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アーデルハイトクリッカー【公開生放送】

リアクション公開中!

アーデルハイトクリッカー【公開生放送】

リアクション


デヘペロを止めろ! ロリババアクリッカー!

ザンスカールの森の精 ざんすか(ざんすかーるのもりのせい・ざんすか)に協力して、デヘペロを止めるべく、
ザカコ・グーメル(ざかこ・ぐーめる)は作戦を申し出た。
「アーデルさんをやらせるわけにはいきませんが、今は協力します。
ところで、
ざんすかさん、ふと思ったんですがその奥義って、
当たればデヘペロでも分裂するんですか?」
「そうざんす!
ミーの奥義で、腕に触れさえすれば、何人たりとも分裂するざんす!」

「話は聞かせてもらったぜ!
俺も分裂させてくれー!」
「分裂したいざんすか? いいともざんす!」
アキラ・セイルーン(あきら・せいるーん)がざんすかの腕に体当たりしてきた。
次の瞬間、アキラが2人になっており、
アキラの肩に乗っていたアリス・ドロワーズ(ありす・どろわーず)も分裂していた。

「「すげえ! 本当に増えてる!
よーし、もっともっと分裂しよー!!」」
アキラがさらに分裂を繰り返す。

「「まさか、ほんとに分裂できるとはびっくりしたワ。
……って、アキラが収集つかないことになっていってるワネ」」

アリスの指摘通り、アキラがどんどん増えていっている。

「これって、分裂しても強さは同じなんですか?
デヘペロも分裂したら小さくなるのかなと思ったんですが」
「小さくはならないと思うけど、
デヘペロぐらいでかい奴だと、多少弱くなるかもしれないざんす!」

「俺たちは100交代制で学校とか仕事すればいいから、多少のことは気にしないぞ!」
「でも、誰が最初に行くんだ?」
「あと、食費とか、寝る場所とかどうするんだ?」
「じゃあ、ジャンケンで決めよう!」
「そうしよう!」
「じゃんけんぽん!」
「あいこでしょ!」
「あいこでしょ!」
「……っしょ!」
「……っしょ!」

アキラたちは分身なのでジャンケンの決着がつかなくなっている。

「「100人でジャンケンってシュールダワ」」
アリスたちがその様子を見てつぶやく。

「もっと増えれば、だれかがボランティアで行ってくれるんじゃね?」
「仕事する奴が一定数いれば、俺たちは怠けても大丈夫だ」
「なるほど、ハタラキアリも一定数は怠けるっていうもんな」
「それは今は関係ないと思うぞ」
「それはそうと、もっと分裂しようぜ」
「しようしよう」

「だあああ!
ミーのラリアットは遊びじゃないざんす!」
アキラたちはさらに分裂しまくっていった。

「これで味方が増えましたね!
今のうちに!」

ザカコは、デヘペロに向かって言う。
「デヘペロさん!
よく考えて下さい!
テレビカメラに映るためには、大勢いた方が有利なんです!
たくさんいた方がテレビカメラに映る確率が上がります!
それに、アイドルだって今時、グループが基本ですよ!」

「ペロペロペロオオオオオオオオオオオオオオオオオオウ!
たしかにそのとおりだな!
デヘペロのことも増やしてくれ、ざんすか!」

デヘペロも、ざんすかの「ロリババアクリッカー」で分裂していった……のだが。

「や、やはり、小さくなりませんでしたね。
でも、弱くなってるのなら、今がチャンス!」

ザカコが、デヘペロの1体を倒す……が。

「「「「「「「「「「このままアーデルハイトを食い尽くしてやるぜー!!」」」」」」」」」」

デヘペロの集団がアーデルハイトを食べ始めた。

「このままではアーデルハイトが足りないざんす!」

「そんなこともあろうかと……」
「くらえ!」
アキラのうちの2人が、金の卵と仙人の豆をデヘペロに向かって投げる。

「う……腹がいっぱいに」
「もうアーデルハイトは食えないぜ……」

「やった! 足止め成功ですね!
この隙に、デヘペロを倒しますよ!」
ザカコが言う。


一方その頃、
セレンフィリティ・シャーレット(せれんふぃりてぃ・しゃーれっと)
セレアナ・ミアキス(せれあな・みあきす)は、
深夜のお色気バラエティ番組の出演者と間違えられて、楽屋に案内されそうになっていたが、
その途中で、デヘペロの騒ぎに出くわした。

「ねえ、アーデルハイトのスペアボディって元は食材なんでしょ?
だったら、とんでもない味付けの料理にして、
デヘペロに食べさせれば、足止めできるんじゃないかしら」
「……何言ってるの!?
でも、それだったら、セレンが料理するのが一番いいはずよ!」
【殺人兵器級料理人】と呼ばれるセレンフィリティにセレアナが言う。
「……どういう意味?」
「まあまあ、天才料理人だったら、食べ合わせの悪そうな食材もわかるはずよね?」
「まあ、もちろんそうだけど」
セレンフィリティは言いくるめられ、料理番組用の食材を使って、
アーデルハイトとセットにする料理を始めた。

「これが、アーデルハイトの味を引き立てる、究極のソースよ!」
セレンフィリティの作った、ぐつぐつ煮え立つ謎の液体からは、
なんとも言えない悪臭が漂っている。

「さすが、天然で恐ろしい料理を作るだけあって、
意図的にまずいものを作ろうとした場合の破壊力は凄まじいわね……」
「何か言った、セレアナ?」
「いえ、なんでもないわ。さあ、やってしまって!」

セレンフィリティは、アーデルハイトを何体か鍋の中に突っ込んで、
デヘペロに向かって放り投げた。
それをデヘペロがバクリと口で受け止める。

「わあああ、アーデルさん、ごめんなさいっ!」
ザカコがあまりの光景に、
ここにカメラがなかったことを心の底から感謝していた。

「うっ……」
「ま、まずい……」
デヘペロのうちの数体が、まずい味付けになったアーデルハイトを食べて、行動不能になっていく。

「やった、作戦成功ね!」
「ちょ、あれを見て……!」

ガッツポーズするセレンフィリティだったが、
セレアナが慌てる。

「戦えないデヘペロはいらないデヘペロだぜー!」
デヘペロが、行動不能になっている別のデヘペロを食べ始めたのだった。

「やった、これで、同士討ちに……!?」
ザカコがその展開に喜んだのもつかの間。

おぞましい共食いの結果、
残ったデヘペロは、巨大化していた。

「これは、濃縮還元デヘペロざんす!
かえってパワーアップしてしまったざんす!」

「ペロペロペロオオオオオオオオオオオオオオウ!
なんだか食が進むぜー!」

デヘペロがアーデルハイトをすごい勢いで食べ始める。

「もっとアーデルハイトを増やすしかないわ!」
「ざんすか、早く!」
セレンフィリティとセレアナが言う。

「言われなくてもわかってるざんす!」

「俺ももっと増やしてくれ!
デヘペロに対抗しないとな!」
アキラもさらに分裂する。

こうして、一行は、時間稼ぎを続けるのであった。