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リアクション
第7章 未来の静香と、暗躍、謀略
■□■1■□■ 宮廷、未来・静香と側近の謀略
宮廷、静香の自室。
未来の静香と、その配下達が会話している。
「申し訳ございません」
紅き仮面のユーキー……真口 悠希(まぐち・ゆき)は、ひざまずいて言う。
ミューレリア・ラングウェイ(みゅーれりあ・らんぐうぇい)は、
メイドとして宮廷に潜入し、静香の部屋をのぞいていた。
(メイドは見た! だぜ。
あの仮面の十嬢侍は誰なんだ……?)
しばらくすると、未来のミューレリアが、
現在の毒島 大佐(ぶすじま・たいさ)を連れてやってくる。
現在のミューレリアは慌てて隠れる。
★☆★
未来のミューレリアは、メイド長であった。
諜報活動や護衛、暗殺などで静香をサポートしているが、
その真の目的は、静香を神にさせ、その上で静香を暗殺することである。
殺す時に神の力を奪えれば最高だと考えているが、
それが無理でも神殺しとして神に近づけるし、
権力も手に入る。
「静香様に雇ってほしいそうです」
ミューレリアは、大佐を静香に面会させる。
「我は、2010年8月1日アクション投稿時に、
百合園で唯一の『薬学』保有者である。
……ということで、研究者として雇ってください。
って言うか、百合園生って理系コミュに所属してる奴居なさすぎだろ!
化学は1人、医学は2人、薬学は我1人。
生物、物理、地質、電子工学とかに至っては0人だったぞ!
どういう事だお前等」
大佐は盛大にメタ発言しつつアピールする。
★☆★
(な、なんだか怪しいぜ! 大佐だし!)
現在ミューレリアの考える通り、
大佐は、自分がいろいろ薬を作って実験したいだけであった。
「例えばこの薬、
実験体はSAN値が著しく下がるけど
気にしなくていいよね。実験に犠牲はつき物だし」
大佐はサンプルを見せつついう。
そんな感じで自由勝手にやりつつ、
静香の性格を矯正できる薬品をちょっとづつこっそりと作っていくのが、
大佐の目論見であった。
未来・ミューレリアは大佐の考えをうすうす気づいてるが、
「神殺し」を成功させるため放置しているのだった。
「かまわぬぞ、【狂血のメイド長】」
静香は言い、未来・ミューレリアは微笑を浮かべる。
狂血の黒影爪で、影に潜み、暗殺するのが、未来・ミューレリアの戦闘スタイルであった。
★☆★
現在のブルタ・バルチャ(ぶるた・ばるちゃ)は、
過去と未来の静香の取り換えをしたいと考え、
小ラズィーヤの父だと予想する静香に、かどわかす一団が過去から来たと言って取り入る。
「ボクは、奴らの計画を未然に防ぎたいんだ。
それに、過去の世界ではあなたの力が必要とされている。
ここはもう一人の静香校長に任せてボク達の世界に来てもらえないか?」
荒廃した世界には心優しい静香を、
強力な力と指導力が求められる激動の時代にはダークサイド静香が適材適所だというのが、
ブルタの考えであった。
「激動の時代にこそあなたは相応しい。
この世界だけで満足しているとはあなたらしくもない。
過去、未来あらゆる世界を征服してみませんか?」
「僕はこの世界を支配するんだ。過去のことなど知ったことか!」
しかし、静香はブルタの提案を一蹴する。
ここまでは、ブルタの予想通りであった。
「やれ、メイド長」
「はい、静香様」
「え!? ぎゃあああああああああああああ!?」
静香の命令で、未来・ミューレリアが、ブルタをボコボコにした。