の嫌がりながら悶える姿は好みか?」
「最初からなかなかヘヴィな質問だね。でも答えよう。答えは、イエスだ。むしろ僕は、そうじゃないとあまり興奮しないね」
「なるほど……ではもうひとつ聞く。獣娘はイケる口か?」
「獣娘? アレかい、耳が生えていたり、尻尾が生えていたりするタイプの子かい? んん……正直、それはそこまで魅力を感じないね」
「……そうか。どうやら我と貴様は、敵にも同士にもなる可能性があるな」
意味深そうに千方が言い、そのままとん、と階段を踏みしめた。
そのまま一段、二段と階段を駆け上がると、千方はミナギの元へと追いついた。
「ヒッ!? や、やっぱりあたしの主人公センスが告げてた通りだった!」
主人公センスというか、一般的には女王の加護だと思うのだが、ともかくミナギは嫌な予感を抱いていたらしかった。当然それは、ちょっかいを出す千方に対してのものだった。千方はガッとミナギの服を後ろから掴むと、そのままくるりと端義と玲のいる方に向き直った。
「これがきっかけで獣娘もイケるようになれば、その時は同士として兄弟の杯を交わそうではないか」
言うと、千方は持っていた道具「琴音の耳」そして「琴音のしっぽ」を取り出した。俗にいう、猫耳と猫しっぽだ。
「な、なんでそんなもの出すの……って、付けようとしてる!? わけわから……玲、助け……イヤー!!」
抵抗むなしく、千方によってミナギは猫耳と猫しっぽを装着させられた。見事、スパッツをはいた獣娘の完成である。
「悪くない……悪くないが、やはりその本質は、嫌がっているところにあるね。僕はね、女性のイヤという声を聞くととてもドキドキするんだよ」
端義が感想を口にする。ちなみに念のため書いておくが、彼は依然として女性下着のみをはいたままである。それ自体も異空間なら、隣にいる玲も階段上にいる千方とミナギも誰もそこに触れないのも異常である。
まあそこはどうでも良いのだが、ともかく端義はとても満足していた。そんな彼に、後ろから声がかかった。
「おーい! 端義にーさん!」
聞き覚えのある声に彼が振り返ると、鈴木 周(すずき・しゅう)が走ってくるのが見えた。どうりで聞き覚えがあるはずだ、と端義は思った。何を隠そう周は、国際女性観察機構――WWOの正式なメンバーなのだから。
「あれ、端義にーさん、なんだその格好……ってかそれ女の子の下着じゃ!?」
「おお、君は周くんじゃないか。まあこの格好は気にしないでくれ。それより、元気だったかい?」
「お、おう……あ、俺は元気だぜ! 端義にーさんこそ、よく無事だったな! 警察に連れてかれちまった時は、どうしようかと思ったぜ。まったく酷い濡れ衣だよな、犯罪なんて少しもなかったのによ」
「そうだね、でも時として罰は、罪のない人にも下るんだよ」
そんな会話を交わしつつ、端義と周は固く握手した。彼らはもはやそれだけで、現状を理解するに至った。エロパシーという特殊技術が、そうさせたのだ。
――ここで、のぞいてたのか?
――ああ、しかも嫌がる女性をね。
端義の気持ちを頭ではなく心で理解した周は、彼にこう話した。
「こうしてまた無事会えたのも、ひとつの縁ってヤツだな。せっかくだから、俺から理事長にとっておきのプレゼントをするぜ! ただ見るよりも、もっと豪華に行こうぜ!」
そこから周は、その詳細を説明し始めた。ここは犯罪抑止のイベント会場付近。ならば、そこを通る女の子を、「不審物を持っていないかチェックする」と言って検問をしていても何らおかしくはない、と。
「……なるほど、尋問という体で、女性を、いや、女性の体をゼロ距離で観察するわけだね」
「ああ、どうだ、興奮しねぇか?」
周の質問に、端義は大きく頷いた。そしてふたりは、同時に階段の上方を見る。周は獣娘と化したミナギに狙いを定めると、端義に「じゃ、行ってくるぜ」と言葉を残し、階段を走った。
「そこのお嬢さん!」
周に声をかけられたミナギは反射的に身構えるが、周はお構いなしにナンパでもするような気軽さで話を展開していった。
「今とあるイベントで警戒を強化しててさ、あ、俺は警備を頼まれてる鈴木周ってんだけど。ちっと協力してくれよ。な、いいだろ?」
「えっ……だって今あそこにいる気持ち悪いパンツ一丁の人と何か話……!」
「なに、簡単な身体検査だぜ。女の子は隠すところいっぱいあるからな」
「む、無視!? 身体検査って何する気……!?」
嫌な予感しかしないミナギと、強引に押し切ろうとする周。その勝負は、周に軍配が上がった。
