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第五章 クラウドを探せ


「それじゃあ、私はレインさん達に同行するね。マクフェイルさん、クラウドさん探しがんばってください」
 マクフェイルのパートナー、アルエット・ルーンスフィア(あるえっと・るーんすふぃあ)が手を振る。
 とうとうセンス山に到着して、あとはそれぞれが求める薬候補を探すだけ。
 マクフェイルとアスカ達はクラウドを探すため、ここでレイン達とは別行動となる。
 アルエットは、クラウド探索組とレイン達に同行し、連絡役を買って出た。
「しかし、この山周辺で見かけたという話だけで人一人を探すのは、かなり難しいでしょうね」
「そうだねぇ。とりあえず私はこの辺で弟くんその2の聞き込みをしようと思うよ〜」
「そうですか。あなたは?」
「……ボクはラルムですぅ。……いぢめる?」
「いじめませんよ?」
 アスカのパートナ、ラルム・リースフラワー(らるむ・りーすふらわー)の小首を傾げた仕草での質問に、ごくごく素で答えるマクフェイル。
「……ボクはね、山のお花や木に、お兄さんのいばしょを知ってるか聞くんですぅ?」
「ちょーきせんを覚悟しといた方がいいよ。何しろ、全然手がかりりがないんだからねぇ」

「……って覚悟を決めた途端、どーして即座に見つかっちゃうのぉ〜!」
「え、え、なんか俺悪い事した!?」
 聞き込みの基本はまず酒場。
 山のふもとの茶屋に入り、最初に声をかけた人物はレインと同じ顔をしていた。
 相手がクラウドだと確認し、サニーの病状を告げた途端クラウドは慌てて立ち上がる。
「そ、そりゃまずい! 姉貴がそんな事になってたなんて知らなかった!」
「ええ。ですからクラウド殿には早急に帰還していただきたいと」
「帰るよ! こんなことしてる場合じゃねぇ、急いで……いや」
 身支度を整えようとしたクラウドの手がぴたりと止まる。
「どうしたのぉ? もし素直に帰ってくれないなら、ちょーっと弟くんその2の恥ずかしい話とか暴露しちゃおうかなぁ」
「な、何だよ俺の恥ずかしい話って!」
「きてくれないの……? ふにぃ……」
「うわーこの人子供泣かしたぁー(棒読み)」
「……いぢめる? いぢめる?」
「ちょ、ちょっと待てよ! 誰も帰らないなんて言ってないだろ!」
 ラルムが泣き、騒ぐアスカに周囲の注目が集まる。
 耐え切れず店を出たクラウドは、アスカ達にこう話し始めた。
「とりあえず、教えてくれて助かった! ありがとな。すぐにでも帰りたい所だけどよ……このまま帰ったら、その、みっともねーだろ。姉貴助けるのに薬がいるっていうしさ、せっかくセンス山の側にいるんだ、一個くらい薬の材料持って帰った方がサマになるんじゃないかなって……」
「……恥ずかしい話」
「うっ」
「……いぢめる?」
「ううっ」
「クラウド殿、お願いします」
「……た、頼む! 見つかったらすぐ帰るからさ!」
「どうしましょう?」
 クラウドの懇願に、マクフェイルはアスカの顔を見る。
「んもぉ〜、しょーがないなぁ。ほんとにちょっとだけだからねぇ」
 こうして4人は、センス山に入ることになった。