薔薇の学舎へ

波羅蜜多実業高等学校

校長室

葦原明倫館へ

月雫石を入手せよ!

リアクション公開中!

月雫石を入手せよ!

リアクション


(7)再びツァンダの街にて

「そうですか…とにかく、無事採掘もできるようになったみたいで安心しました。皆さんどうもありがとうございます」
 ツァンダの街では、帰ってきたレティーシアたちがアクセサリー職人に報告に来ていた。
「お役に立てたようで、うれしいですわ」
「そうですね」
 レティーシアや霧島 春美たちは職人が喜んでくれてほっとしていた。
「ではこの月雫石でアクセサリーを作りましょう。ちょっと多いので時間がかかってしまいますが…」
 職人は彼女たちが持ってきた月雫石を見ていた。
「わあい、あたしは髪留めがほしいなあ」
「ボクはブローチがいいな」
 クラーク 波音やカレン・クレスティアたちが楽しそうに話している。
「私はどうしようかしら…」
 フレデリカ・レヴィはまだどんなアクセサリーにするか悩んでいた。
「写真が入れられるロケットペンダントなどどうでしょうか?」
 ルイーザ・レイシュタインが提案する。
「写真…そうね、いいかも」
 フレデリカが何か考えながら言った。きっと入れたい写真があるのだろう。
「ええ、お任せください」
 楽しそうにしている彼女たちを見て、職人もうれしそうだった。

 数日後、アクセサリーができたと連絡が入ったので彼女たちは再び彼の工房を訪れた。
 部屋に入ると、たくさんの小箱が置かれている。
「はい、アリアさん、滝宮さんはイヤリングでしたね」
「ありがとうございます」
 アリア・セレスティ、滝宮 沙織は職人からイヤリングを受け取って喜んだ。箱を開けると、黄色く輝く石がはめ込まれたイヤリングが入っていた。
「真白、佐々城さんはブレスレットですね」
「やったあ、ありがとうございます」
 真白 雪白は受け取ったブレスレットを早速腕につけた。
「ほんとにきれいね〜」
 佐々城 蝶子も腕につけたブレスレットをうっとりと見ていた。

 それぞれにアクセサリーが配られ、皆満足した様子だった。
 彼女たちは職人に礼を言った。
「喜んでいただけてうれしいです」
 職人もうれしそうだった。誰かのために物を作って、それを喜んでもらえるのが職人にとって一番うれしいことだったのだろう。

「弥十郎さん、これ…」
 工房を出てすぐ、水神 樹は佐々木 弥十郎に小箱を渡した。
「えっ?」
「プレゼントです」
 弥十郎は受け取った小箱を開ける。小箱の中には月雫石で作ったペンダントが入っていた。
「ありがとう」
 さっそく弥十郎はペンダントを身につけた。
 それを見て樹は嬉しいような、恥ずかしいような不思議な表情をしている。
「う〜ん? 似合ってない?」
「そ、そんなことないです。とても似合ってます…」
 樹はあわてて言う。

 本郷 翔はレティーシアに腕輪をプレゼントしていた。
「これを、よろしければどうぞ」
「まあ、ありがとうございます」
 レティーシアは嬉しそうに腕輪を受けとった。

 彼女たちの横で、神和 綺人がクリス・ローゼンに月雫石のペンダントを渡していた。
「はい、これ、クリスにあげる」
「え、私に?」
 クリスが驚く。
「うん。いつも、今回も、迷惑かけちゃったからね…」
 綺人が申し訳なさそうに言うと、クリスは首を振った。
「そんな、気にしなくていいんですよ。ありがとうございます」
 そう言って彼女はにっこり微笑んだ。

「これが月雫石のアクセサリー…綺麗ですね」
 ミュリエル・クロンティリスはエヴァルト・マルトリッツからもらったネックレスを眺めていた。
「レティーシアの力になれたようでよかった」
 エヴァルトが今回の戦いを思い出して言う。
「そうですね。ああ、事件が解決したと思ったらお腹が空いてきました〜」
 ミュリエルが伸びをしながら言う。実際は、事件など関係なく彼女は食欲旺盛なのであるが…
「じゃあ帰りに何か食べていくか…」
 それが逆に、日常に戻ってきたことをエヴァルトに感じさせるのであった。

「アイン、これあげる!」
 岬 蓮がブローチをアイン・ディアフレッドに渡す。
「え? いいのか。アクセサリー欲しかったんじゃ…」
「アインにあげようと思って、欲しかったの。普段の恩返しがしたかったから…」
 蓮が申し訳なさそうに言う。
「そんな、気にすることないのになあ。だって、自分が蓮を守るのは当然のことやろ?」
 アインはその言葉とは裏腹に、嬉しそうにブローチを見ていた。

 無限 大吾は周りの人がプレゼントを贈り合っている様子を見ていると、背後から西表 アリカの声がした。
「はい、これ」
 先ほど職人からもらった小箱が包装紙にくるまれ、リボンが付いている。
「えっ俺に? でも何で…」
「誕生日プレゼントだよ」
「そういえば、そうだっけ…ありがとう」
 大吾が包みを開くと、月雫石をつなげたストラップが入っていた。
「へえ、ストラップかあ。携帯につけておくよ」
「やったあ」
 大吾に気に入ってもらえて、アリカは嬉しそうだった。

 夕日に当たると、月雫石がきらきらと月のように輝いていた。
「ハイドラは安らかに眠っているのかしら…」
 リカイン・フェルマータがつぶやく。
「そうであると信じたいね」
 シルフィスティ・ロスヴァイセが答える。
 美しい月雫石、しかしハイドラはそれを求める人々の争いの犠牲となってしまったと言えるのかもしれない。
 だから、この石を見て忘れないようにしよう、レティーシアたちはアクセサリーを見てそう思うのだった。

担当マスターより

▼担当マスター

青猫格子

▼マスターコメント

お久しぶりです、またははじめまして、青猫格子です。
いかがでしたでしょうか?
今回出てきたハイドラは炎で傷が再生しなくなるという特徴がありました。結構有名なのでアクションに書いている方も多かったですね。
月雫石を入手できた方には称号として希望のアクセサリーを配布しましたのでご確認ください。
(ただしMC、LCのうちどちらか一人までとなります。)

それでは、また次のシナリオでお会いできるのを楽しみにしております。