校長室
選択の絆 第一回
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静香とラズィーヤ、ヴァイシャリーの防衛 3 百合園生たちは、ヴァイシャリーを守るため、懸命に戦い、 着実に女騎士たちを討ち取っていた。 ミューレリア・ラングウェイ(みゅーれりあ・らんぐうぇい)と リリウム・ホワイト(りりうむ・ほわいと)の搭乗する ジェファルコンのラナンキュラスが、 壁役として、女騎士たちに立ちふさがる。 「さて、どんな攻撃をしてくるかお手並み拝見だぜ」 女騎士は、剣や槍を使って、 イコンの装甲を破壊にかかってくる。 「なるほど、まさに戦乙女、ヴァリュキュリアって感じだぜ!」 ミューレリアが、口笛を吹くような口調で言った。 「だが、私たちだって、伊達に長年戦ってきてるわけじゃないんだ!」 「追い込みました。今です!」 「ここだっ!」 リリウムの言葉に、ミューレリアは、 新式ビームサーベルを振るう。 「あんまり校長をいじめるんじゃないぜ! ここは行かせねーよ!」 「ボクたちの前は通らせないのです!」 ミューレリアとリリウムが声をそろえる。 「あたしだって、白百合団の一員なんだからね! 百合園生の姿の、ホワイトスノゥ・オーキッドが相手になるよ!」 ネージュ・フロゥ(ねーじゅ・ふろう)が、 ラディーチェ・アコニート(らでぃーちぇ・あこにーと)とともに、 ホワイトスノゥ・オーキッドに搭乗して、 女騎士たちの前に立ちふさがる。 「ネージュちゃん、思いっきり魔力弾を撃ってください!」 ラディーチェの支援の元、 ネージュが、ウィッチクラフトライフルの引き金を引く。 「普段ならここで何の脈絡もなく、 いきなり地祇(ちぎ)が登場して、 ぶっ飛ばされるところだけど、 そうはいかないよ! あたしだって、そういつもいつもお星様にされてばかりじゃないんだからね!」 「ネージュちゃん、それだとフリみたいですよ」 「大丈夫! 今日はなんとなく、シリアスって確信があるんだ!」 そう言いつつ、ネージュは、全力で戦った。 「あの高慢ちきな光っている女を叩きのめして差し上げますわ! 相手は静香校長を狙っておりますわ。 ならば、敵と静香校長のライン上にいれば おのずとあの高慢ちきな女ともぶつかろうというものですわ! この『ドージェの鉄拳』をあの顔に叩きこんで、ぎゅうと言わせて差し上げますわ!」 白鳥 麗(しらとり・れい)は、 サー アグラヴェイン(さー・あぐらべいん)とともに、 ゴールデン セレブレーションに搭乗し、 派手にエルキナの前に立ちふさがってみせる。 「お嬢様、今は桜井校長様をお守りする事が優先と思われます」 「……も、もちろんそんな事判っておりますわ! 静香校長を逃がすのが第1! あの光ってる女をぶっ飛ばすのが第2ですわ!」 アグラヴェインとそんなやりとりをしつつ、 麗は、エルキナを挑発する。 「さあ、降参するなら今のうちですわよ! もっとも、まずはわたくしがぶっ飛ばしてからですけれど!」 「お嬢様、おっしゃっていることがめちゃくちゃですが」 アグラヴェインがツッコミを入れる。 しかし、実際に、ゴールデン セレブレーションの牽制に、 エルキナは、すでにイコン部隊の後方へと退避している静香に近づくことができない。 「面白いわね。やはり、こうでなくては」 百合園生たちのイコン部隊を見回し、 エルキナは余裕の笑みを浮かべた。 ■ また、女騎士たちからヴァイシャリーの街を守るのも、 契約者たちの使命であった。 シャウラ・エピゼシー(しゃうら・えぴぜしー)と ユーシス・サダルスウド(ゆーしす・さだるすうど)は、 ユングフラウに搭乗し、 固定砲台のように、ヴァイシャリーの街の前に陣取る。 「百合園の華奢で儚いお嬢様方だけに戦わせるわけにはいかねえ! 俺の機体の特性を生かしバリ撃墜してやんぜ!」 シャウラが、上空の女騎士たちに、二連磁軌砲の連射を浴びせる。 「超射程はこうやって使うんだぜ」 「貴方と付き合ってると身が持ちませんよ」 「そうボヤくなって。あとで飯でも奢ってやるからさ」 補佐をしながら言うユーシスに、シャウラが笑いかける。 「俺たちは『街の盾』だ。 流れ弾ひとつ、当てやさせねえよ!」 シャウラは、ユングフラウの装甲を盾にしてでも、 ヴァイシャリーの街を守るつもりであった。