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レターズ・オブ・バレンタイン

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レターズ・オブ・バレンタイン
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26)

クリスマスパーティーに
金元 ななな(かねもと・ななな)をスキーに誘った、
シャウラ・エピゼシー(しゃうら・えぴぜしー)は、
「この前はヒラニプラだったから、今度はツァンダでどうだ?」と、
ツァンダの温泉宿にやってきた。
昼間、たっぷりとスキーを楽しんだ2人は、
夜は、隠れ宿として穴場になっている温泉を楽しむ。

「お料理おいしかったねー!
ゼーさん!」
「おう。喜んでもらえてよかった」
「ゼーさんの温泉情報網はピカイチだね!」
「あはは。温泉情報網か。それほどでもないぜ」
シャウラが、頭をかいて照れて見せる。

「ねえ、ゼーさん、露天風呂だって!
行ってみようよ!」
「ろ、露天風呂!?」
もちろん、混浴だったりはしない。
露天風呂は男女別々だ。
しかし……。

「わー、ひろーい!」
隣の女湯から、なななのはしゃぎ声が聞こえてくる。
「星もすっごくよく見えるよ!
M76星雲も見えるかな!」
「はは、そうだな……」
(何、緊張してんだ、俺)
改めて、すぐ向こう側に、ななながいると思うと、
シャウラは緊張してくる。
顔が紅潮しているのは、お湯が熱いからだけではあるまい。

「わー、打たせ湯があるよ!
あははは!」
(打たせ湯!?)
なななの姿を想像して、シャウラは顔を湯船まで沈めた。

しばらくして。
「ゼーさん、大丈夫?
のぼせちゃった?」
「いや、大丈夫だ。ははは」
真っ赤な顔のシャウラが、なななに言う。
(ななな、浴衣姿もかわいいな)
内心、そんなことを思いながら。

「あ、ゼーさん、見て、卓球があるよ!」
「よし、湯上りに勝負するか!」
2人は卓球台に向かいあった。
「勝った方がコーヒー牛乳をおごるのはどうかな?」
「よし、その勝負、乗った!」
2人は、真剣に卓球勝負を始める。

そして。
「ふふふ、アホ毛の差で勝利だね!」
「あー、さすが、なななだな」
(まあ、でも、コーヒー牛乳をおごるのはまんざらでもない、かな)
シャウラは、2人分のコーヒー牛乳を買ってくる。
そして、2人で腰に手を当てて一気に飲み干す。
「「ぷはっ」」
そして、シャウラとなななは、顔を見合わせて笑った。