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リアクション
■予選 百合園女学院 1
百合園女学院の校庭にて。
校長の桜井 静香(さくらい・しずか)と
ラズィーヤ・ヴァイシャリー(らずぃーや・う゛ぁいしゃりー)が並んで、闘技場の契約者たちを見渡す。
「では、百合園女学院予選大会を始めます」
静香の宣言により、戦いが始まった。
「あたしは聞いたよ……。
『優勝したら、欲しい人はラズィーヤのパンツも貰えます』って!
つまり、『誰か優勝したら、欲しい人はラズィーヤのパンツも貰えます』……。
それすなわち、『優勝者が出たらパンツを貰える』ってことでしょう!?
つまり、ラズィーヤ様のパンツも、優勝者のパンツも、静香校長のパンツもとにかくもらえるってことでしょ!?」
レオーナ・ニムラヴス(れおーな・にむらゔす)は、
全裸で、ゴボウを手に、リングに立っていた。
「あれは、まさか、裸拳!?
……じゃなくて、単に裸なだけ!?」
ネージュ・フロゥ(ねーじゅ・ふろう)は、
レオーナの奇行にさすがに驚き、目を見張る。
「ここは女子校だし、幾多のコメディ時空を潜り抜けたあたしは、
この程度では気にしないよ!」
ネージュは、レオーナに特別な能力などはなく、
単に全裸なだけであるということを確認して、気を引き締めた。
「今回はシリアスなんだから!
引きずられたりはしないよ!」
「あ、あの……」
レオーナに特別な能力はないが、全裸である。
静香が顔を赤らめて視線を逸らしている。
「バナナはおやつではありません、バナナはブーメランです。
バナナはおやつではありません、バナナはブーメランです。
大切なことなので二回言いました」
レオーナが、食材のバナナの皮を投げて攻撃してくる。
バナナの身は、その場で美味しくいただいている。
「まさか、普通のバナナと見せかけて、超テクノロジー兵器とか!?」
闘技場の床に落ちたバナナを、ネージュが警戒するが、
本当にただのバナナの皮である。
「パンツをもらえるというなら、
あたしはなんだってするよ!
あたしのペースに引きずり込めば、もはやこっちのもの!」
レオーナは、これらの奇行により、相手の隙をついて、
ゴボウを尻に突き立てて「アッー!」と言わせ、勝利をもぎ取ろうとしていたのだが。
教育実習生の祥子・リーブラ(さちこ・りーぶら)が、
教師として、教育的指導を行う。
「これ以上は百合園の品位を損なうでしょ!」
荒馬のブーツで蹴りを放つ祥子に、
レオーナは身もだえして叫ぶ。
「ブーツ!?
これは、SMの香り!?
あ〜ん! もっと責めてぇ!」
しかし、祥子の蹴りをまともに受け、レオーナは闘技場の外にぶっ飛ばされた。
「あ、あたしのパンツが……」
「他人のパンツを欲しがる前に、まず、自分がパンツを穿きなさい!」
全裸で倒れているレオーナに、祥子が言い放つ。
まったくそのとおりだと、その場にいた誰もが思っていた。
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