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シャンバラ一武闘大会

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シャンバラ一武闘大会
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リアクション

 

第四試合

 
 
『さあ、続いては、立川 るる(たちかわ・るる)選手対、緋山 政敏(ひやま・まさとし)選手です。
 緋山政敏選手、おのれの欲望にむかって突っ走っています。はたして、このままゴールまで走りきれるか。
 一方の立川るる選手は、第二戦以降不戦勝で勝ち上がってきました。はたして、その実力は本物でしょうか。
 試合開始です。
 立川るる選手、段取り通りにオシャレコンジュラーカードを場にならべます』
「おいおい、こっちは格下なんだ。手を抜けよ」
『緋山政敏選手、武器も持たずに立川るる選手に近づいていきます。これは怪しい。絶対、隙を見て飛びかかるつもりです』
「るるが手を抜くわけないでしょう。オシャレコンジュラーカード、ドロー! ドクターロバートセット。ドクターロバートの効果発動」
『おいおい、だから俺は素手なんだよ!』
 ワキワキした手で、緋山政敏が立川るるに飛びかかってだきつこうとした。
 そのとたん、緋山政敏の身体が見えない手につかまれたように宙に浮かんだ。
『おおっと、これはどうしたことでしょう。緋山政敏選手、あまりに不自然な現象で吹っ飛んだ。場外です。
 あっけない、あまりにあっけない。これは、多分天罰でしょう。
 勝った立川るる選手、満面のどや顔です』
 
 
第五試合

 
 
『アリアス・ジェイリル選手の不戦勝です』
 
 
第六試合

 
 
『樹月刀真選手の不戦勝です』
  
 
第七試合

 
 
『お待たせしました。さあ、緋桜 ケイ(ひおう・けい)選手とメイドちゃんこと流竜選手の登場です。
 緋桜ケイ選手、なんとこれが初試合です。今まで、全て不戦勝でのし上がって参りました。
 まるで、魔法大会のときのソア・ウェンボリス選手を彷彿とさせる勝ち進み方です。
 それでは、試合を開始しましょう』
いくぞ!
『緋桜ケイ選手、最初から全開です。
 ミラージュを展開すると、氷を纏わせたティアマトの鱗を手に持ちました。
 メイドちゃん、今度は早々と仕込み箒を構えます。しかし、周囲を複数の緋桜ケイ選手に囲まれています。
 周囲を取り囲んだ緋桜ケイ選手が一斉にティアマトの鱗を投げた。
 本物を見切ったか。メイドちゃんが仕込み箒を抜き……抜けません。サイコキネシスで、居合いの一瞬の間合いを止められたか。
 かろうじて身を投げ出してティアマトの鱗を躱しますが、わずかにティアマトの鱗が仕込み箒をかすめたか。箒の柄が氷につつまれ、抜くことができなくなっています』
「それで?」
『おおっと、メイドちゃん、使えなくなった箒を無造作に投げた。だが、それが周囲を駆け回っていた本物の緋桜ケイ選手の足にあたる。
 緋桜ケイ選手、かろうじて頭にある紙風船を守るも、転倒してしまいました』
「それでは、お休みなさいませ」
『メイドちゃん、子守歌を歌い出した。これは、眠く……、なってきます……』
「そんな暇はあるのかな。周囲を飛んでいる鱗をよく見るんだ」
『緋桜ケイ選手、メイドちゃんの注意を、サイコキネシスでゆらゆらと空中に浮遊させているティアマトの鱗に集中させた。こ、この鱗の動きが……また……。ヒプノシス……?
 ……。
 はっ、危なくこちらまで眠るところでした。試合は……。
 おおっと、いつの間にか、メイドちゃんの頭の上の風船が緋桜ケイ選手の手刀で割られている。
 武舞台の上に、ひっくり返された黒檀の砂時計があります。緋桜ケイ選手、これで時間を引き延ばして、眠る前にメイドちゃんの風船を割りました。
 緋桜ケイ選手の勝利です!』
 
 
第八試合

 
 
『観客の皆様、目は覚まされましたでしょうか。さあ、いよいよ第四回戦、最終試合を行います。
 フォン・ユンツト著 『無銘祭祀書』(ゆんつとちょ・むめいさいししょ)選手対、魔導書 『複韻魔書』(まどうしょ・ふくいんましょ)選手。なんと、魔道書同士の戦いとなりました。注目の一番です。
 フォン・ユンツト著『無銘祭祀書』選手、だんだんとコスプレにも慣れてきたのか。ちょっとノリノリになってきました。
 さあ、試合開始です』
「萌え美少女カバーの魔道書になど負けはしないのだよ」
『おっと、魔導書『複韻魔書』選手、フォン・ユンツト著『無銘祭祀書』選手の姿を見てプッと笑いました。これは、強力な精神攻撃だ』
「レベル1のカバーもないひよっこ魔道書風情が、片腹痛い。空京スーパーのチラシで、その本体ラッピングしてやろう! 破滅と共に闇は訪れん……
『ああ、フォン・ユンツト著『無銘祭祀書』選手、キレました。
 禁じられた言葉で強化した闇術で魔導書『複韻魔書』選手をつつみ込みました』
「ち、チラシは……。せめて、裏の白いチラシで……」
『魔導書『複韻魔書』選手、混乱しています。あ、危ない! 狙いも定めず放たれたメテオライトの大火球が、客席近くに飛んでいきました。観客のみなさん、気をつけてください』
「ゆけ、クトゥグアとイタクァ!」
『フォン・ユンツト著『無銘祭祀書』選手、使い魔を放ちました。
 なんとか立ちなおった魔導書『複韻魔書』選手、極光輝を放って閃光で黒猫さんたちを追い払いました』
「こうなったら、全術式開放!」
『魔導書『複韻魔書』選手、勝負に出たか』
「遅い! 汝、後悔するがよい! これで終わりだ!! 雷帝招来!」
『フォン・ユンツト著『無銘祭祀書』選手の方が術の完成が早かった!
 雷光につつまれて、魔導書『複韻魔書』選手の頭の風船が破裂します』
ふん、その程度で我に勝てると思っていたのか
「くっ……わらわも、まだまだ甘かったか……」
『がっくり膝をついた魔導書『複韻魔書』選手が、前のめりに倒れます。
 勝負ありました、フォン・ユンツト著『無銘祭祀書』選手の勝利です』