「大丈夫だって、そんな時間も取らせないし、あくまで警備のためだからな! とりあえず、全裸になってくれよな!」
「とりあえず全裸!? わけわから……」
「まあまあ、恥ずかしがるのも分かるぜ。でも安心してくれよ、この階段降りてすぐ曲がると死角になってるから、誰にも見えないし、問題なく検査できるぜ!」
「イヤー! そもそも全裸になるのが問題よ!!」
その言葉を聞いた周は、「イケる!」と思った。なぜなら以前彼は、端義からこう教わっていたからだ。
――いいかい、周くん。女の子が言うイヤは、本当はイヤじゃないということなんだよ。
「イヤ……!? てことは……!!」
見事にその言葉は周の脳内でイエスに変換され、彼の行動をより一層大胆にさせた。
「よーし行こう! すぐ行こう!」
「はっ、離してよー!?」
そのまま周は、強引にミナギの手を引っ張っていった。目的地は階段を降りてすぐそこだ。
しかし、その時周が向かおうとしていた階段脇スペースには、先客がいたのだ。
「!!!?」
周が階段の最後の一段を下り、回れ右をしようとした時、彼の耳に入り込んできた音と声は、信じ難いものだった。
「あんっ、やっ……んんっ……!」
それは、誰が聞いても間違えようのない、そしてまだ日も沈んでいないこの時間帯にはあまりにも相応しくない声だった。一体、その場所では誰が何をやっているというのか。
諸事情によりここからは代名詞が頻繁に登場するので、ご了承いただきたい。
そこにいたのは、数人の男性に囲まれた秋葉 つかさ(あきば・つかさ)。
「さあ、思う存分毒抜きをしてください」
つかさは既にアレがああなっているにも関わらず、男たちにアレをああいった具合でアレした。そんなことをされた男たちは、当然アレがああいう状態になって、自然とつかさのアレをああしようとしていた。その結果が、さっきの艶かしい声である。つまりつかさは、アレなことを、アレしていたのだ。それも、ただのアレとかアレではなく、多くが集まった上でのアレである。もうほんとに、これ以上はここで書くことが出来ない。リテイクのダメージは、地味に痛いのだ。
一方の周はといえば、なまじ色っぽい声を耳にしてしまっただけに、テンションその他色々な物が膨れていた。
「さあ、なんだか周りからも色々聞こえてきたし、俺らも身体検査しねえとな! 恥ずかしがる必要はないんだぜ!」
ミナギが服を脱ぐのをキラキラした目で見つめる周。当然ミナギは脱ぐわけがない。涙目でぷるぷると首を横に振っているだけである。その表情は端義にとっては馳走で、彼が満足した時点で周のプレゼントは成功しているのだが、どうもボルテージが上がりすぎて、周はおかしな行動を取り始めてしまった。
「無理か? じゃあ、安心できるような提案があるぜ。先に俺が全部脱ぐんだ! それでどうだ?」
何がどうだ? なのだろうか。ミナギが一歩後ずさる。周は「心配ねぇよ」と手招きするが、心配この上ない。主に、周の頭が。周は瞬く間に着ていた服を脱ぎ、パンツ一枚の姿となった。奇遇にも、端義とまったく同じ格好である。これでは女性観察機構なのか単なる露出機構なのか分からない。
「何で脱いでるの!? もうヤっ!!」
ミナギが悲鳴に近い声を上げた。それは予想外のボリュームで辺りに響き、他の生徒を呼び寄せた。
「なんだ!? どうした!?」
それは、イベント会場に向かおうとしていた匿名 某(とくな・なにがし)だった。某は、なぜか特撮の戦隊もの風の格好をしていた。彼と一緒に行動していた3人のパートナー、大谷地 康之(おおやち・やすゆき)、結崎 綾耶(ゆうざき・あや)、フェイ・カーライズ(ふぇい・かーらいど)もやはり某同様、なんとかレンジャーといった言葉が似合いそうな服装だ。もしかしたら彼らは、イベントでそういった役をやろうとしていたのかもしれない。ちなみに某はブルー、康之はレッド、綾耶がピンク、そしてフェイがイエローだそうだ。このパターンでいくと、グリーンがいてほしかったところである。
それはさておき、彼らはその道中で思わぬものを見てしまった。たくさんの男たちに囲まれアレとかアレでアレしてるつかさと、そのすぐ近くで半泣きの少女とほぼ全裸の男性ふたり。どこからどう見ても、事件だった。
「……まさか、これって野外を舞台にしたアドリブショーってやつか! きっと運営が俺たちを試すためにやってるんだな!」
いち早く反応したのは、康之だった。彼はいかにもレッドのキャラクターらしい真っすぐさで、機械仕掛けになっている警察手帳を取り出し、その場に声を轟かせた。
「SPPだ! やい犯罪者! お前らの悪事は、このSPPが許さないぜ!!」
きっと彼は、本当にこれがイベントの一環だと勘違いしているのだろう。完全にノリが演劇のノリである。気付いていないのか。そう察した某は、小考の末、康之同様役を演じることにした。その方が、ややこしい説明も省けるし、相手に体する脅しにもなると思ったからだ。
「えっと……そ、そうだぞ! 抵抗を止めて、とっとと退散するかお縄につきやがれ! このSPP……そう、スペシャル・パラミタ・ポリスには敵わないぞ!」
パッフェルカスタムのエアーガンを犯罪者と思われる者たちに向け、某も後に続く。さりげなくSPPの意味を織り交ぜるあたり、そういった観点からもナイスフォローである。綾耶も「この場でジャッジメントしちゃいますよ!」と大声を上げていた。もちろん彼女もこれがリアルに起こっている事件だと分かっている。大声を上げたのは、周囲に事件を気付かせるためである。
そこから彼ら自称SPPによる、犯罪者たちの粛正が始まった。
某と康之が派手な立ち回りでつかさを囲んでいる男たちに飛びかかると同時に、綾耶とフェイは天のいかづちを彼らに振らせた。
「言葉による警告で投降なんて、望むだけ無駄。半殺し警告くらいしないと。ほんとは射殺警告したいところだが」
ちらり、とフェイは綾耶の方を一瞥し、口をつぐんだ。綾耶の気分がマイナスになるようなことはしたくない、といったところだろうか。ともかくフェイは、男たちに向けて雷を落とし続けた。
「汚物共は、正義の名の下撃って殴って消毒消去……」
格好はふざけている感が出ていても、そこは契約者とそのパートナーたち。4人がかりの攻撃で、あっという間に男たちは叩きのめされた。地面に横積みされた男たちの体を掻き分けるようにして、つかさがゆっくりと顔を出し某たちに向けた。
「あら……」
「つ、つかささん!?」
ふたりは既に面識があるようで、ほぼ同時に声を上げた。某が慌てて駆け寄ろうとするが、つかさはそれを溜め息で跳ね返す。
「やれやれ……またあなたですか。何のつもりです? 事あるごとに私に絡んできて……私を、使いたいのですか?」
当然、彼女が言うからにはそういう意味での、だろう。某が弁解しようと口を開くが、そこから言葉が出てくる前につかさは小馬鹿にするように言ってのけた。
「まあ……残念ながらまだ使用不可ですけどね。私は、汚れてないものは食べませんから。それより、いかにもな良い子がいるじゃないですか。その子で純潔を捨てなさいな」
そうしたら使わせてあげますよ、と付け足し、彼女が見たのは綾耶だった。見られた綾耶も、某も思わず言葉を失い目が泳いだのを見て、その純情さに当たったつかさはさらに言った。
「さて、そういうことですので、私は去らせていただきますよ。興が削がれましたし、捕まるわけにもいきませんからね」
「あ……!」
某が止めようとするが、つかさは去っていく。衣服をはだけさせたままの姿で。
となると、残ったのは女性観察機構とその被害者の面々である。
「せめて、こっちの犯罪者は懲らしめないとな……!」
某が、端義と周の方を見る。ほぼ全裸の彼らは防御力ゼロに等しい状態だったが、ここで予想外の援護が入った。
「私の恩人に、何をしようというんですか!」
「え!?」
端義を庇うように、某の前に立ちはだかったのは玲だった。彼女は、あくまで空腹を解消してくれたという恩義を貫こうとしていたのだ。
「いや、その格好見ろって! どう見ても犯罪者だろ!」
「何言ってるんですか! ご飯をくれる人に、悪い人なんていません! 悪いのはむしろあなたたちです!」
端義や周とは別のベクトルで、彼女もなかなかぶっとんでいた。鬼神力を発動させ、重量級の武器――ゲシュタルを全力で振るおうとする玲に、仕方なく某たちも応戦する。突然始まったバトルと、近くでセクハラの傷を引きずっているミナギと、面白そうにその場にいる女の子たちを眺めている千方。いわゆるひとつの混乱状態だ。そして、この状況は端義と周にとっては好都合だった。
「よし、今のうちに姿をくらますよ、周くん!」
「端義にーさん! でもここにはまだ女の子が!」
「馬鹿っ! 生きてこその女性観察じゃないか! この世にはね、まだ観察してない女性がたくさんいるんだよ!」
「にーさん……分かったぜ!」
そして、ふたりはどさくさに紛れて階段を上っていった。某らが、「張本人がいなくなってる」と気付いた時にはもう、彼らはイベント会場にエスケープしていた。
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